ちょっと気の早い!第89回アカデミー賞ノミネート予想
今週のクローズアップ
気づけばもう11月もおしまい。毎年この時期は、徐々にアカデミー賞に絡んできそうな作品の評判が聞こえてくるころです。そこで今週のクローズアップでは、今年もちょっと気が早いですが、必ずやアカデミー賞にノミネートされるであろう注目の9作品をピックアップしました!(編集部・中山雄一朗)
オスカー大本命!『シカゴ』以来ミュージカルがくる!?
『ラ・ラ・ランド』
【監督】デイミアン・チャゼル【キャスト】ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、J・K・シモンズ 、ジョン・レジェンド【日本公開日】2017年2月24日
『セッション』で頭角を現したデイミアン・チャゼル監督が、次に手掛けたのはミュージカル。映画スタジオのカフェで働く女優志望のミア(エマ・ストーン)は、場末のバーでピアノを弾くセバスチャン(ライアン・ゴズリング)と恋に落ち互いの夢を応援し合うが、セバスチャンが生活のために加入したバンドが成功したことから何かが狂い始める。ベネチア国際映画祭で最優秀女優賞(エマ)に輝き、アカデミー賞の前哨戦として注目されるトロント国際映画祭の観客賞も受賞して、オスカー大本命との呼び声高い一作。『シカゴ』以来14年ぶりにミュージカル映画が栄冠をつかむか。
主演男優賞の最有力!ベンアフの弟ケイシー・アフレックに注目
『マンチェスター・バイ・ザ・シー(原題) / Manchester by the Sea』
【監督】ケネス・ロナーガン【キャスト】ケイシー・アフレック 、ミシェル・ウィリアムズ 【日本公開日】未定
もともとマット・デイモンが主演を務める予定だったが、スケジュールの都合で降板し、大親友ベン・アフレックの弟ケイシーを主演に推薦した本作。兄が死んだことで、16歳のおいの面倒を見ることになる主人公リーを演じたケイシーの評価は高く、主演男優賞の最有力候補といっても過言ではない。『ギャング・オブ・ニューヨーク』の脚本家ケネス・ロナーガンがメガホンを取り、『マリリン 7日間の恋』のミシェル・ウィリアムズがリーの妻にふんした。主演を降板したマットもプロデューサーとして参加している。
デンゼル・ワシントン監督&主演男優賞Wノミネートなるか
『フェンス(原題) / Fences』
【監督】デンゼル・ワシントン【キャスト】デンゼル・ワシントン 、ヴィオラ・デイヴィス【日本公開日】未定
デンゼル・ワシントン が2010年にトニー賞演劇主演男優賞に輝いた舞台を、自ら監督・主演を務めて映画化。1950年代、人種問題に苦しみながらも家族を支えたアフリカ系アメリカ人の男と、その家族を描く。舞台版でデンゼルと共に夫婦を演じ、同じくトニー賞で演劇主演女優賞を獲得した『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』のヴィオラ・デイヴィスも同じ役で出演。意外にもこれがすでに監督3作目となるデンゼルの監督賞&主演男優賞Wノミネートに期待がかかる。
窪塚洋介、浅野忠信、小松菜奈らも!スコセッシが「沈黙」を映画化
『沈黙 -サイレンス-』
【監督】マーティン・スコセッシ【キャスト】アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライヴァー、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮【日本公開日】2017年1月21日
巨匠マーティン・スコセッシ監督が遠藤周作の小説「沈黙」をついに映画化。17世紀江戸時代初期、激しいキリシタン弾圧の中で棄教したとされる師の真実を確かめるために日本にたどり着いた宣教師の体験を通して、人間にとって本当に大切なものとは何かを問う。日本からも窪塚洋介、浅野忠信、小松菜奈らが出演している。
これが実話!? 生き別れた少年と家族が25年後、奇跡の再会
『ライオン(原題) / Lion』
【監督】ガース・デイヴィス【キャスト】デヴ・パテル、ルーニー・マーラ、ニコール・キッドマン 【日本公開日】未定
5歳のときに故郷から遠く離れたところで迷子になり、オーストラリア人夫婦に引き取られたサルー・ブライアリーさんが25年後、Google Earth を駆使して実の家族を捜し出したという驚きの実話を基にした本作。青年になったサルーさんを演じたこの俳優、どこかで見たことあると思いきや、『スラムドッグ$ミリオネア』の子(=デヴ・パテル)ではないか。その恋人には『ドラゴン・タトゥーの女』のルーニー・マーラ、迷子になったサルーを引き取るオーストラリア人女性にはニコール・キッドマンがふんした。メガホンを取ったガース・デイヴィス監督はこれが長編デビュー作となる。