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まほの[子連れ]ハリウッドへの道64

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【まほ最大のピンチ!】
(夜道にとり残される)

【原宿でスカウト!】(まほ日本でついにデビューか?) 】


                             

森田まほ
映画が好き!現場で働きたい!その思いがこうじて単身アメリカ、ハリウッドへ渡り、現場でインターンとして日夜現場を飛び回る日々であったが、ある日アメリカ人の青年と結婚。その後予定外の妊娠をするが、無事出産。現在はグリーンカードを取得すべく待機中。

 私がまだバス人間だったころ。バスってマジで嫌いなのが、居眠り一つ出来ないところ。…のはずだったのが、ある夜あまりのハードワークに疲れ切った私は大爆睡しちまった。


くうくうくうくう、はっと気付けば見知らぬガスステーション。いかんっと思って無理やりバスを降りたはいいけど。こ、ここどこやねん!


しかも、超暗い! 死ぬ、殺される、犯される。きゃー誰か助けてー!!


こんなとき、タクシーでも拾えればバンバンザイなんだけどさ、なんせ、金がねえのよ旦那。


仕方がない、歩いて帰るか。まずは、ガスステーションの兄ちゃんに、お家までの帰り方を聞いてみた。兄ちゃんが言うには、通りに沿ってまっすぐ歩きゃあ、ハリウッドにつくそうな。は、よかった。ホッとして、店を出る私の背中に兄ちゃんの思い一言が突き刺さった。


「気をつけろよ。強盗、よく出るから」


ひ、ひいっ。ちょうどその頃、私はブラザーのプリプロダクションで働いていて、脚本とかをちょこっと読んだりしていたので、とりあえず、気合いを入れるために気分はやくざになってみた。


「おらおらおらああ。おらあ。」


言ってることは威勢よく聞こえるけど、全然無理。車一つ通らぬこのくらい夜道で、こんなかよわい女が一人。だめだ、ダメだ歩いてちゃ。走れ、ハシレーッ。


あまりの恐怖に、発狂寸前の私はとにもかくにも脱兎のごとく走り出した。目指すはネオン。ハリウッドー。


でも、5分もしないうちにくたばった。呼吸がつらい。わき腹が痛い。ああ、Qちゃんみたいな強じんな体になりたいよお。うえーん。


走って、ダメージを受けたせいで息はぜいぜい、歩くスピードまで落ちちまった。 こんなときに、襲われたら私はきっと。ああ、明日には町の娼婦としてこの路頭でさまようのだろうか。薬漬けの森田。
成田空港で、お母ちゃんに言われた言葉が身にしみる。


「マホ。もし誘拐されて身を売るハメになったら、高級娼婦になりなさい」


親としてあり得ないこの助言が、このときの私には大いに役立った。そうだ。もし誘拐されて娼婦になっちまったとしても、頑張って超人気娼婦になって、リチャード・ギアみたいなおっさん捕まえて、金持ちになるぞ。


そんな、妄想を描きながら一人とぼとぼ歩く私。
と、向かいから黒人のガキンチョが2人あるいてきた。日本だったら、ひねって潰せるくらいのガキンチョなのに、こんなとこだとかなりコワイ。小学生くらいとはいえ、お尻に銃とかナイフとか持ってるかも。最近のわけえのはコワイからのう。

ああ、神さまこの子達に何もされませんように。とりあえず、ドキドキしながらすれ違ったけど、結局何もなかった。


また一人、とぼとぼ歩き出そうとした、その時!!! 私の横にある人影が見えたのだった…。きゃあー。

次週につづく

 



お知らせ:月刊フリックスでまほちゃんが、「好き勝手クロスレビュー」の連載を始めました。ハリウッドのカリスマビデオ店員マイケルのちょっと辛口レビューも要注目!



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(皆様からいただいたメールから、まほちゃんはパワーをいただいているそうです。メールは編集部で1度受け取ってからまほちゃんへ渡されます。本人へ直接メールされるわけではありませんのでご了承下さい。また、いただいたメールはまほちゃんが必ず読んで出来る限りお返事を書きたいとのことです。)

FLiXムービーサイト内「まほのハリウッド日記」
maho@flix.co.jp

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