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『半分の月がのぼる空』忽那汐里、大泉洋 単独インタビュー

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『半分の月がのぼる空』忽那汐里、大泉洋 単独インタビュー

「ずっと」とは、その人が運命を努力して受け入れていくことかな

取材・文:鴇田崇 写真:尾藤能暢

累計140万部を突破した橋本紡の人気恋愛小説の原作を、『狼少女』『60歳のラブレター』などの深川栄洋監督が映像化した『半分の月がのぼる空』。三重県・伊勢市の全面協力で実現したオールロケによる映像美とともに、前向きに生きようとする人々の心の成長を描く本作に、第50代ポッキー・プリンセスの忽那汐里と、人気俳優の大泉洋が出演した。深い感動を呼ぶストーリーをはじめ、爆笑の共演エピソードまで、さまざまなテーマを本音トーク全開で語ってくれた。

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ムードメーカーの大泉、シリアスなのに撮影現場を台無しに!?

忽那汐里、大泉洋

Q:お二人は今回の『半分の月がのぼる空』の撮影で、初めてお会いになったそうですね。

大泉:そうですね。最初はもっとキャピキャピしている感じで、年の離れためいっ子をあやすような感じになるのかなと思っていました(笑)。そうではなくて、どっしりと落ち着いている反面、どこか天然不思議少女のにおいがする子だなと思いましたね(笑)。

忽那:大泉さんとの撮影はそれほどなかったのですが、そのほかのシーンでは緊張感が漂っていて、割と厳粛な、いい意味で重みを感じる現場でした。大泉さんとの撮影でも、そういうことがないわけではなかったのですが、大泉さんが現場に持ち込まれる雰囲気は、現場の雰囲気を変えるものがありました。大泉さんの周りには、常にたくさんの人が集まっているんです。楽しい現場にしていただきました。

Q:ムードメーカーとしての本領を発揮してしまったと(笑)。

大泉:おかしいじゃないですか。まるでシリアスな空気を僕が台無しにしている感じですよね(笑)。

忽那:そういう意味じゃないですよ(笑)! もちろん大泉さんもシリアスなシーンではシリアスでしたよ。和ませていただきました。

Q:当初、大泉さんは純愛映画に出るということで、喜ばれたそうですね。

大泉:マネージャーから、「やりましたよ、大泉さん! ついに純愛映画ですよ!」という切り出し方をされたので、そうか、ついにラブロマンス的な映画がきたかと。どんな恋愛をやるのか楽しみにしていましたが、フタを開けたら純愛をしていたのは若い二人でね(笑)。僕じゃないのかと、マネージャーにぼやいたという経緯がありましたけどね(笑)。

Q:そもそも、純愛映画に出たい願望があったのですか?

大泉:願望ありましたねえ。シリアスな役は経験がありましたが、純愛はなかったもんで。やはり「東京ラブストーリー」みたいなのを一回やってみたいじゃないですか(笑)。そう思って脚本を読み出したものですから、あれれ? もう子どもがいるぞ、と(笑)。でも、若い二人のお芝居を観て、確かに36歳の僕にできるものではないと思いましたけどね(笑)。撮影現場でスターをいち早く見つけた気分でいましたよ。そういううれしさはありましたね。

忽那:そう言っていただけてうれしいです。わたしは、撮影中は頭の中がパンパンでした。三重県でのロケで、帰る場所もホテルですし、自分の普段の生活を離れて1か月弱、みっちりと撮影が行なわれたので、どのシーンも本番直前までものすごく緊張しました。でも、貴重な体験ができましたし、この映画が女優としてのスタート地点になったような気がします。

海外生活が長かった忽那の、トンデモ日本語に大爆笑!

忽那汐里、大泉洋

Q:忽那さんは、日本でデビューする前はオーストラリアで暮らしていたそうですね。

忽那:はい。

大泉:日本に来て何年ぐらいなの?

忽那:ちょうど3年目ぐらいです。14年間海外で生活していました。長いですよね(笑)。

大泉:撮影当時は、今みたいにしゃべっていなかったもんね。

忽那:家では、たまに日本語で会話したりしていましたけどね。まだおかしいと思います(笑)。

大泉:いや、全然おかしくはないよ。

忽那:言葉の使い方が間違っているとよく言われます(笑)。

Q:会話にまつわる最近の失敗エピソードは?

