映画『怪盗グルーの月泥棒 3D』笑福亭鶴瓶、芦田愛菜 単独インタビュー
似てるって、毛のこととちゃうやろな?
取材・文:鴇田崇 写真:吉岡希鼓斗
『アイス・エイジ』のスタッフが手掛けた映画『怪盗グルーの月泥棒 3D』は、世界ナンバーワン怪盗団を自認する怪盗グルーと仲間のミニオンたちが、月を盗み出す無謀な大作戦を実行しようとする3Dアニメーション。その日本語吹き替え版で、史上最悪の悪者を目指す怪盗グルーを、映画俳優としての評価も高い笑福亭鶴瓶が好演。ひょんなことからグルーに引き取られる3姉妹の末っ子アグネスには、天才子役の芦田愛菜が抜てきされた。今回、初共演となった二人に、アフレコやワールドプレミアに参加した感想などを聞いた。
大熱狂のワールドプレミア!強行スケジュールで鶴瓶ダウン!?
Q:ハリウッド映画の日本語吹き替えは初挑戦となりましたね!
鶴瓶:そうなんです。ハリウッドに行きたいと前から冗談で言っていて、そしたら話がきた。アニメやったら日本語でしゃべれるし、余計にいいなあと。レッドカーペットがあると聞いていたのに(ワールドプレミアが開かれたロサンゼルスに)行ったらイエローカーペットやった(笑)。なあ?
芦田:はい(笑)! でもふわふわでした!
Q:その6月のワールドプレミアでは、大熱狂で迎えられたそうですね。
鶴瓶:せやけど、1時間ぐらい前は人がまったく集まっていなかったんですよ。そしたらみるみるうちに集まってきてびっくりしたわ。愛菜ちゃんは、初めての海外やったんやな? 初めてで1泊3日はしんどくなかった?
芦田:はい。
鶴瓶:おれは次の日倒れたよ。倒れたというか風呂から出てきて転んだよ。ほんまにしんどかったのよ。寝てなくてフラフラしてしまって。愛菜ちゃんは、向こうで6歳になったんよな?
芦田:大きなケーキをもらいました!
鶴瓶:おっちゃん、愛菜ちゃんのために必死にケーキ探したがな(笑)。
末はAKB48か少女時代!?芦田のキュートなアフレコ&歌声に鶴瓶大感激!
Q:お二人の声がキャラクターにマッチしていたと思いますが、アフレコはいかがでしたか?
鶴瓶:もうつらかったですよ。初日なんてどうしていいのかわからなかったもん。初日は何とか終わって、でもやりきった感がなかった。2日目も納得がいかず、3日目にようやく(笑)。せりふは流れじゃないですか。でも人間の間じゃないから待ってくれへん。言い合いじゃないからどんどん行くでしょ。でも愛菜ちゃんはうまいですよ。
芦田:いえいえ(笑)。わたしは、朝にちょっと練習したくらいで、そのまま収録でした。
鶴瓶:どないなってんねん。こんなかわいくてこんなに小さくて。まだ生きて6年やで。(横にいた編集者に)おまえ大丈夫か? 何年生きてんねん。この子はすごいよ。
芦田:いえいえ。とんでもないです。うれしいです!
鶴瓶:とんでもないですって言いはるけど、とんでもないよ、アンタ(笑)。皆びっくりしてるよ。
Q:愛菜ちゃんは今回、普通のアフレコだけでなく、歌も歌っていましたね!
芦田:はい! ユニコーンが大好き! ユニコーンが大好き! ユニコーンが大好き!(歌う芦田)
鶴瓶:かわいいなあ。かわいいよな。(記者に)歌ってみ? (歌う記者「ユニコーンが大好き! ユニコーンが大好き!」を止めて)アカン! ぶっさいくや。愛菜ちゃん、ちょっとやって。愛菜ちゃん歌ったら、もう幸せになるわ。
芦田:ユニコーンが大好き! ユニコーンが大好き! ユニコーンが大好き!(もう一度歌う芦田)
鶴瓶:愛菜ちゃん、AKB48に入ったら? すぐトップなるよ。大島(優子)抜いて。前田敦子も抜かすよ。芦田愛菜、1位なるよ。それか少女時代かどっちかやな。投票するで。
怪盗グルーの性格は意外にまじめ!?グルー似の鶴瓶、役づくりの苦労を激白!
Q:本作のジェットコースターのシーンは臨場感があって楽しいですね!
