『ラブコメ』香里奈、北乃きい 単独インタビュー
幸せを見つけたときの笑顔に、きっとキュンとなる
取材・文:シネマトゥデイ 写真:尾藤能暢
男勝りな花屋の店長と、彼女を小学生のころから思い続けていた青年とのピュアな恋愛を、映画『ROOKIES -卒業-』の平川雄一朗監督がコメディータッチに描いた映画『ラブコメ』。ヨリを戻したばかりの元カレと、久しぶりに再会した同級生との間で、揺れ動く乙女心を繊細な演技で表現した主演の香里奈。また、花屋のアルバイトをしながら夜はキャバクラで働く涼子を北乃きいが元気いっぱいに演じている。恋する乙女を演じた香里奈と北乃に、本作の魅力をたっぷりと語ってもらった。
きいちゃんにエネルギーをもらっていました!(香里奈)
Q:ラブコメって、日本じゃかなり珍しいジャンルですよね?
香里奈:そうですよね。わたしもラブコメって好きなジャンルなんです。わたしが演じた真紀恵という女性は、はっきりした性格なので、演じていても気持ち良くて楽しかったです。
北乃:ラブコメって女の子は好きなんですよね。最初に脚本を読んだときに、すごくかわいいお話だなって思いました。演じさせていただいた涼子のキャラクターもかわいい女の子だったので、楽しく演じることができました。
Q:お二人は初共演だったそうですが、お互いの印象はいかがですか?
香里奈:きいちゃんは役柄的にもそうだったんですけど、すごくキャピキャピしていて(笑)、若さがあふれていました。現場ではきいちゃんに、いつもエネルギーをもらっていました。
北乃:香里奈さんは、もともとのイメージもそうだったんですけど、実際にお会いしたら、良い意味で、思っていたよりももっとサバサバしていて、男っぽい方でした。でも、この前初めてモデルのお仕事をしている香里奈さんを見たときに、現場とはまた違った顔をしていてすごい! って思いました!
香里奈:見てたんだ!
北乃:はい! 本当にたくさんの表情を持っている方だと思います。芯が強くて、でもすごく優しいんですよ! わたしのことをあだ名で呼んでくれるし!
Q:あだ名って?
北乃:本名なんです(笑)。「本名なんていうの?」って香里奈さんに聞かれて、「じゃあ●●ちゃんね!」って(笑)。そういうことが初めてだったので、フレンドリーですごくうれしかったんです!
自然にテンションが上がりました! (北乃)
Q:香里奈さんはとても男勝りなイメージの役でしたが、特に意識して演じた部分はありましたか?
香里奈:いろいろなシーンで、真紀恵は思い切りがいいんですね。思いっ切り笑ったり、思いっ切り泣いたり。そういう思い切りの良さを意識して演じていました。
Q:あの役を演じていて、普段の生活でも男っぽいしゃべり方になることはありませんでしたか?
香里奈:ちょっとだけ、あったかもしれないですね。でも気を付けるようにしていました(笑)。
Q:実際の香里奈さんには、真紀恵のように男っぽい部分はあるんですか?
香里奈:どうなんでしょう(笑)。でも、趣味もあんまり女の子らしくなくて、家電屋巡りやゲームが好きだったりするので、男の子っぽいといえばそうなのかもしれないですね(笑)。
北乃:ゲームが好きだったんですか? 知らなかった!
香里奈:現場では、やらないからね(笑)。
北乃:皆、香里奈さんには女の子らしいイメージがあると思うんですけど、本当にギャップがあるんですよね。お顔とのギャップが……。
香里奈:お顔とのって(笑)!
Q:北乃さんの涼子というキャラクターは、とても元気な女の子でしたね!
北乃:今まで演じてきた中で、一番ハイテンションな役だったのでどうしようって思っていたんですけど、共演の渡部さんも同じようなテンションだったので、渡部さんと一緒にいれば自然にテンションが上がりました!
草食男子って、本当にいるのかな? (香里奈)
Q:美晴役の田中圭さんと香里奈さんは、もう何度も共演されていますよね?
