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まほの[子連れ]ハリウッドへの道83

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【空港のセキュリティー・チェックに捕まる!
(まほ、○
ガン所有が発覚で絶対絶命!)

【ロサンゼルス大脱出! しかし、空港は大混乱】
(まほ、レイカーズの優勝で日本へ帰れるのか?)



森田まほ
映画が好き!現場で働きたい!その思いがこうじて単身アメリカ、ハリウッドへ渡り、現場でインターンとして日夜現場を飛び回る日々であったが、ある日アメリカ人の青年と結婚。その後予定外の妊娠をするが、無事出産。現在はグリーンカードを取得すべく待機中。

 
ガタガタのカートですっかりつわり再発の私は(よく、ごはんのにおいで、もよおす、とか言うでしょ? でもあの頃の私は、もう、飯とかそういうのとわず、いつでもどこでもゲロってたんですわ)

「ストップストーっプ!」と荷物カートをトイレで止めた。


気持ち悪い…」


ユナイテッド航空兄ちゃんは心配してそうな顔しつつも、「おっせーんだよ! 飛行機でんぞ!」オーラめらめら。しかたないじゃん妊婦なんだからよお。


とりあえずことを済ませて、よっこらせっとカートに腰を下ろし、おらー! 押せー! と、私たちの最強タッグは出国カウンターへ急いだ。日本人の女を乗っけたカートをがらがら押すユナイテッドの兄さん。あきらかに、おかしな絵だ。ありがとう。にいちゃん……。


アメリカ人の優しさに改めて感動していると、兄ちゃんのウォーキーに連絡が入った。


「OH!! よかったー。飛行機出発遅れるみたいだからー。僕はここまででー。」


タッグ解消。あっけねえ。
でも、とにかく、出国カウンターまで送ってくれてありがとう。ちょっと余裕が出たわ。と、ちんたら、セキュリティーチェックをくぐっていたら。

「ヘイ!!」
なんだよ、なんだよ。つぎはなんだよー!


ガタガタカートで多少おけつを痛めていた私は、イラつきながら立ち止まった。
「なんだよー」


私の前に立ちはだかるは、でけえブラックの空港職員。ひょええ。
これはなんだ?


そいつの右手にあるものをみて、私はさらに、ひょえった。それ、私のお気に入りの超ジャイアント水鉄砲なんすけど。


そうなのよ。そいつ、水鉄砲もってこれはなんだ? とか聞いちゃってんのよ、うわっはっは。だせー!


「おう。それは一目瞭然。ウォーターガンね。ユーノウ??」

NO!!

「のう?」


おっさん、水鉄砲知らんのかーい? それね、別にリアルな銃っぽいやつじゃないのよ。もう超ふっつーーーーーの水鉄砲。ただ超特大なだけ。


「ちょっとーそれ、ほんとただの水鉄砲なんだけどー。スーパーで20ドルもしたんだからねー。返してよー」


「NO!! これはもってけない!危険!デンジャラス!この液体はなんだ?」

前の日遊んでたから、水が残ってただけだよーくそじじー。

「ウォーター!!ワラ!ワラ!ノープロブレム!」

「NO!」


こ、こここんなに、ばかばかしい話聞いたことないっつうねん。こんな、やわそうなガールが、水鉄砲もってて(超特大だけどね)なにが不満なんだー。返せー返せー!

「もうせっかく、ここまでユナイテッドの人が送ってくれたのに、ホントに乗り遅れたらどうすんのよー!」


「NO!」


「アイムプリグナントー!」


「ノオォォォ~!」


な、なんてこった。私妊婦です!の切り札すら効かない……。それでも、超特大水鉄砲をかなり気に入ってた私は、あきらめ切れずに交渉を続けた。


「それ、本当に水鉄砲なんですー。プリーズープリーズー」
もはや懇願。

しかし、ボブサップ(みたいだった)には勝てず。結局、没収されちまったんさ。くやしー!!!!
あの、うれしそうな奴の顔は忘れないわっ。ハンカチ噛み噛み、離陸したあの日を思い出す。

その後LAXの空港職員が没収品のドラッグを横流ししてた事件を聞いた。あの野郎絶対私の水鉄砲こどもの土産にしたね。と確信した私だったのでした。

子育て大奮闘中のまほちゃんにファンレターを書こう!
FLiXムービーサイト内「まほのハリウッド日記」
maho@flix.co.jp

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