となりの怪物くん (2018):映画短評
となりの怪物くん (2018)ライター2人の平均評価: 2
監督の力量不足が露呈しまくる
主演の2人だけでなく、お互いの恋敵になっていくヤマケンに山田裕貴を、千づるに浜辺美波という旬の芸達者を配しても、ここまでペラペラな仕上がりということに、逆に驚かせられる。なにしろ、原作愛が感じられない。淡々としながらもキラキラした青春群像劇をやりたかったのは理解できるが、『ビー・バップ・ハイスクール』を思い起こさせるワイヤーアクションで始めてしまうのは、やっぱり違うだろう。105分の上映時間ではもちろんキャラは捌ききれないわ、西野カナの楽曲はムダに流れるだけわと、月川翔監督の力量不足は至るところで露呈しまくり。ひたすら、今秋公開予定の『響 HIBIKI』の仕上がりが不安になる一本である。
役者陣の好演と非現実的な表現には面白さもあるが…
漫画ならではの話をメジャー作品として成立させる上で、菅田将暉、土屋太鳳、山田裕貴など、芝居のできる若手俳優たちの力が活かされているのは確かだし、役者たちは好演していると思うが、こういうジャンルの作品にはフレッシュさも重要なのだなということを痛感させられた。もちろん実年齢がどうかではなく、役にあっているかどうかが重要で、原作のキャラと合っている役者を選んだのかもしれないが、原作未読の自分にはもっと若い役者がやるべき役ではないかと感じた。少女漫画の映画化として、一部リアリティを無視した表現に挑んでいるが、全編にわたってもっと非現実的な表現に挑むくらいであれば、このキャストたちが活かされたかも。