まほのハリウッド日記10
ドラマより凄い!!ERで、おいら腰抜かすの巻 |
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さてさて、前回お話ししたように、スケボーですッ転び、大泣きのなッさけない彼をつれた私は、いよいよ、公立病院のERにとやって参りました。 泣いてる彼には、悪いけど、ERといやー、Dr.ロス! ロス先生といえば、もちろんジョージ・クルーニー様! キャーーーーッッなんて、心躍らせる私なのでありました。うふふうふ。 …が!!!! 着いたERには、なぜか待ち合い室が。そして、大勢の人が…。 私は、?な状態で、受付に行くと、おばちゃん看護婦さんが無愛想に、順番待ちリストを差し出した。そうです。カラオケが、チョー込んでる時に書くあれです。でも、名前だけ。病名書くとこはなし。 私「あのー。ここERですよね。救急ですよね」 うなずく看護婦。 私「いや、あの、彼骨折してるみたいなんですけどー」 「じゃー私立の病院行って下さい。みんな待ってんです。」 と冷たいお返事。 ななななんてこった。いつもテキパキ動いてるあの映画の中の看護婦さんたちはどこ?? Dr.ロスはどこ?? モー一体なんてー国なんじゃ!! ここは、商売繁昌の日曜日のデニーズか!! 一通り、自分の中で、ガン切れした後。はっッと我に帰ると、遠くに心細そうに座っている彼を発見。 とりあえず、事情を説明しに、行く私。 なんか相当長引きそうだよーみたいなことを話していると、隣にいた、スパニッシュのおじさんが、話しかけてきた。 「にーちゃん覚悟しといたほーがいいゼ」 よく見ると、その人、右手に巻いたタオルは血だらけ。片手に、氷の一杯はいったビニール袋を持っている。い、いったいどうしたんすか?? 聞けば、その人は、機械の事故で、過って指切っちゃって、もう3時間待ちとのこと。そして、もちろんそのビニール袋の中身は…。私、血圧10下がる。 彼は、まだまだ喋り続ける。 「いやいや、おれなんてまだイイって。あのおッさんは、もっとひどい」 その人は、BFと同じく、足をタオルでぐるぐる巻きにしていた。い、いったいどうしたんすか?? 聞けば、銃の手入れをしてて間違って自分の足の甲を撃っちゃったらしい。血圧またも低下。 そんな風に、まじでER!!ER!!して、余りの待ちの長さに、イライラしている人たちが、いっぱいいた。 そして、その人たちは、みーーんな、スパニッシュか、メキシカン、等の御国柄の人たち。英語を話してるのは、私のBFぐらいだったのでした。 なんか、アメリカってやっぱヘビーな国だ。なんて考えているうちに、けんか勃発。 メキシカンのおっちゃんvsメキシカンのおばちゃん。 待ち合い室に一個しかないテレビのチャンネルを巡り、死闘が、始まっていた。日本の口げんか王なんて、ほんと甘い。私は、スパニッシュわかんないにも関わらず、まじで、びびりまくり泣きそうに、なっていた。 スパニッシュも話せる、BFに訳してもらうと、どうやら、おっちゃんは、野球、おばちゃんは、電話相談のトークショー(アメリカ版みのさん番組みたいなもの)を見たいらしい。 まあ、日本でもよくある話ですな。夕食の場に。でも、この人たちは、夫婦でもなく、全くの赤の他人。しかも誰も止めない。そりゃそーだ。 さて、喧嘩も、大詰め。おばちゃんやや優勢かと思っていると、4歳くらいのちっちゃい子が、とことこやってきて、いきなりチャンネルをかえた。 「ピカチュウウ!!!」 であります。 さすがに、これには、おじちゃんも、おばちゃんも、やる気をなくしたのか、結局、みんなでポケモンを見るはめに…。
ここで、私の血圧は、ついに最低値まで落ち込んだのでございます。いらつく病人。血だらけの人。ここは野戦病院かっちゅーねん!!
ふらふらの私は、 「PLESE!! PLEASE!! DONユT LEAVE ME!! (お願い!置いてかないで!!)」 と、スカートの裾を握りしめる彼の手をふりほどき、 「すまねーな」 と、泣いてる彼を見殺しにして、私は、そそくさと、マックさがしの旅へと旅立ったのでした。 それから、4時間後に、ようやく治療を受けた、彼を見て、私は、心の中で、「お家帰りたい…」と呟いたのでありました。 しかし、あの待ち合い室。ちょっと出番がおくれるだけで、スタッフに当り散らす、ビッチなどっかの女優さんどもに、見せてやりたかったなーーー。 森田まほ 来週に続く… |