『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』市原隼人 単独インタビュー
女の子と遊ぶよりも男の子と遊ぶ方が楽しい!
取材・文:シネマトゥデイ 写真:秋山泰彦
田舎町に住む高校生7人組と、地元の駐在さんとのイタズラ攻防戦を描く『ぼくたちと駐在さんの700日戦争』。ネットで爆発的な人気を集めているブログを実写化した本作で、主人公の高校生ママチャリを演じる市原隼人は、『虹の女神 Rainbow Song』『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』、6月に公開される『神様のパズル』など、デビュー以来、多くの作品で存在感のある演技を見せている注目の若手俳優だ。本作で駐在さんとのイタズラ戦争や仲間たちとの友情など、熱い青春を楽しむ高校生にふんした彼に話を聞いた。
男ばかりの現場で生まれた男の友情
Q:撮影を振り返ってみて、いかがでしたか?
那須烏山(なすからすやま)の宿舎に泊まり込んで撮ったんですけど、現場に行くときも帰るときもみんな一緒なので、親近感も信頼感もすごくわきました。トイレも風呂も共同だから、みんなでオシッコしながら「おはようございます~」みたいな(笑)。撮影が終わってからも、みんなでご飯食べに行ったり、同い年の(石田)卓也とはいつも一緒で、飲んだりしていました。
Q:役者としての話をしていたんですか?
してないです(笑)。でも部屋に集まって台本を読み合ってはいましたよ。
Q:男の子同士、ワイワイやる現場は楽しそうですね!
楽しいです! 同年代だと気持ちが通じるし、やっていくうちに、こっちが何も言わなくても相手が気付いてくれるような関係になるのが楽しいです。僕自身も、女の子と遊ぶよりも男の子と遊ぶ方がいいですね。もうずっと、そうですね……。中学校のときも、付き合っている子がいてもしゃべれなかったんですよ。廊下でプラプラしていて、すれ違ったときに「オスッ!」って、その一言で「よっしゃあ~!」みたいな(笑)。
Q:皆さんの演技がとても自然でしたが、アドリブはあったんですか?
動きはほとんどアドリブです。セリフがあっても、みんな自由に動いていました。監督がそういう雰囲気で演じさせてくれたんで、本当にやりやすかったです。でも使えないアドリブもいっぱいあったんですよ(笑)。これダメだ、アフレコで変えよう! みたいなのは思い出せないくらいいっぱいありましたね。
40度を超えた酷暑の中での撮影!
Q:体力的にきつかったシーンも多かったのではないですか?
もう必死でしたよ! 現場の気温が40度を越えてたんですよ。だから「アチ~! アッチ~!」って言いながらやっていました。でもチームでやっているっていう一体感があったので、そんなに苦しいとは思わなかったですね。みんなと同じ現場にいて、みんなと一緒にやってるんだし! みたいな。
Q:1979年に生きていた「ママチャリ」という役に共感する部分はありましたか?
好奇心が旺盛で、1回しかない青春の中でそのときの友だちと強いきずなで結ばれていますよね。僕も今、小学校や中学校からの友だちとずっと遊んでいるので、そういうところはすごく共感できました。
Q:石野真子さん演じるお母さんとの関係性で市原さんに共通するところはありますか?
僕も母ちゃんとしゃべるのは恥ずかしいし、授業参観とか来たら「もう帰ってよ!」みたいになりますよ(笑)。 でも、石野真子さんがすごくかわいいんですよね。
Q:麻生久美子さん演じるマドンナのような存在はいかがですか?
僕、小さいころにルノアールとかによく親父に連れて行ってもらってたんですけど、ああいう雰囲気のある喫茶店に行ってみたいですね! 昔の恋愛って本当にいいですよね~。携帯もなくて、好きな女の子の家に電話したら父ちゃんが出ちゃって「あれ~」みたいな(笑)。
好きな女の子の家を、学校帰りにピンポン!
Q:市原さん自身のヤンチャなエピソードはありますか?
車の運転が好きで、友だち乗っけて、長い時間プラプラして、友だちが寝たところで「京都行くべ!」ってそのままノリで行っちゃって、「あれ、おれ明日仕事なんだけど……」みたいな(笑)。友だちをどこかに連れて行くのがすごく好きです。
Q:学校でもイタズラっ子だったんでしょうか?
ヤンチャでしたね(笑)。すごく好きな女の子がいて、帰り道にその子の家のピンポンを押すんだけど、しゃべれないから逃げるんです(笑)。毎日やってたんですけど、絶対ピンポンダッシュだと思われていたよな~(笑)。
Q:昔の高校生っていいなと思った部分はありますか?
商店街で、おばちゃんとか友だちとか先生とかにすれ違うたびに「おはようございます!」ってあいさつできるのはあったかいですよね。それに雰囲気が全部かわいいと思います! 喫茶店とか定食屋なんかに行くと、必ず友だちがいるっていうのが好きです。僕も地元の古い定食屋とか行くんですよ。そういうところは、あったかくて好きなんです。
Q:この映画から同世代に伝わってほしい部分を教えてください。
この世界観を楽しんでもらえればいいですね。家族で観ながら「昔、オヤジはこんなんだったよ」とかって親子で話すきっかけになるような、いい映画だなあと思います。
映画の中でもスクリーン狭しと走り回っている、元気いっぱいの市原。本人も、女の子と恋愛しているよりも、友だちとつるんでいる方が楽しい! というような男子そのものだった。現在21歳の市原だが、ヤンチャな高校生を自然体で演じられるのは、そんな男の子の要素をたくさん持っているからだろう。自転車で全力疾走する市原の姿から、彼のはじけるようなパワーを感じてほしい。
ヘアメイク:中島康平
衣装協力:obelisk、Ben Sherman / アイ・ピー・ジー・アイ、リーバイ・ストラウス ジャパン
映画『ぼくたちと駐在さんの700日間戦争』は4月5日よりシネマGAGA! ほかにて全国公開