『最強のふたり』に次ぐヒット作が日本上陸!当たるフランス映画の共通点とは?
26日、日本で最もヒットしたフランス映画『最強のふたり』の監督と主演俳優が再びタッグを組んだことでも注目の映画『サンバ』が日本公開される。本国フランスでは共に爆発的ヒットを記録した『最強のふたり』と『サンバ』の共通点を検証した。
映画『サンバ』は、移民青年のサンバ(オマール・シー)がフランスから突如、国外退去を命じられ、何とかフランスにとどまるため奔走する物語。最悪の状況下で出会った、移民支援協会でボランティアとしてアドバイザーを務めるアリス(シャルロット・ゲンズブール)、日雇い仲間の陽気なブラジル系移民のウィルソン(タハール・ラヒム)らとの軽妙な掛け合いが魅力のアンサンブルコメディーだ。
最大の見どころは、サンバ、アリス、ウィルソンという全く接点のなかった人間同士が出会い、心の距離を近づけていくさまを、ユーモアを交えて描いているところ。スラム街出身の黒人青年と車イスの大富豪という、年齢から住む世界、好みもまるで異なる二人が強い絆で結ばれていく姿が描かれた『最強のふたり』でも、お互いを認め合い、変化していく関係性が世界中の人々の心をつかんだ。
また、『最強のふたり』では、好奇心旺盛で屈託のない笑顔を見せるシーの癒やしパワーと、物語に込められたポジティブなメッセージ性も魅力の一つだった。『サンバ』でも逆境の中で明るく前向きに生きようとするサンバの姿にその要素が投影されており、観客は知らず知らずのうちに彼にエールを送りたくなってしまう。そして、見終わった後のなんともいえない爽快感もまた2作品共通の魅力といえそうだ。
『最強のふたり』を撮る前から本作の構想を温めてきたというエリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督。立場も、抱えている事情も違う人間たちが、互いを思いやりながら必死に幸せを模索する姿は、『最強のふたり』同様に世界中の人々の共感を誘うに違いない。(文:京ふみか)
映画『サンバ』は12月26日(金)よりTOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほかにて全国順次公開