阿部寛にいきなり25歳の娘が?強面に隠された優しい素顔がちらり
映画『マッハ!』のプラッチャヤー・ピンゲーオ監督による最新作映画『チョコレート・ファイター』で共演し、父と娘を演じた阿部寛とジージャーに話を聞いた。二人の間には、劇中で描かれる親子愛に似たきずなが育まれていたことを裏付けるエピソードがあった。
同作は、タイのヒットメーカーであるピンゲーオ監督の最新作で家族が一丸となって悪に立ち向かう姿が描かれる。これまでにも『マッハ!』や『トム・ヤン・クン』で新世代のアクション俳優トニー・ジャーを発掘し、それまでのアクション映画の定番というべきCGやワイヤーを使用しない超絶技で、その才能を世界に知らしめたことは記憶に新しい。もちろん最新作もリアルファイトだが、主人公にはとても格闘家とは思えぬような外見の少女ジージャーを起用している。だが少女はわずか14歳でテコンドーのインストラクターになった逸材。そのポテンシャルを最大限に生かすべく、アクションのトレーニングだけに4年の歳月を費やし、かつ別途演技レッスンの期間を設け撮影に臨ませた。
阿部によれば、撮影現場は「演技とアクションに対するこだわりがすごい。そんな中でジージャーはくじけそうになりつつも見事にやり遂げた」とまな娘の頑張りをたたえる。しかも「日本ならば1日で撮影し終えるような場面を1週間かけてじっくり撮るほど」という高クオリティーの作品が生まれる秘けつを教えてくれた。一方でジージャーは緊張しつつも阿部に迷惑をかけまいとしていたが「阿部さんのリードのおかげで泣く場面はとても感動的なシーンになりました」と、笑顔で阿部の顔を見つめながら、撮影時を振り返ってくれた。
本作の共演で親子のきずなを育くんだと思われる二人はインタビュー中も和気あいあいとした雰囲気。阿部が個人的に用意していた、ジージャーへのプレゼントを渡すと、驚きつつも満面の笑みで喜びを表現するジージャーの姿は、とても25歳には見えないほど愛らしい。しかもお返しを用意していないことをジージャーが謝ると、阿部は父親のような優しいまなざしで「ジージャーは日本に来てくれたんだから」とほほ笑みを返す感動的なやりとりがあった。最後に父と娘は再会を約束し、固く握手をしていた姿が印象的だった。
『チョコレート・ファイター』は、日本人ヤクザの父マサシ(阿部)とタイ人の母の間に生まれた娘ゼン(ジージャー)が、白血病に冒された母を守るために、マフィア相手に闘う姿を描くアクション映画。
映画『チョコレート・ファイター』は5月23日より新宿ピカデリーほかにて全国公開