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『メゾン・ド・ヒミコ』柴咲コウ、オダギリジョー インタビュー

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『メゾン・ド・ヒミコ』柴咲コウ、オダギリジョー インタビュー

取材・文・写真:FLiXムービーサイト

『タッチ』『ジョゼと虎と魚たち』など繊細な恋の映画を作ることにかけては定評のある犬童一心監督が、なんと新作でゲイを中心に繰り広げられる人間模様、『メゾン・ド・ヒミコ』を完成させた。本作でゲイという難しい役どころに挑戦したオダギリジョーとゲイの父を持ちながらゲイになじめないでいる女性を演じた柴咲コウの2人にインタビューをすることができた。

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素敵な人との共演ばかりで本気で惚れないのは……

Q:柴咲さんはメイクをしていない、オダギリさんはゲイの役と新境地を開いたみたいなところがありましたが演じるときに重点を置いたのはどんなところでしょうか。

オダギリ:そんな、たいそうなことは考えていないです。なるようになると思っていました。監督がちゃんとバランスをとってくれますし……僕は出来ることだけをやっていればいいという感じですね。芝居は演技を自分の中で選択していく作業だと思うのですが、もし、それを間違えていれば監督が教えてくれますしね。選択の基準はその場によります。たとえば、相手の状況やまわりの空気のようなものです。

柴咲:難しいと思っていたのは、かわいらしくいることだったんです。かわいくありたいと思ったからこそ難しかったのかもしれないです。お金も持っていないから伸びたゴムを使いまわしていて、おしゃれなんか出来ないみたいな設定でしたが、でもかわいくしたかったんです。

Q:柴咲さんはオダギリさんをすごく「カッコイイ」とおっしゃっていました。ほかにもたくさんの素敵な男優さんと共演されていますが、役だけでなく実際に相手に「惚れて」しまわないようにどうやって自分と折り合いをつけていらっしゃるのでしょうか。

柴咲:折り合いつけなきゃ、最悪の女になっちゃいますよ(笑)! 共演させていただく方ってすごい人ばかりなんですよ。みなさん尊敬できる方ばかりで……共演させていただいていると、改めてすごい方たちなんだなぁと発見させられたりします。触発はされるんですけど、淡い恋心は……もしかしたら、抱いているのかもしれませんが(笑)……自分がどうこうしたいとかよりも、作品をいいものにしたいという気持ちのほうが強くなるんですよね。それどこじゃ、なくなるってことだと思います(笑)。

ゲイの感性はすごい

Q:この映画は本物のゲイの方も出ていらっしゃったと聞いたのですが、世間で「ゲイ」と呼ばれている方たちとご自分とで感性が違うと思ったことはありましたか?

オダギリ:いろいろとありましたが……たとえば、男は花を見てもきれいと感じにくいと思うのですが、ゲイの方はお花を見て「きれい」と感動されるんですよ。女性もきれいって言いますよね。両性の感性を持ち合わせていてうらやましく思いました。

Q:柴咲さんはゲイの感覚はどう思いますか? 一緒にいると自分のほうが男っぽいと感じたりしますか?

柴咲:ゲイの方のそういった感覚は素敵なことだと思います。花を見てきれいと思ったり、いろいろなことで泣けたり、かわいい洋服を着たいと思ったりとか、新しい口紅を買って、1日中ウキウキしていたり……わたしは、そんなことあんまりないんですけど……。

オダギリ:えっ! ないんですか?

柴咲:花はまあ、かわいいと思うんですど……かわいい服を着ればそれは気分もよくなりますが、そういう欲求があまりないんですよ。そういうものを所有したいとか、もともと物欲があんまりないようなんです。

犬童監督というの安心感

Q:シナリオを読んでこの役を演じてみたいと強く思った点はありますか。

オダギリ:一番最初に安心したのは、この作品を犬童さんが撮るということだと思います。自分の中で、気持ちが広がりました。ある映画祭でお話をする機会があって一度お仕事が出来たらいいと思っていたので。

柴咲:私は脚本でほぼ決めました。小説を読んでいる気分になる脚本って演じてみたいと思うんです。作品によっては映し方とかすごく配慮してト書きが書いてあって、それが絵として浮かんでくる場合があったりしますが、今回の作品は全体がおもしろい書物のように感じられました。

Q:ゲイの役ということで抵抗はありませんでしたか?

オダギリ:「ゲイの役」とかではなく、春彦のキャラクターに対しては、素直に「この役をやりたい」とは思えませんでした。犬童さんと話を進める中で僕のこの春彦って役を、より人間的で魅力的に膨らませていくことが出来たんです。たくさんの話し合いの時間が持てて良かったと思っています。

Q:役がらに不安はありませんでしたか?

柴咲:大変そうだとは思いませんでした。わたしは結構臆病なところがあって打ち合わせをする前などは不安になることがあるんですが、今回は不安は微々たるものでした。

柴咲さんは怖そうだったけど……

Q:お互いの印象、芝居中の印象、今の印象とを教えてください。

オダギリ:最初の印象は怖そうだと思いました。すごくとがっていそうだとも思っていました。

柴咲:ふーん

オダギリ:え、そう言われるのイヤですか?

柴咲:いや、よく言われるんですけど。

オダギリ:そこが、ぼくがすごく好きな点なんですよ。芝居中は前にCMで共演したんですが監督の指示に対して出来ないことは出来ないというし、答えることも出来るし、とんがっているのに柔軟なところがあるんだなと思いました。最近はよく一緒にインタビューを受けるんですがしっかり自分の考えを言葉にできるし非常に優秀な方だなと(柴咲、オホホ)今日も本当に僕はだめだなって……すごくフォローしてくれるんですよ。申し訳ないくらい。

柴咲:オダギリさんはむだ口聞かない、無駄に笑わないとかそういうイメージがあるんですよ。役を演じると違う面が引き出されるんですよ。いまはますます分からないです。何を思って生活しているんだろう、不思議な人だなって思います。人を引きつける能力のある方です。あんまり、うろちょろしていなくて、たたずまいは素敵でした。

『メゾン・ド・ヒミコ』は8月27日よりシネマライズほか、全国順次公開。

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