ウルフ・アワー (2019):映画短評
ウルフ・アワー (2019)ナオミ・ワッツがこの役をやりたがったのは納得
ゴミ屋敷と化したアパートに引きこもっている女性が、何者かが鳴らすドアベルの音に恐れを抱くという出だしは、興味を引く。舞台が、連続殺人事件が起こった1977年のニューヨークというのも意味深だ。しかし、そういった不気味な要素やエピソードは、結局どれも消化不良で終わってしまっている。実は話の核であったとわかる、彼女の過去の出来事も、その明かされ方のせいか、いまひとつ共感できない。それでも、最初から最後まで出ずっぱりで、ほぼひとり芝居に近いナオミ・ワッツは、見応えがある。絶望感、恐怖、不安など、さまざまな感情を見せられる機会のあるこの役を彼女がやりたいと思ったのは納得。
この短評にはネタバレを含んでいます