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川端康成の官能小説を映像化したドイツのベテラン俳優にインタビュー!

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ベテラン俳優ヴァディム・グロウナ
ベテラン俳優ヴァディム・グロウナ

 川端康成の同名官能短編小説「眠れる美女」を映画化したドイツのベテラン俳優ヴァディム・グロウナに話を聞いた。日本ではすでに公開され、DVD発売されている本作。15年前に妻と娘に事故で先立たれた初老の実業家エドモンド(ヴァディム)は、それ以来生きる気力を失っていた。そんな友人を見かねたコーギ(マクシミリアン・シェル)が、ある館を訪れるようにしむける。そこは、生まれたままの姿で眠る少女の部屋だった。ヴァディムは、川端の原作の耽美感を残しながら、独自の世界観で描き、監督、製作、脚本、主演をこなしている。

 川端の原作を映像化しようとした経緯について「脚本家の友人が、この短編小説を映画製作のために教えてくれてね。読んだ後にその印象について聞いてきたんだ。小説は、愛と死、芸術、そして人生を描いていて、とても素晴らしい内容だった。ところが、官能的な内容や難解な個所があるために、予算を集めるのに大変苦労してね。最終的には自分で製作費を出して、原作にある耽美的要素は生かしつつ、難解な部分は実際に起きたわたしの父との体験を含め、わかりやすく描く形になったんだ」と自分の父との関係が映画内に含まれていること明かした。

 本作のキャスティングについては「生まれたままの姿で眠らされている状態で、しかも利用されている女性を演じるわけだから、初めはそんな役をやってくれる女性がいるのかと思って、ポルノ女優を出演させるべきかと悩んだほどさ。そんなときに、ベルリンのアクターズ・スタジオの生徒たちが快く引き受けてくれたんだ。経験は浅かったけれど、出演を誇りに思ってくれてね!」と苦労話を披露してくれた。

 名優マクシミリアンとの共演については「サム・ペキンパー監督の映画『戦争のはらわた』で共演して以来の素晴らしい関係さ。今回も出演料がほとんどない状態でも引き受けてくれたんだ。彼は本当にプロフェショナルで、楽しく仕事ができたよ!」と大絶賛だった。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)

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