『ごくせん THE MOVIE』仲間由紀恵 単独インタビュー
わたしにとって「ごくせん」はさまざまなことを学んだ学校でした
取材・文:阿部奈穂子 写真:高野広美
ジャージとメガネにお下げ髪のヤンクミがスクリーンに帰ってきた! この夏の話題作映画『ごくせん THE MOVIE』はテレビドラマ「ごくせん」のファイナルを飾る作品だ。仲間由紀恵演じる熱血教師・ヤンクミに最大の危機が訪れ、亀梨和也、小栗旬、成宮寛貴、速水もこみち、ら歴代の卒業生が大集結するという盛りだくさんの内容。ヤンクミの衣裳で登場した仲間に、本作に賭ける意気込みや7年間の思い出について話を聞いた。
ヤンクミがかつてない強大な敵と戦う!
Q:「ごくせん」の映画化の話を、お聞きになったのはいつごろですか?
第3シリーズが終わってから、映画化のうわさは聞いていたのですが、まさか実現するとは! 実際に撮影に入ってからは、今までテレビの画面で放映されていたものが、スクリーンの中でどんな風に「ごくせん」の世界が映し出されるのか、とても楽しみでした。
Q:映画の脚本を読んだ感想はどうでしたか?
テレビでは表現できなかったところまで切り込んだと思いました。映画ではヤンクミがかつて出会ったことのない強大な敵と対決します。そこまでは、なかなかテレビドラマでは描き切れるものではないですからね。
Q:冒頭、飛行機のハイジャックシーンから始まるというのはビックリしました。
そうですね。わたしも意外でした。映画を観ても、「これは本当に『ごくせん』なの?」という入り方をしていましたね。
運動神経は良くも悪くもない中の上
Q:本作の仲間さんのアクションシーンが、ドラマ以上に体のキレが良かったように感じます。特別な練習はしたのですか?
ヤンクミを演じる度に、この7年間殺陣は指導していただきましたので、殺陣の先生との呼吸など、今まで積み重ねてきたものがスクリーンに表れたのかもしれませんね。
Q:小さいころは琉球舞踊を習っていらっしゃったとか。それもアクションのキレの良さに影響しているのでは?
琉球舞踊は5歳から10年間くらい習っていました。殺陣とはまた違ってゆったりした踊りなので、あまり関係ないかもしれません。
Q:もともと、運動神経はいい方なのですか?
動くのが好きなので、運動神経は悪くないと思います。学生時代の体育の成績も、まあまあ良かったです。ずば抜けてというわけではないですけどね。運動会のリレーの選手に選ばれたり、選ばれなかったりという微妙な位置にいました(笑)。
緊張感を持って取り組んだ亀梨との共演
Q:本作では、亀梨さん演じる小田切竜が教育実習生として、ヤンクミの学校にやって来ますが、この役柄と設定は意外ですよね。
亀梨君と久しぶりに会えたのは、本当にうれしかったですね。亀梨君もこの役柄と設定を知って驚いていましたし、楽しみにしていたようです。
Q:亀梨さんとは撮影中、どんなお話をされたのですか?
「ごくせん」らしさを出すには、どうしたらいいかということを彼はすごく考えていて、それを1シーン1シーン、二人で相談しつつ、「僕はちょっとこういうことをやってみます」なんて言いながら撮影を続けました。今、振り返ると、緊張感を持って、いい感じでお芝居ができたと思っています。
Q:もしも、仲間さんが先生になるとしたら、何の教科を担当して、どんなタイプの先生になっていたでしょう?
個人的にはどちらかというと数学より国語の方が得意だったので、国語の先生なのかもしれませんね。人って何かのため、誰かのためと思うと強くなれたり、熱くなれたりすると思います。ヤンクミほどではないでしょうが、多少、熱いものを持って、生徒と向かい合う教師になっていたと思いますね。
気になるヤンクミの行方は?
Q:本作で「ごくせん」はファイナルということですが、ヤンクミは今後、どうなっていくのでしょうか?
うーん、どうなるのでしょうねえ。でも、今回の映画を観てくださった方には感じてもらえると思うのですが、これからもやはり、いい生徒たちに囲まれて、熱血教師を続けていくのではないかと思いますね。
Q:ズバリ、仲間さんにとって「ごくせん」とは?
わたし自身にとって、学校みたいな場所だったと思います。7年の間にいろいろなことを勉強させてもらいましたから。ただ受け身なだけでなく、自分からきちんと何かを発信しなければいけないことを教えていただきましたし、それを実践する場でもありました。いろいろなことを体験してきた現場だったと思います。
Q:最後に読者の方にメッセージをお願いします。
7年の間、大切に作り上げてきた本シリーズの集大成ともいえる作品です。今までのテレビシリーズを応援してくださっていた方はもちろん、大勢の方にこの映画を観て楽しんでいただければと思います。
「ごくせん」スタイルでさっそうと取材会場に姿を現した仲間。とにかく立ち姿がキマッていて、同性でもほれぼれするほどかっこいい。インタビューでは一語一語かみしめるように、7年間、取り組んできた「ごくせん」への思いを話してくれた。仲間が今までの集大成として全力で演じたヤンクミの最後の勇姿を、ぜひ劇場の大スクリーンで観てほしい。
(C) 2009「ごくせん THE MOVIE」製作委員会
『ごくせんTHE MOVIE』は7月11日より全国東宝系にて全国公開