『ウォルター少年と、夏の休日』ハーレイ・ジョエル・オスメント独占インタビュー
2人の老人と、聡明だが母親の愛に飢えた14歳の少年の心温まる交流を描いたヒューマン・ドラマ『ウォルター少年と、夏の休日』。マイケル・ケイン、ロバート・デュヴァルというベテランの名優と2年ぶりにスクリーンに戻ってきたハーレイ・ジョエル・オスメント。15歳になった彼は背も伸びて少し大人っぽく見えるが表情はまだ少年のあどけない時のままだ。久しぶりのスクリーン復帰ということもあり、将来のことや役者としての彼自身などについてじっくりと聞いてみた。
Q:これまでのキャリアを振り返って、自身の変化をどう思う?
俳優業を始めてから10年になるなんて、ちょっと妙な気分だね。こうして10年前の作品を振り返ることができるなんて……。でも、最近は状況を理解することができるようになったんだ。僕は変化の時を迎えているし、変化のスピードを実感している。こういった変化は、演技にもいい影響を与えてくれると思う。私生活でもセットでも、新しい何かを次から次へと学んでいるわけだからね。人生経験を積むことによって、演技にリアリティを与えることができるようになったよ。
Q:映画デビュー作『フォレスト・ガンプ 一期一会』撮影時のことは覚えている?
覚えているよ。さすがに細かいところまでは覚えていないけれどね。僕は3週間に渡って、フォレストの息子役を演じたんだ。
Q:『シックス・センス』で顔を知られるようになってからは外出するのが不便になったでしょう?
今はずいぶんラクになったよ。あの作品から5年も経っているし、この2年間は映画に出演していないから。この映画が公開されたら、また状況が変わるかもしれないけれど。でも僕の外見はここ数年ですっかり変化しているから、あの頃よりは騒がれずにすむかもね。注目されるのが嫌いなわけではないけれど、今のほうがラクなのは確かだな。
Q:子役にとって過渡期を乗り切るのは難しいことだと思うけど、作品を選ぶ時はキャリア・プランを優先するようにしているの? それとも、役柄そのもの?
大切なのは、脚本をじっくり読んで自分に合った役かどうかを見極めることだと思う。年齢的なことを考えると、今後のキャリア設計を軽視するわけにもいかないけれどね。だから今までより成熟度が高くて、僕と同じように成長過程にある役柄を探すようにしている。いずれにせよ、ストーリーや役柄に深みがあり、僕の実年齢に見合った役柄であることが重要だと思う。これは、僕が出演を決める時の判断基準なんだ。
Q:誰と一緒に脚本を選んでいるのか。
父だよ。いつも一緒に脚本を読んだり、企画を選んだりしているんだ。
Q:「たとえ嘘だとしても、信じることが大切だ」という教訓がこの映画のポイントになっているけど、あなたもそう感じたことがある?
嘘かもしれない何かを信じようとしたことはないな。でも、劇中でデュバルが言っていたように、自分なりの信条を持つのはとても大切なことだと思う。彼はウォルターに「たとえ真実だという証拠がなくても、信じること自体が大切だ」と教える。自分なりのモラルに従って行動するためには、しっかりした信条が不可欠だと思う。人の意見に左右されず、自分の信条に沿った生き方ができれば素晴らしいよね。
Q:ロバート・デュバルやマイケル・ケインから学んだことを教えてくれない?
彼らはとても心が広いんだ。おかげで僕は彼らからいろいろなことを教わったよ。2人とも具体的に何かを教えようとしないし、教えることが義務だと感じているようすも見せない。でも彼らの仕事ぶりを見ているだけで、プロとはどうあるべきかを学ぶことができたからね。
Q:この映画のなかで一番好きなシーンは?
一番心に残っているのは、ロバート・デュバルと僕が湖のほとりに座っている最後のシーンかな。とてもエモーショナルなシーンなので、強く心に残っているんだ。それまでウォルターと短い会話しか交わさなかったハブ(=デュバル)が、あのシーンで初めて彼とじっくり語り合う。あれは僕たち二人がリアルな感情を表現したシーンなんだ。持てる力のすべてを注ぎ込んで演じたから、ひどく疲れてしまったけれどね。
Q:ジョディ・フォスターの母校、イェール大学に進学したいそうだけど、大学在学中は仕事を休む予定なの?
学業と仕事を両立させることも可能かもしれないけれど、今の段階ではよくわからない。アートや演劇を専攻した場合、演技も学業の一部ということになるから仕事を休止する必要もないしね。いずれにせよ、進学する年齢になってみないと何とも言えないな。