ボブ・マーリー:ONE LOVE (2024):映画短評
ボブ・マーリー:ONE LOVE (2024)ライター2人の平均評価: 3.5
音楽が自然に発生する瞬間に立ち会える
ボブ・マーリーが仲間たちとあるいは一人で、ゆるい感じで楽器を触っていると、そこから自然発生的に曲が姿を現していく、というシーンが何度かあり、まるで音楽の誕生に立ち会ったかのような興奮を与えてくれる。この映画は彼の音楽を、ステージではなく、発言でもなく、そういう形で描く。
プロデュースにボブ・マーリーの息子や娘、妻が参加した「家族の目から見たボブ・マーリー」でもあり、仲間たちとサッカーをして走り回り、子供たちを抱きしめてひょいと持ち上げる姿が繰り返し描かれる。主演のキングズリー・ベン=アディルの身体の動きのそっくりぶりも驚異的。特にステージ上のトランス状態での動きに目を奪われる。
タイトに締めて効果的にメッセージが・・・
レゲエの神様ボブ・マーリーの本格的なものとしては初めてとなる偉人伝映画。ボブ・マーリーの家族公認ということで音楽面や内幕の部分などかなり突っ込んだシーンもあって、流石は公式作品だなと言ったところでしょう。また、描く部分と描かない部分をはっきりと分けたことで107分というタイトなつくりになって、非常にしまった映画になりました。結果としてとても映画が伝えたいメッセージが際立った印象があります。