ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ (2023):映画短評
ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ (2023)甦るのは愛か、それとも? 31分の濃密な時間は幕切れも美しい
その設定から『ブロークバック・マウンテン』と比較したくなるが、本作は西部劇らしく渇いた荒々しさの陰に、つねに甘くロマンティックなムードが漂い続け、そこがアルモドバルらしい。主人公たちのやけにカラフルな衣装もワインの赤と美しいコントラストを放ち、1910年のアメリカを舞台にしながら、どこかヨーロッパ映画の装いという印象。
2人の男の再会の喜び、ワインを酌み交わしながら甦る愛情、翌朝の冷静さを、イーサンとペドロが異様なほどスムーズな流れで演じ、惚れぼれとするほど。
ポルトガルのファドを、明らかに口パクで被せる演出など、映画としての「作り物」で濃厚な愛のドラマを奏でるスタイルも監督ならでは。
この短評にはネタバレを含んでいます