香里奈:そうなんですよ。しかも毎回、圭くんがわたしに片思いをしている役で(笑)。「オレ、毎回振られるんだよ」って言っていて……。
北乃:あ~! 言っていましたね! 「毎回、実らないんだよ」って(笑)。
Q:美晴は、小学生のころから好きだった初恋の相手、真紀恵のことをずっと思っていました。お二人は初恋って覚えていますか?
北乃:小学校のときの好きな人って……。
香里奈&北乃:いなかった(笑)。
北乃:なんかそういう気持ち、あんまりなかったですよね。
香里奈:うん。男も女もなくって、秘密基地作って遊んでいました(笑)。
Q:美晴の恋する男子っぷりもかわいかったですが、お二人にはどう映りましたか?
香里奈:ああいう男の子って、今まで出会ったことなかったんです。だから、草食男子って呼ばれる人って、本当にいるのかなって思って(笑)。
北乃:わたしも出会ったことないです! あんなに純粋な男の子、本当にいるんですかね……。
香里奈:いたら、会ってみたいよね(笑)。
いろんな方に『ラブコメ』の恋を楽しんでもらいたい!(北乃)
Q:お二人は、本作のどういうところに共感しましたか?
香里奈:やっぱり真紀恵ですね。普段は強気だけど、恋をしているときは女の子らしい一面をふっと見せたり、つらいときはワンワン泣いて弱いところもあるんですよね。そういう人間らしいところがすてきだなって思いました。
北乃:わたしも、涼子より真紀恵に感情移入しちゃうんですよね。なんか似ているのかもしれないんですけど、真紀恵の気持ちがわかっちゃって(笑)。
Q:真紀恵が二人の男性の間で揺れる姿は、すごく共感できました。
北乃:女の子なら、ありますよね? 楽しくてラクなのはこっち。でもドキドキするのはこっち! みたいな。そういうところはきっと女の子は共感できると思います。
香里奈:やっぱり二人の男性の間で揺れて、本当の幸せを見つけるまでの過程は共感しますよね。女の子って、ああいうふうに迷うことがあると思うんです。
Q:毛布をかぶって落ち込んじゃうシーンも、女の子なら経験したことがありますよね!
香里奈:わたしが落ち込むときは、真紀恵どころじゃないんですよね。もうとことん落ち込んで、動かなくなる! でもしばらくすると、落ち込むことに飽きてきて、カラオケ行ったり、女友達と遊びに行きます。
北乃:わたしも、落ち込んだときは、悲しい歌ばっかりかけてとにかく落ちるので、毛布をかぶる気持ちがわかります(笑)。
Q:最後に、観客の皆さんにオススメの胸キュンポイントを教えていただけますか?
香里奈:おとなしい美晴が、急に男っぽい部分を見せるシーンはドキドキすると思います。やっぱり、真紀恵と美晴の恋ってすごくピュアなんですよね。たくさんの女性が観て、「こういう恋がしたい!」って思ってくれるとうれしいです。
北乃:真紀恵と美晴が、年の割にはすごく若くてかわいい恋をしているので……。
香里奈:年の割にはって!
北乃:違うんです(笑)! 最後に自分の幸せを見つけたときの真紀恵の笑顔にはたくさんの幸せがあふれていて、きっとキュンとなると思います! いろんな方に『ラブコメ』の恋を楽しんでもらいたいです。
しっかり者の香里奈と、ふんわりとした北乃のコンビは、まるで映画からそのまま抜け出したような、姉妹のような仲の良さだった。写真撮影のときも、ソロの写真を撮っているときは、お互いをうちわであおいだり、はしゃいでいる姿がとても印象的だった。映画を語りながら、「ああいう気持ち、わかるよね!」とガールズトークで盛り上がる彼女たちを見れば、この作品がたくさんの女性に共感されることは一目瞭然(りょうぜん)! 彼氏や女友達、身近な人と一緒に、鑑賞後のラブコメトークに花を咲かせてもらいたい。
『ラブコメ』は9月25日より全国公開