森田まほ
映画が好き!現場で働きたい!その思いがこうじて単身アメリカ、ハリウッドへ渡り、現場でインターンとして日夜現場を飛び回る日々であったが、ある日アメリカ人の青年と結婚。その後予定外の妊娠をするが、無事出産。現在はグリーンカードを取得すべく待機中。 |
ある日友達が、マリブの別荘に行くということで、便乗して連れてってもらった。
モデルをやってる彼曰く、すっっっっげー別荘らしい。しかも、そこでのパーちーには、俳優にモデルにイケメンがそろって一晩中、酒池肉林なんだと。いやん素敵。じゅるじゅる。
イイオトコゲットの期待に胸を膨らませ、ついでにデカパイにするワンダーブラを装着しておっぱいも一緒に膨らませていざマリブへ!
別荘は、城だった。城? ホテル? とりあえず、こんなでけーもん別荘とはよばねーんだよ! と言いたくなったね。とにかく、東京のラブホテルくらいでかい。むだにでかいわけ。
まださ、家ならわかるよ。ハリウッドの人はみんないい家に住んでるし。
でもあなた、別荘って気が向いたときにぷらっと来るものじゃん。それがなぜこんなにすげーのよ! ハリウッドで働く人の、ゼイタク度ってすごいね、ホントに。一体いくら稼げばこんな別荘がたてられんだか。
なんて、ぶつぶつ言いながら玄関に到着。ピンポーン。 なかなか人が出てこない。 もう一回ピンポーン。 おせえなあ。 ピンポンピンポンピンポーン。連打してみたけど、やっぱし出てこない。
なんだか、やな予感が。一緒に来てるこのリッチーっていうモデル野郎は、かなりそそっかしいし。
はっと気付けば、やっぱり不安なリッチーケータイで電話かけてた。
「what???? No! shit! FUCK!!!!!」
あんたの返事聞いてりゃわかるよ。シットにファックって。ぜってえやっちゃったよこいつ。
そんなわたしの、予感はばっちり当たった。パーチーは先週だったんだと。しかも、別荘の場所まで間違えてやがった。じゃあ、これ誰んちなんだよ?? んもーっ! こいつ首絞めてやろうか。
それより、どーすんだよお 誰もいないんだったら、どこで寝るのよ!私たち! ああ、イケメン。酒池肉林……
結局、泊まるところのない私たちは浜辺で野宿…のはずだったんだけど、浜風吹き荒れる夜のビーチにひ弱なモデルのリッチー以下、へたれ野郎どもは10秒でくじけ、車で一夜を過ごした。
そして朝。私は、腹が減りすぎて起きた。お恥ずかしい話だが、こんなリッチなパーチーに来たはずなのに私たちはみんなビンボー人。モデルもどきに、スタッフもどきなんて、金なんてもってるはずない。みんなパーチーの酒と料理を目当てに来たのだもの。と開き直る、ハリウッドの下層階級というか、最下層ぎりぎりな私たち。
全員の所持金は他のへたれモデルカップル2人入れて、合計四人で23ドル。しかも、ガソリンもそろそろヤバイ。と言うことは、20ドルひいて、普通に使える金は3ドル!!! どおすんだよお。 のどが渇いたよお。おなかも減ったよお。
でも3ドル。
通常、パーティーに行くと帰りに必ずおなかん中にビールやらジュースやらを忍ばせてパクっていた私たちにとって、この状態はまさに因果応報。人様のものを狙うのはよくありませんね。
結局、コーラを一本とハンバーガを一個買い、4人で浜辺でわけて食うことに。ひもじいよお。
私の目は、あまりの空腹にギンギンに。食いもんはねえかー食いもんはー。こうなりゃ魚でも捕って、焼いて食ってやろうと一人海岸をさまよいだした私。
果たして、マリブのキャストアウェイは成功するのか? 餓死寸前のモリタは出るものにーちゃん達を食わずにすんだのか???
衝撃の次回に続く!
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