芦田:本当だったら、身長が足りなくてジェットコースターには乗れないんです。でも、この映画でジェットコースターに乗っている気分になれたので、すごく楽しかったです!
鶴瓶:乗ったことないのか。初めて?
芦田:ああいうのは身長が足りなくて乗れないんですけど、もうちょっと短いジェットコースターには乗ったことがあります。
鶴瓶:怖かった?
芦田:はい。きゃーっ! って感じでした(笑)。
鶴瓶:おれはアカンわ。苦手も何も吐きそうになるわ。
芦田:グルーみたいだ!
鶴瓶:そや。ホンマにそうなるで。
Q:鶴瓶さんが演じたグルーですが、大泥棒するために資金を融資してもらいに銀行にプレゼンに行くなど、怪盗なのにまじめでしたね。
鶴瓶:グルーを演じるには、最初に冷たく入らないとダメだったんです。初めは自分の言うことを聞かすためにアグネスたちのわがままを聞いているんですが、だんだんまじめさが出てしまう。質問と違うかもしれへんけど、それが難しかったですね。
Q:愛菜ちゃんはアグネスをどんな女の子だと思って演じていましたか?
芦田:すごく元気な女の子だと思いました。いつも元気いっぱいな感じです!
鶴瓶:愛菜ちゃんみたいやな。
芦田:はい! 自分でも似ていると思います。
鶴瓶:アンタはすごいな。この質問に答えていることもすごいしやな。6年しか生きてないねんで。(横にいた編集者に)おまえは何年生きてるんや?
もし愛菜ちゃんがコンサートを開いたら、一人2,000円ぐらい取らないとアカン!
Q:お二人は初めての共演だったんですよね?
鶴瓶:そうそう。それに僕はドラマを観てなかったんですよ。周りの全員が「Mother」のあの子に泣かされた、芦田愛菜はすごい言うてて、何のことかわからへんかったけれど、会うてわかったわ。君、すごいことになるよ。
芦田:鶴瓶さんはすごくグルーに似ていると思いました。本当にグルーの格好をしたら、あっ! て驚くかもしれないです。
鶴瓶:似てるって、毛のこととちゃうやろな?
芦田:うふふふ(笑)。
Q:愛菜ちゃんは今回、歌声も披露していましたが、歌手も含めて将来の夢は何ですか?
芦田:将来はいろいろな役を演じられる女優さんになりたいです。歌は、自分で作った歌をおうちで歌ったりしているんです。
鶴瓶:え!? もう自分で作詞作曲しているの?
芦田:前は「コンサート開きまーす!」みたいな感じでおうちで歌っていました。
鶴瓶:そりゃ行きたいわ。チケット買うわ。ナンボで売るの?
芦田:タダです。
鶴瓶:皆集めて、一人2,000円ぐらい取らな(笑)。
Q:最後にお二人から映画を待っているファンの皆さんにメッセージをお願いします。
鶴瓶:3Dというものを観たことがない人は、ぜひ『怪盗グルーの月泥棒 3D』、ここから入るべきですね。3Dはこういうものなんやということがすぐにわかるし、話もいいし、泣けます。愛菜ちゃんは泣いた? おっちゃん、うまかった?
芦田:はい。上手だったと思います!
鶴瓶:(芦田のまねをして)いやいや、そんな(笑)。ぜんぜんダメですわ(笑)。
芦田:ミニオンは全員同じように見えるけど、実はいろいろな子がいるからぜひ探してみてください。それとジェットコースターのシーンは、映画館でキャーって言いながら観てください。
鶴瓶:愛菜ちゃんは同じこと言わへん。バラエティーに富んでる! わずか6歳やで。(横にいた編集者に)おまえいくつや? 家帰って反省や(笑)。
取材場所にいた関係者を巻き込みながらインタビューを進め、自分のスタイルを貫く鶴瓶と、それを愛くるしい笑顔で楽しげに見つめていた芦田。マイペースな性格のグルーと、ピュアな3姉妹の末っ子アグネスそのままの関係が、目の前で再現されたような贅沢(ぜいたく)な空間だった。『怪盗グルーの月泥棒 3D』は大熱狂で迎えられたワールドプレミア以降、全米で大ヒットを飛ばしている。大迫力のアトラクション3D映像や、泣けるストーリーに期待が高まる注目作だ。特にグルーとアグネスの関係が深化していくシーンは必見なので、日本語吹き替え版でじっくりと奇跡を堪能(たんのう)してはいかがだろうか。
(C) 2010 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
映画『怪盗グルーの月泥棒 3D』は10月29日より全国公開