『シュレック3』藤原紀香 単独インタビュー
自分の好きになった人は、
両親に分かってもらいたいし、祝福してもらいたい
取材・文:南樹里
大ヒットCGアニメ『シュレック』シリーズ第3弾で、1作目と2作目に引き続きフィオナ姫の日本語吹き替えを担当する藤原紀香。本作でフィオナ姫は、心根の優しい緑の怪物シュレックと“遠い遠い国”で結婚生活をスタートさせ、子宝にも恵まれる。自身も結婚し、フィオナ姫と同じく幸せ真っ只中の藤原が、観る者に幸せを届け続ける映画の魅力を語った。
人生は一度きり、勇気を出して踏み出して!
Q:フィオナ姫は、真に理解しあえるパートナーを得ました。紀香さんにも“白馬の王子様”が現れましたね。
はい! (照れながら)あ、「はい」って言っちゃった!(笑)わたし自身が結婚したことで、少しだけフィオナに近づけた感じがします。わたしの赤ちゃんは、まだですけど(笑)。
Q:誰もが幸せをつかみ取れるといいですよね。でも、どうしても一歩踏み出せない人も大勢いると思います。そんな人々に向けて応援メッセージをお願いします。
そうですねえ……人生は、いろんなことがあると思うんですけど、人生は本当に一度きり。わたしも失敗したり、くよくよしたりすることもあるんです。でも、そんなときには「一度しかない人生だから、いろんなことにチャレンジしよう!」って思うようにしています。とても勇気がいるけど、一歩踏み出してみて下さい。「反省すれど、後悔なし」これがわたしのモットーです。
Q:失敗したときに立ち直る方法はありますか?
いろいろなものからパワーをもらっています。人とのご縁もそうですし、人からいただくパワーってすごく大きいんです。それと、バイオリズム的に落ちているときは、好きな香りや、好きな本、好きな音楽など、好きな物で自分を包み込むようにしています。自分が一番リラックスできたり、充電できたりする環境づくりもすごく大切だと思います。
『シュレック』シリーズから学んだ人生のエッセンス
Q:『シュレック3』では、どのようなことが起きますか?
今回は、フィオナがシュレックに対して、妊娠したことを告げようしますが、シュレックは父親になる準備ができていないので悩みます。あと、仲間や家族を守るために、おとぎの国の住人たちが一緒になって知恵を出し合って奮闘する姿は感動的です。映画の中から人生のエッセンスをたくさんもらっている気がしました。
Q:人生のエッセンスですか。では、王国(=実家)とのコミュニケーションという面で、参考になるエッセンスはありますか?
そうですね。自分の好きになった人は、両親に分かってもらいたいし、祝福してもらいたいなと思うじゃないですか。結婚はファミリーなんですよね。そこがアニメの物語だけでなく現実に通じるから、皆さんがものすごく共感してくれると思います。
Q:ファミリーと良いコミュニケーションを取るための秘けつは何でしょうか?
“愛を持つこと”ですね。
ポジティブなフィオナ姫と藤原紀香
Q:お気に入りのキャラクターと、その魅力を教えてください。
フィオナかな、やっぱり。遠い遠い国のカンフーの達人のお姫様。かわいらしくもあり、しっかりもしているんです。『シュレック3』では、母として腰を据えた感じでの強さが魅力ですね。アフレコをしていると「本当にどんどん成長しているな~」って実感しました。
Q:フィオナ姫の成長を見届けながら演じる気分はいかがですか?
自分も一緒に成長している感じですね。
Q:フィオナ姫とご自身の共通点はありますか?
プリンセスっていうと「いつか王子様が助けに来てくれる」とか、割と受け身なキャラクターが多いですよね。でも、フィオナは「未来は自分たちの手で切り開いてゆくんだ」と考えるタイプのプリンセスなんです。そういう前向きでポジティブなところは、わたしも一緒です。
キャメロン・ディアスとの女の子トーク
Q:英語版でフィオナ姫の声を担当されている、キャメロン・ディアスさんの印象を教えてください。
明るくて、ポジティブな感じですね。女の子同士なので、ファッションやコスメの話をしますね。「それ、どこで買ったの?」「その靴、すてきね」とか(笑)。キャメロンからは「肌がスベスベね。わたしはサーフィンをしているから日焼けしちゃって」って肌の手入れ法について聞かれました。
Q:シンデレラ、白雪姫、眠れる森の美女、ラプンツェル(髪長姫)といった、闘うお姫様たちが登場しますね。
有名な物語のプリンセスたちの井戸端会議は最高にリアルです。「あー、女の子って、こう、こう」っていう(笑)。アフレコは、笑い声が入っちゃいけないのに、つい笑いそうになったところが、たくさんあります。例えば笑いながら、辛らつなことを言うシーンは、多くの女性が共感できると思いますよ。
Q:お気に入りのおとぎ話といえば?
子どものころから絵本が好きで「シンデレラ」「白雪姫」などを読んでいたんですけど、そのときは気がつかなかったことがあって……。「グリム童話」って、本当はすごく怖いんですね。今回、お姫様のことをネットで調べたら「白雪姫」は、王子様のキスで目覚めるんじゃないってことを知りました。「えーー、ちっともロマンチックじゃない!」ってびっくりしました。それに比べると、『シュレック』シリーズはなんてポジティブな物語なんだろうと思います。これに勝るおとぎ話はないですね!
フィオナ姫の声を担当する藤原紀香は、まさしく現代の「お姫様」という言葉がピッタリ。女性のあこがれの的だけに、いるだけで場の雰囲気は華やぐ。お姫様といっても、近寄りがたい雰囲気ではなく、「一歩踏み出すことが大切なのよ!」とコメントするときは、本当に一歩足を踏み出しての熱弁を披露するなど、気さくで超自然体。「もし魔法を使えるなら、どんな魔法がいいですか?」と尋ねると「みんなが笑顔でいられる魔法」と満面の笑みで答えてくれた。その笑顔を見ると、まるで“紀香マジック”にかかったかのように、自然と笑顔になってしまった。
『シュレック3』は6月30日よりサロンパス ルーブル丸の内ほかにて全国公開。