大山くまお

大山くまお

略歴: 編集者を経てライターに。映画、ドラマ、アニメなどについて各メディアに寄稿。「文春野球」中日ドラゴンズ監督を務める。

近況: YouTube「ダブルダイナマイトのおしゃべり映画館2022」をほぼ週1回のペースで更新中です。

サイト: https://www.youtube.com/channel/UCmdesdmNuJ2UPpAQnzkh29Q/featured

大山くまお さんの映画短評

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  • マチルダ・ザ・ミュージカル
    エネルギッシュな子どもたちの反抗と革命ミュージカル
    ★★★★

    虐げられた子どもたちによる反抗と革命の歌声が響く。世界各国で上演されているロアルド・ダール原作のミュージカルを映像化。子ども嫌いの圧政者に対して、けっして負けない少女マチルダの叫びは可愛らしいだけじゃなくて熱い。「人生は不公平なの。笑顔で耐えてちゃダメなの。我慢をしてたらいつまでも変わらない!」。歌もダンスシーンも豪華でパワフルでエネルギッシュ。子ども嫌いの大人がニュースになる昨今、単なるおとぎ話とは思えない部分も。特殊メイクで巨大女に扮したエマ・トンプソンによる子どもの虐待シーンはパンチが効いているので甘口ミュージカルを期待している人は注意。

  • ナイブズ・アウト:グラス・オニオン
    クソみたいな現実に中指立てるようなラストが爽快
    ★★★★

    ダニエル・クレイグ演じる“世界一の探偵”ブノワ・ブランがNetflixで帰ってきた! イーロン・マスク風の大富豪と、彼にカネの力で手懐けられた怪しいセレブたちが孤島のお屋敷に集められたところから事件が始まる。練り上げられた構成と怒涛の伏線回収が気持ちいいミステリー。何よりキャストもロケーションも豪華で目がずっと楽しい。お正月に劇場で観たい映画だ。謎解きも笑いどころもたくさんあるし、何よりクソみたいな現実に中指を立てるようなラストが爽快。訳知り顔で現実の不都合を受け入れるばかりじゃつまらない。やっぱりフィクションはこうでなくっちゃね。

  • かがみの孤城
    デスゲームじゃなくて生きるためのゲーム
    ★★★★

    辻村深月の原作を原恵一監督がアニメ化。学校や家庭に居場所のない7人の中学生が、鏡の世界の城に集められて1年を過ごす。現実がデスゲーム化している少年少女たちが、ファンタジーの中で生きるためのゲームをするという、厳しさと優しさが同居したストーリー。「動」ではなく「静」の作品だが、主人公の心の中は常に激しく波打っていて、見ているこちらの胸が詰まる。生きづらい思いをしている子どもたちに観てもらいたい作品。声優陣はみんな見事なのだが、声が印象的なフウカを演じていたのが『義母と娘のブルース』の子役、横溝菜帆で驚いた。

  • トロール
    ちょっとほのぼのしているノルウェー版『ゴジラ』
    ★★★★★

    山を人間が荒らすとき、伝説の巨人が怒りの覚醒を果たす。ノルウェーの伝承に登場する巨人、トロールが現代に蘇って大暴れするノルウェー版『ゴジラ』(劇中で日本のニュースがちゃんと「ノルウェーのゴジラ」と言う)。伝承そのままの姿だからなのか、被害が甚大になっても全体的にほのぼのとしたタッチなのだが、後半はゴジラを皇居に向かわせるような大胆なストーリー展開に驚いた(実在した王の名前も登場する)。開発、文明だけでなく、キリスト教化した国とトロールの対立も描かれているのが攻めている。考古学者のヒロインをはじめ、女性の活躍も印象的。ラストはやっぱり初代『ゴジラ』風だった。

  • 未来戦記
    やりたいことを詰め込んだ香港の大ヒットSFアクション
    ★★★★★

    香港で中国映画歴代興行収入1位の記録を打ち立てた近未来SFアクション。パワードスーツに身を包んだ50代のオヤジバディ(ルイス・クー&ラウ・チンワン)がヘナチョコの若手兵士と義眼のアウトローを引き連れて拾った幼女を守りながら、大量発生した四足歩行のクリーチャー、重武装のロボット戦車、二足歩行の等身大ロボット兵、街を破壊し尽くす巨大な植物型宇宙生命体と死闘を繰り広げる。「どこかで見た」なんて外野の意見をまったく恐れず、作り手たちがやりたいことを片っ端から詰め込んで結果を出したのはお見事。求めるのはリアルさより荒唐無稽。最新技術と莫大な予算を投じて作り上げた潔いベタを堪能しよう。

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