『エリザベスタウン』オーランド・ブルーム 単独インタビュー
取材・文・写真:FLiXムービーサイト
人生につまずいた一人のアメリカ人青年が、父の死をきっかけに、新たな自分探しの旅に出る。早くもアカデミー賞の呼び声が高い『エリザベスタウン』で、いままで時代ものの出演が続いたオーランド・ブルームが待望の現代劇に挑戦した。当初、主演にアシュトン・カッチャーの名前が挙がり、アメリカ人俳優にしか出来ないといわれた難役をイギリス人の彼が抜群の演技力で、見ごとにこなした撮影での出来事や、亡き義父への思いを語ってくれた。
18ページにおよぶ長ゼリフ
Q:映画を撮影していた中で、「これはきっと素晴らしい作品になる!」と確信した瞬間はありましたか?
森の中でダンスをしたシーンは、そういう瞬間のひとつだった。俳優としてだけでなく、とてもすばらしい瞬間だったと思う。それから、僕がケンタッキーで家族と出会うシーンも同様に、すばらしかったよ。
Q:一番長かったシーンは18ページにおよぶ長いせりふだったそうで、あなたはそれを全てワンテイクで決めたと聞きました。どうやったらそんなことができるんですか?
あれは、電話をしながら(キャッチホンを使って)3人の相手と、3つの会話が平行して進行するというとても難しいシーンだった。でもキャメロンは驚くほど素晴らしい脚本家であり、同時に最高の監督でもあるんだ。だから、演じているうちにその役になりきれたから出来たことだと思うよ。
ただ、楽しむ
Q:あなたは素晴らしい演技力の持ち主だと思うのですが、エジソンの言葉のように1パーセントの才能があったとしたら残りの99%はあなたの場合なにで出来ていると思いますか?
なんだろう、仕事のやり方かな。いつも違った役柄に挑戦すること、ユニークな役に挑戦すること。そしてそれをただ、純粋に楽しむことかな。
Q:キャメロン・クロウ監督はどんな監督でしたか?
素晴らしい監督だよ。役柄に命を吹き込んで、役柄の持つキャラクターの特色を明確にしていくことがとても上手な人なんだ。いっしょに働いてとても楽しい時間を過ごせた。それから、彼は才能豊かな脚本家で、役柄を成長させていくこともうまいから、人生に失望したドリューが生きる希望を探す旅をしていく過程での感情を表現するのはとても楽しい仕事だった。
亡くなったお父さんと……
Q:もし、あなたが亡くなったお父さんとロードトリップに出ることができるとしたら何を話したいですか?
彼の人生について。彼がすごしたアフリカでの日々についてかな。彼は実は僕の本当の父親ではないのだけど……そうだな、彼の執筆した作品についても話したいかな。
5分刻みの取材が入っているという、殺人的なスケジュールの中、「コスチューム姿ではない普段着のオーランド・ブルーム」は、ひとつひとつの質問に物腰もやわらかく、丁寧に答える姿がとても印象的だった。そんな彼が等身大で登場する『エリザベスタウン』は彼の自然体の魅力を思い切り堪能できる作品だ。
『エリザベスタウン』は日劇1ほか全国で公開。