東京カウボーイ (2023):映画短評
東京カウボーイ (2023)「寅さん」を愛した監督らしい、軽妙感と懐かしい心地よさ
伝統的な世界に明らかに異質の人間が入り込み、対立や葛藤を積み重ねながら、やがておたがいを認め合う。そして主人公の生き方も大きく変わる…という、これまで何度も語られたドラマの常套だが、やっぱり感動してしまう映画のマジックが発揮される。ある意味、“裏切られない”真摯な一作。
監督の日本での経験、藤谷文子が参加した脚本、そして日本ロケによって、この手の作品にしては違和感が限りなく少ない。日・米のカルチャーギャップもスパイとして妙味。アメリカ側の俳優より、國村隼ら日本人俳優が作品にフィットしてるのも意外。何より、モンタナの雄大な自然をバックに馬を駆けるなど、映像美が素直に爽やかな気分へと導いてくれる。
この短評にはネタバレを含んでいます