『花より男子ファイナル』小栗旬 単独インタビュー
花沢類抜きに小栗旬は語れない、ありがとう花沢類!
取材・文:鴇田崇 写真:田中紀子
神尾葉子の人気コミックを原作に、極貧ヒロインと財閥の御曹司の恋愛やF4と呼ばれるスーパーセレブの仲間の友情をコミカルに描いて大ヒットしたドラマ「花より男子」の完結編が、『花より男子ファイナル』としてスクリーンに戻ってきた。武道館で行なわれた完成披露試写会では応募総数25万通以上の中から選ばれた6千人が映画を鑑賞するなど、圧倒的な人気の高さを見せつけた本作。花沢類役でおなじみの小栗旬に最終章を迎えた現在の心境などを聞いた。
怪しい花沢類、全開!
Q:今回で3回目のF4メンバーの集合となりました。集まったときはいかがでしたか?
パート1が終わって「花より男子2(リターンズ)」で集まったときは「また4人、集まったね」って感じでしたけど、「花より男子2(リターンズ)」の撮影が終わったころは「もしかしたら映画になるかも?」っていう話も聞いていたので、今回の『花より男子ファイナル』で集まったときは、比較的普通だったと思います(笑)。
Q:衣装や仲間がそろうと、瞬間的に花沢類になるのでしょうか?
そうですね。今回は3回目で一から作り上げる状態ではなかったので、すんなり花沢類には入れましたね。
Q:今回は“怪しい”花沢君がテーマだそうですが、演じる上で気を付けたことは?
演出的に怪しく見せている部分もあるんですけど、花沢類としては一本筋が通っている感じで自分が考えていることがあって、それが全部脚本にきちんと描かれているので、あえて自分から“怪しく”しようと思わなかったですけどね(笑)。花沢類がどういうことで悩んでいるのか? をわかった上で僕自身も演じているので、それを考えている花沢類を石井康晴監督やスタッフが“怪しく”撮ってくれている感じですね(笑)。
花沢類と出会えたことに感謝
Q:この数年間、花沢類とともに小栗さんも飛躍を遂げられましたが、振り返ってみていかがですか?
花沢類は普段見られない世界に連れて行ってくれた人ですね。ありえないセレブの世界という意味ではなくて、俳優としていろんな人に注目されるようになったのも花沢類を抜きには語れないし、そういう意味では非常に感謝しています。
Q:花沢類は道明寺司に「すべてを預ける」と頼まれますが、実際に同じような頼まれごとをされたらどうですか?
あれほどの内容ってことですよね? 断る! って言います(笑)。僕は花沢類ほどいろいろと背負えないですね。今の自分には人の人生が左右されるほどの頼まれごとを、わかった! って言ってOKするほどの余裕と時間がないので、多分断っちゃいますね。
Q:「花男」といえば、男同士の友情も描かれますが、ご自身も友情のプライオリティーは高いですか?
すごく高いです。男同士って気兼ねなくて楽しいじゃないですか。今年に入って潤は、僕の部屋のソファーで3、4回は朝を迎えてそのまま仕事に行っています(笑)。ただ、僕も一番に仕事を取ると思いますけどね(笑)。
今の自分にはハングリー精神が必要!
Q:小栗さんが考える、このシリーズの魅力とは何でしょうか?
わかりやすさと複雑さが一緒になっている、サタケミキオさんの脚本が素晴らしくて魅力的ですよね。もちろん神尾先生が書いている原作が面白いからで、ありえないセレブの中に入ってくるヒロインへの応援歌のようなところもすてきだし、ストレートでポジティブな作品ですよね。
Q:花沢類を卒業して、俳優として新たな目標や今後の抱負は?
花沢類を演じたことで注目されて、いろんなことを吸収した気がします。一気にいろんなことをもらってしまった気がするので、次のことを考えないといけないんですけどね。満たされちゃった感じがしていて、今の自分にはあれも欲しいこれも欲しいっていうハングリー精神が必要です(笑)。この先どうしようか考え中です。違った世界ものぞいてみたいですね。
Q:最後になりますが、ファンへメッセージをお願いします!
すごくいい作品になっていると思います。テレビシリーズの実績があったからだと思いますが、『花より男子ファイナル』では冒険もできたような気がしますね。きっと満足できる作品になっていると思いますので、かみ締めながら楽しんで観ていただければと思います。
『花より男子ファイナル』を迎えた現在の心境を「集大成のような感じになっていると思いました。このシリーズにかかわって良かったです」と語ってくれた小栗。花沢類とともに歩み、花沢類とともに成長した数年間を振り返り、しみじみとした表情が印象に残った。花沢類だけでなく、牧野つくしやF4のメンバーたちが見られなくなるのはファンにとっても寂しい限りだが、彼らの卒業を祝いながらお祭り気分でフィナーレを楽しんでほしい。
『花より男子ファイナル』は6月28日より全国公開