山田洋次、一番のお気に入りは『男はつらいよ』49作品目…未完のまま…
27日、松竹本社にある東劇にて映画『男はつらいよ』誕生40周年プロジェクト発表会が行われ、スペシャルゲストとして山田洋次監督と倍賞千恵子が登壇した。記念すべき映画第1作目が1969年8月27日に公開されてから今年で40年を迎え、計48作品が生み出された『男はつらいよ』シリーズだが、山田監督をはじめ倍賞もここまで成長し、愛されていくとは思わなかったと声をそろえて話した。
本作が持つ魅力について山田監督は「40年という長い歳月でこの作品が愛される理由は、渥美清という名ピッチャーと倍賞千恵子という名キャッチャーのおかげ。彼らが演じていなければ成し得なかったでしょう。渥美さんに例えることのできる役者はいない」と名優、渥美を懐かしむように語った。一方、本作を「玉手箱のような作品」だという倍賞は、「わたしはこの作品のさくらを通して人生や社会、人間を知ることができました。この作品には笑いも涙も時代も描かれていますし、今でも寅さんから『さくら!』って呼ばれるシーンを観るとドキッ! とするんです」と話してくれた。
今年は『男はつらいよ』誕生40周年の年でもあり、渥美生誕80周年の年でもある。予定されていた49作目は渥美の死で未完となってしまったが、山田監督は「これまでのシリーズで一番納得がいく作品というのは49作目でしょうね。作らずに終わってしまったんですが、きっといい作品になったと思います」とコメント。それを受けた倍賞は「何だか今でもヒョコッと顔を出しそうね」と“フーテンの寅”の登場を今でも待っているような表情で語ってくれた。
最後に「日本を明るくする」というテーマで、さまざまな展開が予定されている今回のプロジェクトについて山田監督は「今の日本の若者たちはちょっと暗い気がする。寅さんを観てもっと明るくなってほしい。人生って捨てたもんじゃないってことを、寅さんを中心に語っていけたら」と抱負を述べてくれた。
『男はつらいよ』40周年プロジェクト オフィシャルサイト tora-san.jp
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