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2016年 第73回ベネチア国際映画祭コンペティション部門20作品紹介(3/6)

第73回ベネチア国際映画祭

ハズレなし!映画祭常連の名匠たち

ベネチア国際映画祭
(C)Marcel Hartmann

作品名:『オン・ザ・ミルキー・ロード(英題)/ On The Milky Road』
製作国:セルビア、イギリス、アメリカ
監督:エミール・クストリッツァ
キャスト:モニカ・ベルッチエミール・クストリッツァ

ストーリー
戦場の前線を、銃弾を避けながら戦士にミルクを運ぶ牛乳配達人には、村の美しい女性との平和な未来が待ち受けていたかに思われた。ところが謎めいたイタリア人との出会いによって彼の人生は一変する。2人は禁じられた愛に身を投じ……。

ここに注目:
エミール・クストリッツァ監督が主演を兼任し、戦争と共に送った青春期、情熱的な愛の日々、激動の人生を回顧する僧としての日々という主人公の3つの時代を描くドラマ。本映画祭では初監督作『ドゥ・ユー・リメンバー・ドリー・ベル? / Do You Remenber Dolly Bell?(英題)』(1981)が4部門で受賞し、『黒猫・白猫』で監督賞を受賞。共演のモニカ・ベルッチは「観客を戦場に放り込み、愛と戦争に翻弄される関係について考えさせられる作品」と話している。

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ベネチア国際映画祭
(C)Donata Wenders 3

作品名:『ザ・ビューティフル・デイズ・オブ・アランフエス(英題)/ The Beautiful Days Of Aranjuez』
製作国:フランス、ドイツ
監督:ヴィム・ヴェンダース
キャスト:レダ・カデブ、ソフィー・スマン

ストーリー:
美しい夏の日。庭にあるテラスに、木陰のテーブルを挟み男女が座っている。2人の間で、セックスのこと、子ども時代の想い出、夏について、男と女の違いといったテーマの会話が次から次へと繰り広げられる。

ここに注目:
ことの次第』で本映画祭金獅子賞を受賞しているヴィム・ヴェンダース監督による会話劇。ヴェンダース監督の『ベルリン・天使の詩』などの脚本も手掛けている劇作家ペーター・ハントケの戯曲を映画化し、男女の会話を男性、女性それぞれの視点でみせる。出演は『ゼロ・ダーク・サーティ』などのレダ・カデブと、ヨウジヤマモトで3年間働いたのち女優になり舞台・映画で活躍するソフィー・スマン。

ベネチア国際映画祭

作品名:『ボヤージュ・オブ・タイム:ライフズ・ジャーニー(原題)/ Voyage of Time: Life's Journey』
製作国:アメリカ、ドイツ
監督:テレンス・マリック
キャスト(ナレーター):ケイト・ブランシェット

ストーリー:
ビッグバンが起きて星や銀河が誕生して以降、地球における恐竜の台頭と人間の進化などを長期にわたり捉えていく。

ここに注目:
寡作なテレンス・マリック監督初のドキュメンタリー映画は宇宙の誕生と謎を探求する内容とされ、2パターンある。40分尺のIMAX版はブラット・ピットが、90分尺の通常版である本作は監督と3度目のタッグとなるケイト・ブランシェットがナレーションを務めている。マリック監督は『トゥ・ザ・ワンダー』が本映画祭のSIGNIS賞(カトリックメディア協議会賞)を受賞。すでにカンヌとベルリンで最高賞を受賞しているので、本作で受賞すれば三大映画祭制覇となる。

ベネチア国際映画祭
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銀獅子賞(最優秀監督賞)

作品名:『パラダイス(英題)/Paradise』
製作国:ロシア、ドイツ
監督:アンドレイ・コンチャロフスキー
キャスト:ヴィクトル・スホルコフ、ユリア・ヴィソツカヤ

ストーリー:
フランスでレジスタンス活動に身を投じたロシア貴族出身のオルガ、フランス人レジスタンスの同志ジュールス、ナチス高官ヘルムート。第二次世界大戦下、国籍も生まれ育った環境も全く異なる3人の人生が交錯する。

ここに注目:
ロシアの芸術一家に生まれ、弟のニキータ・ミハルコフと共に、ロシア映画界を代表する映画監督であるアンドレイ・コンチャロフスキーの最新作。本映画祭では『白夜と配達人』(2014・日本劇場未公開)で銀獅子賞を受賞。プライベートでも監督のパートナーであるユリア・ヴィソツカヤをキャストに迎え、戦時下を生き抜こうとする3人の男女の宿命を追った壮大な物語が紡がれる。

>次ページは「原作&リメイクものの意欲作」

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