劇場版 コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- (2018):映画短評
劇場版 コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- (2018)ライター2人の平均評価: 3.5
主人公たちの絆の深さに歴史を感じられるファンにはたまらない
人気医療ドラマシリーズの映画版だが、良くも悪くもテレビドラマそのままの作りは、評価がわかれるところ。
ただ、登場人物たちがこれまで直接的には口にしてこなかった言葉をはっきり語り、主人公たち5人の絆の深さを明快に描く構成は、映画館という非日常の空間でじっくり見つめる特別感と相まって、シリーズ10年の節目を記念したスペシャルエピソードになっているし、ファンへのメッセージも満載なので、10年間観続けてきたドラマ版からのファンの多くは満足できるはず。
といってもファンムービー的な作りは、10年目での初映画化だからこそ許されたと思うので、もしも第2弾があるならば、劇場版ならではの挑戦を観てみたい。
あくまでもファン感謝祭的な「劇場版」
10年間、5人の成長を追ったファンとして、どんなスケールのデカい話を描くかと思いきや、肝となるはずの「巨大フェリー、海ほたる衝突事故」の扱いがあまりに呆気ない。事象より人間を描く構成は、制作者の『海猿』路線と異なる意図を感じるが、やはり大スクリーンで観る「コード・ブルー」が見たかった! しかも、“脳天に包丁”という凄まじい登場の、かたせ梨乃の出オチ感に続き、これまでになく神々しく登場した藍沢先生の見せ場の少なさ&まさかの展開に驚き!ファンとしては“あの人”のサプライズレターだけで満足できるも、“余命数週間の花嫁”を演じた山谷花純の存在感が際立つ結果になった。