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『ダ・ヴィンチ・コード』ロン・ハワード単独インタビュー

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『ダ・ヴィンチ・コード』ロン・ハワード単独インタビュー

周囲の期待が大きすぎてとても緊張した

取材・文:Costo Connection / David Wight

今年一番の話題作『ダ・ヴィンチ・コード』が早くもDVD化された。ダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」という大ベストセラーを見事に映像化したのは、『ビューティフル・マインド』でアカデミー賞最優秀監督賞と最優秀作品を受賞したロン・ハワード監督。俳優一家に生まれ自身も子役として活躍し、そして監督業へと転身して成功を収めた52歳のロン・ハワードに東海岸の自宅オフィスで話を聞いた。

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自己成長ができた撮影期間

ロン・ハワード

Q:『ビューティフル・マインド』のアカデミー賞受賞作品も含め、過去20年間、数々のヒット作を生み出してきましたよね。『ダ・ヴィンチ・コード』を通して何を得たと思いますか?

長期間に及んでヨーロッパに滞在したことは素晴らしい人生経験だった。アメリカとは考え方の異なる、ヨーロッパの神学的視野の理解を深めた。長期に及んだ撮影とその後の休暇を通して歴史も勉強できたし……自己成長の1年だったと思う。本当に楽しい1年だったよ。

Q:トム・ハンクスとはこの作品で3作目ですよね (『スプラッシュ』『アポロ13』『ダ・ヴィンチ・コード』)?

そうだね。3作目だよ。また一緒に働きたいと思う。彼と仕事するのはとても楽しいからね。

Q:脚本家、アキヴァ・ゴールズマンとは『ダ・ヴィンチ・コード』以前に一緒にお仕事していますよね?(『ビューティフル・マインド』『シンデレラマン』)

彼は『ダ・ヴィンチ・コード』を脚本化するため、撮影中も常に現場に来ていたね。この原作からの脚本化はとても難しかったと思う。原作になるべく忠実にしようと撮影から編集作業までどうやって原作をよりよく反映できるかを考えて作っていたからね。アキヴァは最初から最後までとてもよくやってくれた。

周囲の期待が大きすぎることへの緊張

ロン・ハワード

Q:監督がサントラの作曲家を選んでいるのですか?

そうだよ。ハンス・ジマーと仕事をするのは『ダ・ヴィンチ・コード』で2度目だ。彼は『バックドラフト』の音楽も担当しているんだ。『ダ・ヴィンチ・コード』では素晴らしい音楽で映画に貢献したと思う。彼は脚本段階で作曲を始めていて、リハーサルにもよく来てくれた。音楽は映画の中で大切な要素だと僕は考えているし、物語の感情にフォーカスさせる役目があると思っているんだ。

Q:ダン・ブラウンの原作がベストセラーだったことが監督や製作を難しくしましたか?

そうだね。まるで初監督作品のときのように、とても緊張したよ。周囲の期待がとにかく大きすぎて……。

話をあの形に凝縮するために、製作上いろいろな決断を強いられた。ダン・ブラウンの原作の内容はとても優れているし、多面性があり、さまざまな角度に面白さがあった。10人にこの本のことを語らせれば、10の違った答えが返ってくる。それも好き嫌いが分かれて……好きな人たちの理由もまた4つも5つもあってみな違うしね。

Q:15歳のときに監督になることを決めたと聞きました。何がそうさせたと思いますか?

いつもそう思っていたし、周囲にもそう話していた。父親が劇団を監修しているところを見て育ち、「アンディー・グリフィス・ショー」(ロン・ハワードが子役で出演したテレビ番組)の監督たちは、ほとんど俳優出身者ばかりだった。1969年にディスニーのウェスタン映画『ワイルドカントリー』に出演したときの監督、ロバート・トテンに出会ったことが転機だった。

トテンはそのころ30代前半。活動的な人で、役者のためになるいい監督だった。21歳のときに低予算の映画を製作して、僕に常に言っていたのが「長編作を監督するのに、35歳まで待つ必要はない」ということ。僕の想像力はそのとき放たれたんだ。この後、僕は監督をやりたい、監督になれると思った。

一人での製作は責任が大きすぎるので嫌

ロン・ハワード

Q:映画製作の中で、自分が責任を持てる範囲のバランス取れていると思うのはどういう状態ですか? 監督・脚本・製作など複数を手掛ける方がよいのか、それともひとつのことに絞った方がよいですか?

僕は監督と製作が好きだけど、一人での製作は責任が大きすぎるので嫌だな。製作と監督業をミックスすることで、製作者との会議などでしっかりとして足場を持てる。僕にとっては大事なことなんだ。脚本? 脚本は最初のころ書いていたけど……またやるかもしれないな。脚本を自分で手掛けたことは貴重な経験だったと思う。実際に脚本会議とかに同席して、脚本家と話をしたりするのにリラックスしてアプローチできるからね。脚本家との良い関係を保てることが好きなんだ。


ロン・ハワードはこの『ダ・ヴィンチ・コード』という作品については映画の芸術性を高めるということに重点を置いてはいなかったとさらりと語った。「ダ・ヴィンチ・コード」という大ベストセラーを映画化するために作っているのだと、ある時点から思うようになったという。そしてこの原作が映画に向いたストーリーだとはとても思わなかったと語る彼が、この作品をあえて選んだのは原作に組み込まれた数々のエッセンスをうまく組み合わせていくことで出来上がっていく物語のおもしろさに期待していたからだという。そんな柔軟な視点を持ったロン・ハワードが作り上げた『ダ・ヴィンチ・コード』の世界をぜひDVDでじっくり堪能してほしい。

『ダ・ヴィンチ・コード』デラックス・コレクターズ・エディションは発売中。

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