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オダギリジョー初監督、河本主演の長編映画が映画祭でソールドアウトも厳しい評価

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『さくらな人たち』の監督、脚本、撮影、編集、音楽を手掛けた小田切譲(オダギリジョー)監督
『さくらな人たち』の監督、脚本、撮影、編集、音楽を手掛けた小田切譲(オダギリジョー)監督 - Photo:Harumi Nakayama

 俳優オダギリジョーの長編初監督作『さくらな人たち』が現地時間26日、第38回ロッテルダム国際映画祭でワールドプレミア上映され、オダギリと出演者の河原さぶ、山田浩が駆け付けた。
 
 オダギリは、映画『ゆれる』などで世界の映画ファンに知られた存在だけに、夜22時からの上映にもかかわらず約250席のチケットはソールドアウト。会場には、オダギリを一目見ようと現地在住の日本人のほか、地元の映画ファンも多数訪れ、異様な熱気に包まれた中、上映が始まった。 
 
 同作品は、オダギリが本名の小田切譲の名で監督、脚本、撮影、編集、音楽を手掛け、俳優業の合間に約2年以上を費やした意欲作だ。主演にオダギリの小学校時代の同級生である、お笑いコンビ次長課長の河本準一を抜てきし、祖父のもとに毎日届けられるポストカードの桜を見に行こうと、孫と剛史(河本)とジャックと名乗るタクシー運転手(河原)、ひょんな事から出会うアマチュアボクサー(山田)が珍道中の旅を繰り広げるゆる~いコメディ。テレビドラマ「時効警察」シリーズをほうふつとさせる小ネタや噛み合わない会話もあれば、実写とアニメを組み合わせた映像が、突然登場したり、男3人が“生河本”や“生さぶ”を披露しながら全裸で踊るなど、シュールなオダギリワールドが全開で、途中で席を立つ人も出るなど、評価は両極端。映画監督ならば誰もが一度は味わう映画祭の手荒い洗礼を受けることとなった。
 
 上映後のティーチインでも、観客からオダギリ監督へ、容赦ないダメ出しが飛び出した。「日本で“さくらな人”と言えば偽物の客という意味があり、英語タイトルの『ルッキング・フォー・チェリー・ブロッサムズ』は違和感を感じるのでは?」の問いにオダギリは、「僕もチケットがソールドアウトしたと聞いて、文芸大作っぽい英語タイトルに勘違いして来る客もいて、ヤバいんじゃないかと思ったんですけど、予想通りに途中で席を立つ人もいたみたいで。まぁ、これくらいの状況の方がいいんじゃないかと」と苦笑い。続いて、「アニメの桜は出てくるが、本当の桜は出て来ない。撮影時期を間違えたんじゃないか?」という率直な質問にもオダギリは「脚本を書いている段階から桜を出す予定はなかったので、一応狙いです。でも、確かに撮影は夏でした」とネタを明かし、会場は笑いに包まれた。

 ついには、「こういうタイプの映画は日本公開するのは厳しいのでは?」と公開を心配する声も出た。オダギリも「確かに(俳優の)アソコがたくさん出ているので日本で見られるかわかりません。これは典型的な日本の映画ではないですから」と、客観的に答えた。そんな観客からの口撃に、オダギリが逆襲する一幕もあった。映画祭の印象を尋ねられたオダギリは「こういう作品を選んでくれたので面白い映画祭だなぁと。ただ街の印象はちょっと暗くて寂しくて、カウリスマキ映画に出てくる街みたい。ここじゃ時間はつぶせないだろうと思って、今日はベルギーまで観光に行って来ました」と正直に答え、観客も大爆笑していた。

 上映後、オダギリは「上映前はすごく緊張していたんですけど、途中で帰った人たちよりも最後まで残ってくれた人たちの方が多かったので良かった」とホッとした表情を浮かべていた。しかし配給会社は今回の映画祭での反応で日本公開の可能性を判断するという。同作品は現地時間28日にも上映されるがオダギリにとっては運命のときとなりそうだ。(取材・文:中山治美)

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