『ハービー/機械じかけのキューピッド』土屋アンナ インタビュー
取材・文:平野敦子 写真:FLiXムービーサイト
雑誌「セブンティーン」などのモデルとして若い女性に絶大な人気を誇る土屋アンナだが、昨年公開された『下妻物語』ではバリバリのヤンキー役を熱演。そのブッ飛んだ役柄に驚いた観客も多いはず。彼女はモデル、女優、そして歌手としても才能を発揮。今回はウォルト・ディズニー製作の心温まる映画『ハービー/機械じかけのキューピッド』で声優にも初挑戦する。全米ティーンのカリスマアイドル、リンジー・ローハンの声に日本語吹き替えを担当した彼女に新しいチャレンジへの意気込みについて話を聞いた。
リンジーのことは知らなかった
Q:リンジー・ローハンさんの声を担当するという話を受けたときの感想について教えてください。
まだリンジーの声を聞いていなかったときは、やっぱり私はこの声なんで(彼女は少々ハスキーボイス)「えーっ、アタシにできるんですか!?」って思いましたが、ディズニーの作品だと聞いて、そのことはすごくうれしかったですね。
Q:リンジー・ローハンさんのことは知っていましたか?
すみません、全然知らなかったです(笑)。でも彼女もシンプルなファッションが好きそうなので、そういう面では自分と通じるところがあると思いました。私と一緒で彼女もシンプルなのがカッコいいというタイプなんだろうなぁ、と気がついたんです。
シンプルなファッションが好き
Q:では、ファッション的には共通点が多かったということですね。
うーん、そうでもないか……。どちらかというとリンジーのほうがかわいいものが好きというか。私は結構"ロック派"なんで、アクセサリーなんかもどちらかというとかわいい系よりもカッコいい系のほうが好きなんですよ。そこは違うけれど、ベースがシンプルという点は似ていると思います。
Q:好きなディズニー映画は何ですか?
『白雪姫』と『眠り姫』と『リトル・マーメイド』。あと『ポカホンタス』も好きですね。
車は子供に乗せてもらう
Q:車の運転はするんですか?
いえ、しません。
Q:免許は持っているんですか?
取りたいんですが、持ってないです。日本という国は免許を取るのにお金も時間もたっぷりかかって取りにくいんですよねぇ……。そのうち子供が乗せてくれそうな気がします。
アートが一番やりたいこと
Q:今回声優に初挑戦されて、苦労したことはありますか?
ないです(キッパリ)! もう本当にすべてが楽しかったです。もともと難しいことを楽しんじゃうほうなので、「はい、ダメ」って言われたら「あっ、もっとがんばんなきゃ!」と逆に燃えるタイプなんですよね(笑)。
Q:かなりのチャレンジャーなんですね。
はい、それはもう!
Q:役を選ぶときの基準は何かありますか?
人がやらない役をやりたいと思うので、ごく普通の子の役とかはやる気がしないんです。ちょっと変わった役とか、みんながやりたくないと敬遠する役とかをやりたいですね。
一番やりたいことはアートなんです。あと音楽の仕事は一生続けていきたいと思っているので、音楽をベースにあとは来た仕事をきちんとこなすと。バリバリのミュージシャン役とかもおもしろそうですよね。
ウソつきは嫌い
Q:本来の 自分とはまったくかけ離れた世界を見てみたいということですか?
うん。それもあるし、自分の奥底に潜んでいるものをのぞいてみたかったりとか、みんながいい人ぶって見せないイヤな部分や汚い部分をさらけ出したいという欲望もありますね(笑)。
Q:ふだんは正直なんですか?
はい。自分がウソをつかれるのが嫌いだから絶対にウソはつきません。悪口も言わないし。
Q:ウソをつかれたらどうしますか?
いや、その人とはもう2度と関わりません! 怖いですよ(笑)。「人にやられたらイヤなことは自分もしない」というのが私のポリシーですから。
ウチの子ぜんぜん手がかからない!
Q:お子さんにもそのポリシーを伝えるんですか?
一応教えますけど、自分で気づいていくのもいいんじゃないかと思って。
Q:7か月の男の子のお子さんがいて大変じゃないですか?
大変じゃないですよ。うちの子ぜんぜん手がかからないんですよね。こっちが大丈夫かなぁ~って思うぐらい、ひたすら寝る、寝る、寝る……、泣かない、泣かない……って感じで。いやぁ、いつ本性が出てくるんだろうと思ってヒヤヒヤしているんですけどね(笑)。まだ一度もストレスに感じたことはないんですよ。親バカかもしれないけれど、いい子だって思っちゃいますね。
Q:この映画をどのような方々に観てもらいたいですか?
ディズニーというと子供の映画というイメージがあるんだけれど、どちらかというと夢を欲しがっているのは大人のほうだから、ぜひ大人の方々に観てもらいたいです。それに車好きにはたまらない映画だと思うし。もちろん自分の子供にも観せてあげたいです。でももしかしたら子供の目から見たらじつは車っておちゃめな"ハービー"のように映っているのかもしれないですね。小さい子って遊びながら車同士でおしゃべりしていたりするじゃないですか。きっとそんな感じなんですよね。
モデル、女優、声優、歌手、そしてアーティストと様々な顔を持つ21歳の土屋アンナ。彼女の魅力はそのストレートな物言いと、正直すぎるぐらい正直なところだろう。これからも彼女がきらきらと輝く姿をぜひ見てみたいと思わせるカリスマ性が、彼女には生まれながらに備わっているのかもしれない。子供の話になると身を乗り出して、しっかりと子供を思う母親の顔になっていていたのが新鮮だった。
『ハービー/機械じかけのキューピッド』は7月30日より全国で公開。