まほの[子連れ]ハリウッドへの道43
カップ麺がどうしても食べたい!(まほ危機一発!? その1) |
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最近、日本ってなんてすてきなんだってつくづく思う。心配もなく夜中にカップラーメンを食べたくなれば、ちょちょいと買いに行けるとこ。でも、私はロスでも夜中にカップラーメンを食べたくなってしまう。しかも、ついつい買いに行ってしまううう。 わかってるのよ。だんなはジョギング中に生卵ぶつけられたし、カツアゲもされてるし、こんな夜中に行くのは危ないって。だけど、カップラーメン食べたいし。 というわけで、車のキーを引っつかみ、夜中のセブンイレブンへいざ出撃。いやあ、なになにそんな大して危険でもないさ。この町はよお。 なんて、虚勢を張ってはみたものの、はあああーん怖いっ!! ロスでコンビニに行く場合に私がもっともびびるのは、車を降りてからコンビニの扉を開けるまで。それから、お買い物中に強盗でも入ってきやしないかしらんっつー不安。そんな不安と戦いながらも、あなたを食べたいカップ麺(字余り)。 それにしても日本のセブンイレブンはいいさ。ちょっと入れば、カップラーメンがずらずらずらーっ。やれ、職人の味だの、話題の店の麺だの、全部買い占めたくなっちまう。ロスのコンビニなんてよお。あるこたあるんだ、カップ麺。しかもカップヌードル。でも、トマト味やら、チリ味やら訳のわかんねー味ばっかし。邪道カップ麺のオンパレード。醤油はねえのか醤油はあああ???? 私は、鳥ガラ醤油が食いてえんだよおッ。ちきしょうっ。 このアメリカって国は全く、インスタントヌードル様をなめてるやつが多い。多すぎる。 そういえば私も、一度やつらのなめっぷりに激怒したことがあったわ…。 あれは、日本からわざわざ持ってきた「麺の達人」をルームメイト二人に作ってやったとき。やつらはお椀に入った、麺をじっと見つめて、二人で顔を見合わせて、ため息をついて、私にこう言い放った。 「へイマホー。ヌードルはこうやって食うもんじゃねーんだー」 そして、台所の流しに、スープを全部捨てたのよ!!!! うおおおおおおおお!! ばかやろおー!! それは、カップ焼きそばじゃねーんだクソガキ! 捨てんな! いやなら、すすり飲め! お椀に残った麺をフォークでくるくる巻き巻きしながら、まるでパスタのように食べやがる2人を思い出して、私は一人で怒りにうち震えていた。 所詮、ここにはトマトヌードルしかないんだしょうがねえ。けっ。味音痴なやつらめ。マクドナルドも人気なはずだぜ。 ふだんは、マック大好きでジャンクフードが大好きな私なのだけれど、こういう出来事があると、アメリカへのラブが冷めてしまうのよね。ああ、明日はヤオハンに行って、カップラーメンを思う存分買ってこよう。 仕方なく、ベジタブル味(これが一番醤油味に近い)をもって、レジに行くと、いつも通 りのやる気のないチュウキントウ系店員さんが、やる気なーくレジを打つ。 ここまでは、すっかり安全モード。 でもね、事件っていうのはこういう何気ない日常の中で突如起こってしまうものなのです。 ふと駐車場をみると、爆音を鳴らしたヤン車(ヤンキー使用の車のアメ番)が3台ほどはいってきた。や、やばい。 そして、そこから降りてきたスキンヘッドのやからが数名。やつらを見て、さっきまであんなにやる気のなかったチュウキントウ店員が、ほらもう顔をこわばらせてる。 「オウノウ!」 やたら発音のおかしいオウノウと同時に、右からみても左からみても、ギャングのスキンヘッド達がお店のドアを開く。 この店におなごはあたし一人。しかも、ジャポニーズ。アジアンガール。子、これは危険な性犯罪のにおいが…… キャアアア。いったいどうなる森田まほ! 恐怖の次週に続く
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