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映画『バトル・ロワイアル3D』栗山千明 単独インタビュー

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映画『バトル・ロワイアル3D』栗山千明 単独インタビュー

この作品がなかったら、女優を続けていなかったかもしれない

取材・文:斉藤由紀子 写真:櫻井健司

中学校のクラスメートたちが殺し合うという過激な内容と、深作欣二監督ならではの超絶アクションが話題となり、社会現象を巻き起こした伝説のバイオレンス映画『バトル・ロワイアル』が、最先端技術で3D映画に生まれ変わった! 男子生徒と死闘を繰り広げる女子中学生・千草貴子役で注目され、個性派女優として大きな飛躍を遂げた栗山千明が、10年ぶりによみがえった本作について、思いの丈を打ち明けた。

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銃弾が目の前に飛び交う体感型3Dバイオレンス!

栗山千明

Q:本作が10年ぶりに3D映画として上映されると聞いたときのお気持ちは?

10年も前の作品だし、当時は3Dとして撮影したわけではないので、最初はびっくりしましたけど、どこがどう変わるのだろう? とワクワクしました。この間、3D版の予告編を観させていただいたのですが、血しぶきや銃弾が目の前に飛んできて、より体感型のバイオレンス映画になったと思います。

Q:10年前と比べて、作品から受ける印象に変化はありましたか?

10年前はお芝居の経験が浅かったので、あまり客観的に観られなかったんですけど、今観ると「若かったなあ」と思いますね。自分の演技も見た目も、若さがこそばゆい(笑)。だから、皆さんに観てもらいたい気持ちと、恥ずかしい気持ちが両方あります。

Q:公開当時は、「青少年に悪影響を与える」と国会で論議され、R-15指定になった本作ですが、栗山さんご自身はどう感じていたのでしょうか?

バトルを強制された生徒たちが、いろいろな行動をとったように、観る人もいろいろな受け止め方をするのだなと思いました。バイオレンスを問題視し、論議する人もいれば、わたしのように観るのも演じるのも好きな人もいる。それだけセンセーショナルな映画だったということですよね。あの論議は、ニュースでも取り上げられて、より多くの方に作品を知ってもらえたから、むしろ、「話題にしてくれてありがとう!」という感じでした(笑)。

Q:とはいえ、過激なセリフやアクションがある千草役は、当時の栗山さんにとってかなりの挑戦だったのでは?

挑戦ではありましたが、演じていて気持ちが良かったです(笑)。千草は一見クールだけど、最期の瞬間に恋愛のことを考えたり、神様に祈ったり、すごくピュアな女の子なんですよね。ピュアだから相手に求める理想も高くなってしまって、毒を吐いてしまう。そんな千草の過激なセリフには抵抗がなかったし、「オリャアー!」って思いっきり叫ぶのは快感でした(笑)。

生徒役のみんなと同窓会をしたい!

栗山千明

Q:藤原竜也さんをはじめ、柴咲コウさん、塚本高史さん、高岡蒼甫さんなどが生徒役で出演していて、改めて観るとすごい豪華キャストですよね。

皆さん、あのころはいい意味で普通でした(笑)。待ち時間があると、生徒役のみんなで大縄跳びやバスケをやったりして、今では考えられないような若さで遊んでいましたね。年齢的にも近かったので、本当に同級生のような感じでした。

Q:そんな皆さんとは、今でも同志のような感覚があるのでは?

ありますね。2年くらい前に高岡くんやコウちゃんと会ったときも、「バトルの同窓会がしたいね!」って話していたんです。塚本くんとは、あの後も何度か共演しているんですけど、よく知らないキャストの方たちの中に塚本くんがいてくれると、なんだか安心するんです。現場だけじゃなくて、テレビや映画でみんなを見かけると、「頑張っているなー」って自然に思います。一つの作品を一緒につくった仲間という気持ちが大きいですね。

Q:教師キタノを演じたビートたけしさんには、どんな印象を持ちましたか?

