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『四日間の奇蹟』石田ゆり子独占インタビュー

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『四日間の奇蹟』石田ゆり子独占インタビュー

取材・文: FLiXムービーサイト

夢をあきらめた青年、家族を失った女性、心を閉ざした少女――3人の男女に舞い降りた奇蹟を描いたファンタジック・ラブストーリー『四日間の奇蹟』。本作で主人公・敬輔が初恋の相手であり、事故で意識不明に陥ってしまうヒロイン・岩村真理子にふんした石田ゆり子に映画に関するさまざまな話を聞いてみた。

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Q:原作のファンという石田さんですが、岩村真理子を演じてみていかがでしたか?

真理子はとても心がきれいな人。ですから演じる上で、嘘をついちゃいけないと思いました。どこか納得しないままにお芝居をすると……、例えば作り笑いだったり、仕草がぎこちないとそれは嘘になっちゃう。真理子は本当に心が美しい人なので、スクリーンの中で彼女が本物に見えるように気を使いましたね。

真理子はとてもいい子で、優しくて、愛情が深い。でも私は逆にそれが心配になっちゃいました。なんだか真理子は男性から見た“理想の女性”ではないかと。“理想の女性”で真理子が終わってはいけないと思いました。どこかに彼女の持つ強さを残さなきゃと思い、真理子の仕草に「背筋をちゃんと伸ばす」とか「相手の目をまっすぐ見てきちんと話す」というところを付け加えました。

この映画は「初恋」がキャッチ・コピー。敬輔は真理子の初恋の相手で、12年ぶりに2人は再会します。初恋の相手と過ごした4日間がテーマですが、私はここで「女性はどこまで初恋の相手を思い続けることができるのか?」と疑問を感じました。これも男性の“理想の女性”ではないか、ちょっとスウィート過ぎるなぁと(笑)。監督に「女性はもう少し現実的だと思います」と伝えました。真理子は結婚と離婚も経験していますしね(笑)。ですから憧れの人に12年ぶりに再会して、また好きになったということで落ち着きました。このことで監督の演出がかなり変わりましたね。手と手が触れ合うとか、目線が合うとか、ちょっとした仕草が増えていきました。最後に「あなたが好き」と言ってもおかしくない演出になったと思います。


Q:真理子は敬輔の第2ボタンをこっそり手に入れていました。石田さんご自身は学生時代を振り返って、第2ボタンについて何か思い出はありますか?

第2ボタンをもらったことがあります。でも友達の彼氏からでした。私は他にもらいたいと思っていた男性がいたのに(笑)。欲しい人からはもらえず、なんとも思っていない相手からもらってしまいました(笑)。 学生時代、なつかしいですね。

Q:敬輔を演じた吉岡さんはいかがでしたか?

静かなのに、でも「ドーンと来い」という感じでそこにいらっしゃる方でしたね。普通にそこにいるだけで何かを物語っていました。共演できて勉強になりましたし、一緒にお仕事できて幸せでしたね。西田さんも「吉岡さんの演技にほれて、出演を決めました」とおしゃっていました。
そうそう、吉岡くんは劇中ピアノを弾いていますが、彼、今までピアノに触れたことがなかったの! 楽譜も読めないから、目と耳で覚えて「月光(第一楽章)」を弾いていました。とても上手で感動しちゃいました。鍵盤にドレミファソラシドってシールが貼ってあったけど(笑)。

Q:4日間の命を演じることは精神的にきつかったですか?

話はロマンチックですけど、真理子はあと4日間の命という運命を背負っていますからね。「あと何日(の命)」と思うと、私の中でスイッチが入ってしまう。何を見ても悲しい気分になってしまって……。もう死ぬのかと思って、本当に芝居どころではなくなってしまいました(笑)。もし真理子みたいに4日間の命だったら、私は親に会いたいですね。そしてお礼を言いたいです。あとお世話になった方々に会っておきたいですね。


Q:最近、“奇蹟”と感じるような出来事はありましたか?

そうですね……、“奇蹟”というのかサプライズなことがありました。最近仕事である男性に会ったのですが、彼は偶然にも隣のクラスの男の子でした! 私はすっかり忘れていたのに、相手は覚えていてビックリでしたね(笑)。彼もすっかり変わっていたので、全然気づきませんでした(笑)。

Q:石田さんが演じていて特に印象に残ったシーンはありますか?

自分が演じていて真理子に共感を覚えたのは、サンドイッチのシーンですね。今日で終わりだということを告白して、自分がいなくなったらこうして欲しいと伝える。すごく悲しくなってしまいましたね。残された人のことを気遣って、まるで母親のようで……。泣きそうになったけど、泣いてはいけないと思うとさらにせつなくなっちゃいました。

ラストで光に向かって歩いていくシーンがあって、ここで死とはどんなものか一瞬体験できました。光の中を歩いていくと、瞬間的に何も見えなくなって「あぁ死というものはこんな感じなのかしら」と思いました。でも照明さんの姿が目に飛び込んできて、現実に引き戻されました(笑)。

Q:それでは最後に読者の皆さんへメッセージを。

私、Yahoo!を毎日利用しています。ニュースとか動画も見ていますよ(笑)。
この映画は観る人によってまったく違う見え方になると思うので、たくさんの人に観て欲しいですね。でも女性には特に観て欲しいかな。一生懸命やっているのに上手くいかず、すべてが嫌になってしまう。そんなことってありますよね。でも必ず誰かが見ていてくれると思います。自分で自分のことを捨てなければ、必ず救ってもらえるというのが、この映画のメッセージではないでしょうか。
また死を描くことで、今を生きていることを描いている作品だと思います。死を意識することで、今という時間を大事に思ってもらえるといいですね。

夏を感じさせるベイズリー調のさわやかな装いがとても似合っていた石田ゆり子。今回演じた真理子同様、優しく微笑み、澄んだ瞳で記者の目を見ながら、質問のひとつひとつに丁寧に答えてくれた。彼女の人柄のよさを感じられるインタビューだった。そしてもう一度映画を観てみたいと思わずにはいられなかった。

『四日間の奇蹟』は6月4日より全国東映邦画系にて公開。

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