『モンスターVSエイリアン』ベッキー 単独インタビュー
好きな人なら、モンスターになってもいい!
取材・文:シネマトゥデイ 写真:吉岡希鼓斗
映画『シュレック』シリーズでおなじみのドリームワークスによる、フルCGアニメ映画『モンスターVSエイリアン』。突然体が約15メートルもの大きさに巨大化してしまったヒロインのスーザンが、モンスター仲間と一緒に悪のエイリアンを倒していく物語。最新技術を駆使した3D版が今までとは一味違う奥行きのあるリアルな映像と話題だ。日本語吹き替え版で、スーザンの声を担当したベッキーが、本作に懸ける意気込みやヒロインと自分を重ねた上での恋愛観などを教えてくれた。
全身全霊を懸けてキャラクターに命を吹き込んだ
Q:以前も別の作品で、アニメの吹き替えをされていましたが、今回のスーザン役はいかがでしたか?
今回は、全身全霊を懸けて吹き替えをしました! もう、相当成り切りましたね。でも単に声を吹き込むだけじゃなくて、命を吹き込む感覚で挑みました。情熱も思いもすべてぶつけて、すっごく頑張りました! アフレコ中には、何度も壁にぶち当たって、かなりハードでしたが、そんな思いがあったからこそ、作品の仕上がりは大満足です! 自分が持っている表現力以上のものを、スタッフの方たちが引き出してくれたんだと思うので、感謝の気持ちでいっぱいです。
Q:具体的にはどんなシーンに力が入りましたか?
悲しみを表現するシーンなどは、かなりのエネルギーを使いました。わたしはスーザンのように15メートルになったことはないので、ちゃんと彼女の気持ちがわかるわけじゃないのですが、そこを理解しないと表現できないんですよね。声だけで表現するって、自分が思っている6分の1程度しか伝わらないんですよ。だからこそ、全身で熱を込めて表現しました。
Q:では、戦いのシーンも相当大変だったのでは?
戦っているテンションを、ずっと維持しているのが大変でしたね。例えば、呼吸って人それぞれ違いますが、出来上がっている絵の呼吸に合わせるのが難しかったです。でも、いかにその部分に自分をはめ込んでいくかという作業が、ある意味パズルゲームみたいで面白かったです。
Q:かなり思い入れのある作品のようですが、演じられたスーザンに共感する部分も多かったのでは?
ありますね。状況を判断して、自分の中に飲み込む冷静さっていうのは、「わかるなぁ~」ってすっごく共感しました。今回スーザンは突然、15メートルに巨大化してしまうじゃないですか? 最初は嫌だ嫌だって思うかもしれませんけど、もうそれはしょうがないことですよね。ならその状況をすんなり受け止めて、その上で何をしようかな? 何ができるかな? って考えるところは、結構自分に似ていると思いました。
自分に合う理想の男性とは? モンスターもあり?
Q:そんなスーザンの婚約者であるデレクは、かなり自己中心的な男性でしたね?
そうなんですよ。「うわぁ~、いるよなこういう人」って思いました(笑)。自分が好きじゃない状況は飲み込まないところとかあって、わたしだったらこの人とは結婚しないかもしれない(笑)。でも、お仕事を愛する気持ちとかはすてきで、そういう点は好きです。そういうキャラクターの性格まで、CGできちんと表現できちゃうんだってところに感動しましたね。
Q:スーザンは最初自分に自信のない女の子でしたが、スーパーパワーを持ったことによって、自分が何者なのか、何ができるのかに気が付きました。そんな彼女にはどんな男性が合うと思いますか?
そうですね……。「スーザンは自分のしたいことをしていいよ」って彼女の立場を尊重してくれる人がいいと思います。
Q:ベッキーさんもスーザンのようにパワフルな女性ですが、ご自身にはどんな男性が合うと思いますか?
わたしにですか!? 多分、「ベッキーは、自分のしたいようにしていいんだよ。自分の人生なんだから、自由に楽しみなよ」って言ってくれる人がいいですね!
Q:それがたとえモンスターでもいいですか? デレクはスーザンがモンスターだとわかったら離れていきましたが……。
好きになった人なら、全然いいですよ! それがネタになってバラエティー番組でいじられたら楽しいじゃないですか(笑)。わたしはプラス思考だから、結構大丈夫だと思いますよ。できればかっこいいモンスターがいいですね(笑)。
友だち候補ナンバーワンは、ノリのいいボブ!
Q:劇中には、かわいいモンスターがいっぱい登場しますよね?
そうなんですよ! 特にボブがお気に入りですね。一緒に遊ぶならボブで、癒されたいならムシザウルスがいいですね。ボブはハイテンションになってくれると思うので、一緒にカラオケに行ったら楽しそう! わたしは、わざとバラード曲をノリノリで歌うんですけど、ボブはそのノリについてきてくれそう。彼氏にもいいかもしれない……でも、もうちょっと頭がいい方がいいかも(笑)。
Q:本作は3D版があることでも話題ですが、ご覧になった感想は?
何か、時代の進歩が怖くなりました(笑)。本当にすごくリアルで、こんなところまで3Dなんだって感動しました。まるで、自分が映画の中に入ったみたいなんですよね。だから、映画を観終わった後に歩きながら、「今、自分が見ている風景が3Dなんだな。これをそのまま映画で表現できるってすごい」って思いました。特に冒頭の玉のシーンはすごかった! 実際、飛んでくるんじゃないかと思って、よけちゃいました(笑)。まずこのシーンで観客のハートをつかんじゃうと思います。
Q:最後に、これから映画を観る人たちメッセージをお願いします。
もうとにかく楽しいです! 参加できる映画という感じがするのと、映画の中で自分も一緒に遊んでいるような気になります。ワクワク、ドキドキ、ハッピーが止まらない映画なので、ぜひ大勢で観に来てもらいたいです。映画を観た帰り道、一緒に観た人と映画の感想で盛り上がること間違いなしです!
この日はジャケットにつなぎのパンツスタイルという、スーザン風のファッションで登場したベッキー。スーザンのように体が大きくなってしまったら? と聞くと、「話題になりそうだから、テレビの取材を受けたいですね。後、歩幅が大きいから、旅に行くのもいいですね。すぐ着いちゃう(笑)」と常にプラスに生かそうという姿勢に、ベッキーらしさを感じた。そんなベッキーが全身全霊を懸けたと熱くアピールした本作は、字幕版、吹き替え版、そして3D版が楽しめ、夏に大勢の人たちと一緒にワイワイと楽しみたい作品だ。
(C) 2009 DreamWorks Animation L.L.C
『モンスターVSエイリアン』は7月11日より新宿ピカデリーほかにて全国公開