『あの日の指輪を待つきみへ』ミーシャ・バートン 単独インタビュー
この映画のヒロインのように、わたし自身も真実の愛を見つけたわ
取材・文:小林真里 写真:秋山泰彦
名匠リチャード・アッテンボロー監督が描く壮大なエピック・ラブ・ロマン『あの日の指輪を待つきみへ』でヒロインの若き日を演じたミーシャ・バートン。テレビドラマシリーズ「The OC」で一躍スターダムにのし上がり、アメリカではティーンエイジャーたちのあこがれの的となった彼女が、本作では運命的な愛に生きるいちずな女性を熱演している。本作で大胆なヌード・シーンにもチャレンジした22歳のミーシャに話を聞いた。
ヒットドラマ終了後、初の映画出演
Q:この作品に出演することになった経緯を教えてください。
「The OC」を終えてから初めての仕事だったんだけど、まず脚本を読んでみたら、内容がすごく良かったの。それからロサンゼルスでリチャード・アッテンボロー監督に会ったんだけど、彼は本当に素晴らしい人で、わたしたちはすっかり意気投合したわ。シャーリー・マクレーンが演じるヒロインの若いころを演じられるなんて、本当に興奮させられたし、とにかくハッピーですてきな体験だったわ。
Q:第二次世界大戦が時代背景にありますが、どのような役作りをしたのでしょうか?
役作りで大きなインスピレーションを与えてくれたのは、監督のリチャードと奥様のシーラなの。シーラは戦争のころ、ちょうどわたしが演じたエセル・アンに近い年齢だったこともあり、彼女のアドバイスは演じる上でとても助けになったわ。
Q:美しく、感動的なラブ・シーンが印象的でした。本作ではヌードを披露していますが、抵抗はありませんでしたか?
ええ、確かにヌード・シーンは常にやりにくいものだけど、リチャードのことを信用していたし、彼はわたしが快適で安全に感じられるよう配慮してくれたからうまく演じることができたわ。
理想のタイプと真実の愛について
Q:リチャード・アッテンボロー監督と一緒に仕事をしていかがでしたか?
彼はとても素晴らしい人よ。どれだけ褒めても褒め足りないぐらい。彼は偉大な人だし、情にもろくて、とても愛すべき人。周りの人々にとって理想の父親像ね。
Q:本作はとてもドラマチックなラブ・ストーリーですが、自分はロマンチックな女性だと思いますか? また本作で演じたエセル・アンのような、真実の愛には出会えましたか?
わたしはとても幸運なことに、一回だけじゃなくすでにそれ以上、真実の愛を見つけることができたわ。でも、正直なところ、わたしは自分がロマンチックな人間だとは思わないの(笑)。でもボーイフレンドは、わたしのことをロマンチックだと思っているから、中間かしらね。
Q:どのようなタイプの男性が好みですか?
ええっと、そうね……。わたしのことを常に笑わせてくれたり、二人で冗談を言い合えたりするような、楽しい人がいいわ。面白いかどうかはとても重要ね。あと知性があって賢くて、人生の中に何か本当にやりたいことを見いだし、それに夢中になっている人かしら。
テレビ俳優から映画俳優へ
Q:世界にミーシャの名前を知らしめた「The OC」のマリッサ役を通じて、俳優として人として、学んだことはありますか?
間違いなくわたしは「The OC」の仕事を通じて、大きく成長することができたと思う。16歳のときにあのシリーズに参加して、20歳になるまでマリッサを演じ続けたわけだから。わたしの人生の中で、すごく重要な日々だったと思う。業界のいい面も悪い面も、いろんなことを知ることができたわ。テレビ業界での仕事はほかの仕事とはまったく異なるし、実際ばかみたいに長い時間働き過ぎていたこともあって、あの番組から卒業した後は、しばらくの間、労働意欲を失っていたの。
Q:テレビドラマと映画の仕事を比較すると、どちらがお好きですか?
そうね、もし自分のことを自在にうまくコントロールできるようになれば、テレビにも戻りたいと思う。でも今はまだ映画に対する情熱の方が強いわね。
Q:大人になると消えていく人気子役俳優が多い中、ここまで順調にキャリアを積み上げてこられた理由は何だと思いますか?
わからないわ(笑)。わたしはただ演技が大好きなだけなの。役者だけをやっているわけじゃないけど、演技をすると常に素の自分に引き戻してくれる。あまりこんなこと考えたことないけど、とにかく演技をしていると幸せな気持ちになれるの。
女優としての今後について
Q:ティーンエイジャーのアイコンとして大人気ですが、そのように偶像視されることについてどう思いますか?
とても光栄なことね(笑)。どうとらえていいのかわからないけど、とてもうれしいことだわ(笑)。テレビシリーズに出ていて最高にうれしかったことの一つは、ファン層のティーンエイジャーたちが番組を観続けてくれたことね。若い女の子たちが番組に夢中になってくれたのは本当に素晴らしいことよ。番組を欠かさず観てくれていた同年代の女の子たちと番組について話したことがあったんだけど、あれはすてきだったわ。
Q:女優としての今後の目標を教えてください。
女優としての具体的な目標はないわ。今後どうなっていくか、流れに身を任せてキャリアを探っていきたいと思う。テレビシリーズ「The OC」のときも、自分がテレビに出演できるだなんて思ってもみなかったのに、実現できたしね。女優としての目標を計画するのは、難しいことだわ。
Q:最後に、美ぼうを保つための秘けつを教えてもらえますか?
ええっと、秘けつはないわ(笑)。人生を愛し、幸せで有益な日々を過ごす。あとは適度にワークアウトすることかしら(笑)。
そのハスキーな声と落ち着いた雰囲気から、まだ22歳とは思えない堂々とした大人の風格を感じさせてくれたミーシャ。写真撮影では被写体としての自分を十二分に理解し、カメラを見つめる表情やしぐさがあまりにもキマっていて、モデルとしても世界の第一線で活躍する彼女の本領を垣間見ることができた。
『あの日の指輪を持つきみへ』は7月19日よりテアトルタイムズスクエアほかにて全国公開