言えない秘密 (2024):映画短評
言えない秘密 (2024)ライター2人の平均評価: 4.5
尾美としのりのキャスティングも肝
「大林(宜彦)映画へのオマージュか?」と思ってしまうほど、ノスタルジックな雰囲気に満ち溢れたジェイ・チョウ主演・監督による台湾オリジナル版。それをあえて日本でリメイクすることは製作陣にとって、ある種の挑戦だったと思えるが、尾道ロケではないものの、主人公の父役に尾美としのりをキャスティングしたことで説得力がマシマシ。オリジナル版の魅力だった荒唐無稽さは影を潜めたものの、脚色によりキラキラ映画の要素に加え、より泣ける作りになっているのも興味深い。京本大我と古川琴音という、一見意外にも見えるカップリングも功を奏しており、なかなか侮れない恋愛映画に仕上がっている。
良質で誠実なリメイク
同題台湾映画のリメイクになる作品。オリジナルを見たときに感じた爽やかさが担保されることはリメイクするには最低限の事柄ですが、それがなかなか難しいのも事実。その点、今作はスタッフ&キャストのオリジナルへの想いの誠実さが伝わってくる良質なリメイク作品と言えるでしょう。京本大我と古川琴音の組み合わせも新鮮さと誠実さを兼ね備えていて良かったです。ピアノ演奏のシーンも丁寧に描かれていました。目を惹くような極端な派手さはないものの、最後までしっかりとした恋愛映画でした。