美貌を隠して挑んだ悪役が強烈すぎ!若手カメレオン俳優
イケメン発掘調査隊
『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』間宮祥太朗【第104回:イケメン調査隊】
インタビュー INTERVIEW
Q:今や若手俳優の登竜門とも言われる「闇金ウシジマくん」シリーズ。そのファイナルへの出演が決まったときのお気持ちは?
まさか自分が出演できる日が来るとは思っていなかったですし、しかもそれが「ファイナル」だったので、「ウシジマくんが終わるんだ!」という驚きもありました。これは楽しみだなと思ってどんな役なのか聞いたら、スゴイ役が来たなあと(笑)。
Q:原作漫画でも有名な「鰐戸(がくと)三兄弟」の三男・三蔵。制御不可能な“最終兵器”と呼ばれる役ですからね。
濃いキャラクターだらけの「闇金ウシジマくん」の世界の中でも、ひときわ強烈な濃さを放っているキャラなんです。こんな役を演じられることなんてなかなかないですから、気負いよりも「自分に任せてもらえた」という喜びのほうが大きかったです。
Q:眉なしのスキンヘッドで口元をマスクで覆ったビジュアル。前情報なしで観たら、間宮さんだと誰も気づかないかもしれません。
そうだと思います(笑)。見た目が完全に自分じゃないので、いろいろな細かいことに囚われずに、そのまま三蔵という役を乗っ取ろうという感じで臨みました。特殊メイクと衣装の持っているパワーに自分自身のパワーが負けてはいけないから、ニュアンスで演じるというよりは、役の発するものを自分がどう出せるかの直球勝負でしたね。
Q:ウシジマ(山田孝之)の学生時代からの宿敵で、とんでもなく凶暴な三蔵ですが、ちょっとマヌケな一面もあるんですよね。
感情ではなく衝動で動いているから、どこかトボけているんです。山口(雅俊)監督のユーモア演出もあって、演じているのが楽しかったですね。三蔵は同情の余地がない根っからの悪なので、誰かを痛めつけているときは、それが快楽に見えたら面白いだろうなと思っていました。現場でも、僕に虐げられている役者の皆さんが「ウワアアアッ」って悲鳴を上げり、すごくいい反応をしてくださるので、いたぶるのが本当に楽しくなってきちゃいまして(笑)。
Q:それだけ役になり切っていたわけですね。「ウシジマ役は極めた」と豪語する山田さんとの共演はいかがでしたか?
三蔵が初めてウシジマと対峙するシーンのときに、孝之さんはそこに立っているだけでウシジマなんだなって思いましたね。本人とイコールで結べるくらい、役として存在している。役者が役と向き合うときに一番目指したい姿ですよね。孝之さんが極めたと言っているのは肌で感じましたし、誰も真似ができないくらい完全に確立されていらっしゃいました。
一問一答 PRIVATE
Q:好きな映画を教えてください。
じゃあ、洋画、邦画、最近の映画で3本いきます。洋画はレオス・カラックス監督の『ホーリー・モーターズ』。邦画では鈴木清順監督の『ツィゴイネルワイゼン』。2つとも世界観が大きすぎて、自分が日常から逸脱してしまいそうになるんです。生とか死とか、抗いようがない世界を回している何かというか、言葉では言い表しようがないけど、とにかく変な世界に連れていってくれる。観終わったあとに、それまで当たり前だったことを全部疑いたくなるような映画が好きなんです。
Q:そのチョイスだと、最近のお気に入り映画がすごく気になります。
今の2つとはテイストが違いますが、最近の一番は『ケンとカズ』(小路紘史監督)です。僕が中学生くらいのときに観ていた頃の邦画のような、独特のざらついた感じがある作品なんです。ケンとカズは薬の売人なんだけど、過去に囚われてもがいている。ずっと張り詰めていてヒリヒリするような感覚があって、すごく面白いです。
Q:オフの日はどんなことで息抜きしているんですか?
バラエティー番組が好きなので、お笑い芸人さんが出ている番組を観るのが息抜きです。芸やトークが誰かの日常の楽しみになるなんて、芸人さんって本当にスゴイですよね。自分も面白くなりたいです。
Q:好きな女性のタイプは?
固有名詞を出しちゃうと、麻生久美子さん。共演の際に麻生さんの靴の匂いを嗅いだエピソードを、某バラエティー番組で話させてもらったくらいでして(笑)。芸能界に入ってから、まともに目が見られなかった方は麻生さんが初めてなんです。
Q:麻生さんへの憧れは、ずっと揺らがないわけですね。
そうなんですけど、最近はキラキラした女の子を見るのも好きなんです。自分よりもずっと年下の女優さんとかが、CMでさわやかな青春感を出していると、食い入るように見てしまう。自分もまだ若いんですけどね(笑)。とはいえ、それが好きなタイプに直結しているわけじゃないんです。純粋に、少女の輝かしさは日本の宝だなと思います。
Q:恋人とデートするならどんな場所がいいですか?
今なら、箱根とかの温泉がいいですね。でも、僕は彼女とどこかに行くとき、友達も誘っちゃったりするんです。彼氏としては本当にダメな男なんですよ。「僕なんかダメで……」って言う方はほかにもいると思いますけど、これ、ホントのやつですから(笑)。
Q:たとえば、一番ダメだなと思うところは?
先々のデートの約束ができないんです。当日にならないと決めたくない。友達と遊ぶときもだいたい当日です。明日の約束はギリ大丈夫なんだけど、明後日になってくると、明後日までの状況がわからないじゃないですか(笑)。たとえば、「イタリアンを予約したから」って言われても、「寿司が食べたくなったらどうするの?」って思ったりして。
Q:自由でいたいんですね(笑)。
その日の気分でしか動かないんです。逆に、オフの日の朝に突然「海に行こう!」とか言うことはあります。「え? 今から?」とか、「なんで事前に約束してくれないの?」って言われて、最終的にあきれられちゃうという(苦笑)。
Q:この先の展望を聞かせてください。
いただける役がどんどん変わってくる気がしているんです。この間、先生役をやらせてもらったのも新鮮でしたし、徐々にいろいろな役をやっていく中で、また新しい出会いがあるのではないかと楽しみにしています。
取材・文:斉藤由紀子 写真:奥山智明
映画『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』は10月22日より全国公開