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ジョン・ウー
1946年、中国の広州生まれ。幼少の頃に香港へ移住する。19歳で実験映画を製作し、香港の映画業界へ。監督デビューは'73年の“The
Young Dragons”。その後、香港の大手映画製作会社、ゴールデン・ハーベストと専属契約を結び、『ジャッキー・チェンの秘龍拳/少林門』を大ヒットさせるほか、コメディ作品なども数多く手掛けその地位
を確立する。 '86年、新会社シネマ・シティに移籍したウーは、香港ノワールの決定版『男たちの挽歌』を発表し、世界中で熱狂的な支持を受ける。次々とヒット作を連発した後、渡米。'94年に、製作パートナーのテレンス・チャンとWCGエンターテイメントを設立。『ブロークン・アロー』『フェイス/オフ』など、記録的な大ヒット作を生み出す。ほかに、NikeのCMやテレビ作品など、多方面
で活躍している。
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監督・脚本:ジョン・ウー
製作:ツイ・ハーク
出演:チョウ・ユンファ、レスリー・チョン、ティ・ロン
『アンナと王様』のチョウ・ユンファを主演に迎えて贈る香港ノワールの決定版。犯罪組織に関わる兄と、刑事として活躍する弟の絆を描く。
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監督:ジョン・ウー
製作総指揮:サム・ライミ
出演:ジャン・クロード・ヴァン・ダム/ランス・ヘンリクセ
肉体派スター、ヴァン・ダムが主演の痛快アクション。香港から渡米したウー監督の第1作。恐るべき殺人ゲームに巻き込まれた男の死闘を描く。
Hard Target/
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『ブロークン・アロー』
Broken Arrow
'96年/米/109分/2,980円(税抜)
ビデオ発売:フォックス ホーム エンターテイメントト |
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『ブロークン・アロー』
Broken Arrow
'96年/米/109分/2,980円(税抜)
ビデオ発売:フォックス ホーム エンターテイメント
監督:ジョン・ウー
出演:ジョン・トラヴォルタ、クリスチャン・スレイター、サマンサ・マシス
『将軍の娘 エリザベス・キャンベル』のJ・トラヴォルタと、『ベリー・バッド・ウェディング』のC・スレイターの妖艶で贈るノンストップ・アクション。
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監督:ジョン・ウー
出演:ジョン・トラヴォルタ、ニコラス・ケイジ、ジーナ・ガーション
凶悪テロリストとFBI捜査官が、手術により互いの顔を入れ替えて繰り広げる壮絶なバトル。主演はJ・トラヴォルタと『スネーク・アイズ』のN・ケイジ。
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なんだって? たったの15分!? でも無理もないか。『M:I-2』情報に対するニーズは高すぎて、ほんのわずかでもジョン・ウーに接見できるだけで幸せだと思うしかないようだ。ぼくは限られた時間で、どんな言葉を引き出そうかと苦悶したあげく、マニアックに攻めようと決断し、<ジョン・ウー映画のルーツ>に質問を絞ることにした。
映画フリークでもあるウーは、自作のなかにさまざまなオマージュを忍ばせるけれど、リスペクトする映画のプロットそのものをベースに据えることがある。『フェイス/オフ』では、男が顔を入れ替えるジョン・フランケンハイマーのカルト・ムーヴィー『セコンド』(1966)を挙げていた。今回はやはり、FBI捜査官が愛する女性を敵地に送り込むヒッチコックの異色のラブ・サスペンス『汚名』(1946)をベースに、トム・クルーズとサンディ・ニュートンの物語を構成していったのか?
「確かにおっしゃる通り。この映画のベースは『汚名』です。私はヒッチコック映画から、かなりインスパイアされていますが、リメイクしている意識は全くありません。ラブストーリーを生み出すという点でインスピレーションを受けたのです。『M:I-2』は恋愛を前面
に押し出したロマンチックな作品にしたいと思いましたし、いわゆる一般
のスパイ・ムーヴィーとも違いますからね。ヒッチコックというのはサスペンスにばかりスポットが当てられますが、彼はロマンチシズムや恋愛というものを非常によく描いていると思うんです。そんな面
を参考にして、『M:I-2』は、クラシカルでロマンチック、そしてもちろんサスペンスフルな、冒険映画やスパイ映画を目指しました」
過去の名作に敬意を表して、プロットやシーンを再現する監督は数多いが、ウーにとってオマージュって、いったいなんだろう?
「若い頃、いろんな映画を見ていました。『アラビアのロレンス』、『七人の侍』、『サムライ』、『ワイルドバンチ』、『市民ケーン』……。大好きな映画の印象深いシーンは、常に頭の中に残っているんです。たとえば『七人の侍』のどしゃぶりの雨のなかで繰り広げられる戦闘シーン。私の映画の、雨の銃撃戦は、あきらかに黒澤タッチだと思いますし、スローモーションを使うようになったのは、サム・ペキンパーの『ワイルドバンチ』の影響です。とても彼らの映画が好きだったので、感謝を込めているつもりなんです。今回、ブルース・リーの大ファンであるトムと私は、ぜひ空中でジャンプしてキックするというアクションをやりたいと思って、実現させました
」
そんな、映画への愛の込められたオマージュとは違って、巷ではジョン・ウーそっくりのパクリを目にすることも多くなった。どこを切ってもジョン・ウー・スタイルになってしまう、あの優雅なアクションの秘訣とは?
「それわかりませんよ(笑)。自分が好きなこと、好きなビジョンを追求しているだけですから。過去にたくさん見たアメリカ映画、フランス映画、日本映画から学んで、インスピレーションを受け、自分の文化や経験をミックスした結果
、新しいスタイルが生まれたとしか言いようがないですね。そうそう、ミュージカルや古い中国のカンフー映画からも影響を受けています。いま、私のスタイルを若い西洋のフィルムメーカーが真似したりしている状況からは、ぐるっとひと回りしてきたという感覚を覚えます。互いに学びあうことはいいことですし、私の友人も増え、ハリウッドにいても孤独を感じなくなりました」
近頃フリーク系の監督といえば、ジャンキーなタイプが多いけれど、ハリウッドで大ブレイクを果
たしたアクションの神様の素顔は、映画に対してもマスコミに対しても、誠実でもの静かな紳士。彼が東洋から持ち込んだのは、アクションよりも、映画へのパッションや、映画づくりのスピリットのようだ。
次回作は『ウィンド・トーカー』。主演はニコラス・ケイジとクリスチャン・スレーター。『M:I-2』がアクションのベースにラブストーリーを置いたように、今度は戦争映画ではあるが友情をベースに据えたエモーショナルな映像を志向するようだ。テーマ的には、香港時代の『ワイルド・ブリット』を彷彿とさせるものになりそう。ハリウッドに渡った当初、自分らしさを発揮できずにもがいていたジョン・ウーは、着実に「自分の文化」を「自分のスタイル」にくるんで全世界に発信できる第一人者に成長しつつある。
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