忽那:友達と一緒にご飯を食べて、そのときに友達が「また近々遊びたい」とメールをくれたんです。それに対して「そうだね。近ごろね」と送ってしまったんです……。

大泉:(爆笑)!

忽那:そんなに笑いますか? 実は今でもよくわかっていないのですが……。

大泉:面白いねえ、微妙なマチガイが。「近ごろ遊びたい」というと、最近のわたしは遊びたくて仕方がないと言っているようで、違う文章になっちゃうからねえ(笑)。

忽那:そうなんですね。

大泉:似たようで違うわけですよ。いやあ、撮影中を思い出しますね。

映画に込められたメッセージ「ずっと」とは? 二人が愛について思うこと

忽那汐里、大泉洋

Q:メガホンを取った深川監督は、『狼少女』や『60歳のラブレター』など、良質な映画を生み出す監督として評価が高いですよね。

大泉:僕よりも若いのに、こまやかな人間の心情、人間の気持ちの移ろいを俳優に伝え、また俳優から引き出すことが上手な方です。いつも穏やかで、演技を決して押し付けず、無理なく演じさせてくれる。そして、話し合ってくれる。僕からもアイデアを出して話し合いを重ねて、相談しながら役をつくらせてくれて、演じやすい環境を整えてくれる。すごい監督だなと思いましたよ。

忽那:今まで会ったことがないタイプの監督でした。日本語が上手ではなかったわたしには、信頼感だけが頼りでしたし、コミュニケーションを常に取ってくれました。演出は果てしなく細かいなと思いましたが(笑)、わたしが考えていることや不安な気持ちを敏感に感じ取ってくださっていて、そういうときに改めてシーンの説明をしてくれて、乗り切ることができたと思います。

Q:「あなたにとって『ずっと』って何ですか?」というキャッチコピーですが、お二人にとっての「ずっと」とは?

忽那:難しいですね。

大泉:難しいよね~。

忽那:それはこの映画のテーマなので、今日までずっと考えていました。わたしの場合、自分の「ずっと」がまだ見つからないんです。今の自分にとって大切なもの、原点は家族ですが、今の家族が「ずっと」じゃないと思うと、わからなくなります。……かかわる人すべて、かな。そういう方々がいないと、生きていけないと思うんです。

大泉:「ずっと」ということは、永遠。運命みたいなことでしょうか。生きている間中、ずっと追い続け、引っ張り続けることがあるならば、初めからそういう運命もあったような気がしますね。たとえば、誰かをずっと愛し続けることはすごくエネルギーがいることですし、何か過去の過ちをずっと引きずってしまうこともエネルギーがいることですよね。その人が、その人の運命を努力して受け入れていくことかな。いいことならそれでいいし、悪いことなら受け入れるしかないですけど。

忽那:難しいですよね。学校でもずっと考えてしまって……。

大泉:フレーズとしては最高にいいけどね。考えることじゃないかもしれない。

忽那:あっさりしていますね(笑)。

大泉:いい言葉だけどね(笑)。映画を観た人に感じていただければいいと思います。


忽那汐里、大泉洋

本作の撮影後の打ち上げ以来、久々の再会を果たしたという大泉と忽那。が、半年以上のブランクを感じさせないほどのコンビネーションで取材に応じてくれた。忽那のてきぱきとした回答に、インタビュー慣れしている先輩俳優の大泉も感心しきりで、短期間に成長してしまう若いパワーに圧倒される一幕も! 大泉自身のシリアスな静の演技も見ものだが、大泉が次世代の大スターと絶賛する、忽那や池松のフレッシュな好演を観に、映画館へ足を運んではいかがだろうか。

大泉洋スタイリスト:小林洋治郎(Yolken) ヘアメイク:白石義人(e.a.t)
忽那汐里スタイリスト:櫻井まさえ(ブロッサム) ヘアメイク:大橋 覚(VANESSA+embrasse)

衣裳協力(大泉洋)
シャツ/アドナスト
VネックTシャツ/ドクターデニム
チェックパンツ/シカタ

映画『半分の月がのぼる空』は4月3日よりシネセゾン渋谷、池袋テアトルダイヤほかにて全国公開

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