たけしさんは、撮影の合間にギャグを言って楽しいムードをつくってくださったんですけど、現場ではなんとも言えないイヤな雰囲気を出されていて、お芝居なのにイラッとしました(笑)。教室に閉じ込められているとき、千草が「先生、トイレに行っていいですか?」と反抗的に言うんですけど、台本を読んだときはちょっと唐突なセリフだなと思ったのに、本番では本当にイラッとしたので、すごく言いやすかったです(笑)。

Q:深作欣二監督から学んだことも大きいのではないですか?

そうですね。深作監督は、出演者が負けてはいられないと思うくらいパワフルな方で、とても刺激を受けました。それに、監督から千草の役をいただく前は、感情の起伏がない役が多かったのですが、この作品で初めて人間味のある役を演じて、本格的なアクションを経験させてもらったんです。その「静」と「動」の振り幅があるからこそ、今、いろいろな役をやりたいと思えるんですよね。本当に、いろいろと学ばせてもらいました。

もしもバトルに巻き込まれたら……怖すぎて動けない!?

栗山千明

Q:ところで、栗山さんご自身は千草のようなアクティブ派ではなく、インドア派なのだそうですね。

そうなんです! お休みの日も家にいることが多くて、マンガ、アニメ、ゲームにはまっています(笑)。だから、千草役に決まったときはちょっと意外でしたね。どちらかというと、銃を乱射する生徒に撃たれちゃう一人、みたいなタイプなので(笑)。

Q:もしも栗山さんがバトルに巻き込まれたら、千草とはまったく違う行動をとるんでしょうね(笑)。

もう、怖くてジーッとしていると思います(笑)。その場所から移動することもできずに、そのままタイムアップになって首輪がバーン! ああ、怖い(笑)!

Q:本作の生徒たちは、最期を迎える前に好きな人へ気持ちを伝えようとしますが、栗山さんもそうすると思いますか?

どうなんですかね? その人との関係性にもよりますよね。千草のように、自分の好きな人がほかの女の子を好きだとわかっていたら言えないかも。告白したら自分はスッキリすると思うけど、言われた相手には負担になってしまうじゃないですか。両思いかもしれない相手だったら、思い切って言えちゃうかもしれないけど、もともと自分から告白できるタイプではないし、三角関係の相手だったら絶対に言えないです(笑)。

『バトル・ロワイアル』があったから、今の自分がある

栗山千明

Q:栗山さんにとって本作は、映画『キル・ビル』への出演につながるなど、女優としてのキャリアを語る上で欠かせない作品ですよね。

そうですね。『キル・ビル』が代表作として挙げられることが多いのですが、わたしは、深作監督の『バトル・ロワイアル』があって、今があるという感覚です。逆に言うと、この作品がなかったら、女優を続けていなかったかもしれないと思うくらい大切な作品です。

Q:海外でも絶大な人気を誇る本作が、こんなにも支持される理由はどこにあると思いますか?

アクションや内容のインパクトはもちろんですけど、登場人物それぞれの心情がきちんと描かれているし、今を大事に生きようというメッセージも込められていて、単なるバイオレンスではないところが魅力なんですよね。きれい事だけを並べて「命って大切なんだよ!」と伝えるよりも、もっと強く訴えるものがあるような気がします。

Q:最後に、3D版ならではの注目ポイントを教えてください。

やっぱり、灯台で女の子同士が撃ち合うシーンは必見ですよね。千草が持っていたバタフライナイフも飛び出すみたいなので、楽しみにしてほしいです。オリジナル版を観たことがある方にも、10年前とは違った面白さを体感してもらえると思います。ハラハラドキドキの興奮を味わってください!


栗山千明

近寄りがたいほどの美ぼうと、「アニメやゲームが大好き!」という萌え要素とのギャップがなんとも魅力的な栗山。スチール撮影では鼻歌を口ずさみながらカメラの前に立ち、屈託のない笑顔で周囲をなごませてくれた。そんな栗山の女優としての才能をいち早く見抜き、強烈な個性を引き出した深作監督に改めて敬意を表したい。クエンティン・タランティーノほか、世界のトップクリエイターたちに影響を与えたジャパニーズ・バイオレンスの衝撃を、3Dの臨場感と共に体感してほしい!

(C) 2010「BR3D」製作委員会

映画『バトル・ロワイアル3D』は11月20日より全国公開

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