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『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』林遣都&桐谷美玲&山田孝之 単独インタビュー

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『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』林遣都&桐谷美玲&山田孝之 単独インタビュー

震災後、「一致団結して完成させよう」と気持ちを一つに

取材・文:南樹里 写真:奥山智明

人気漫画家・中村光の漫画を基に、荒川河川敷で生活する一風変わった住人らの人間関係に焦点を合わせ、実写化した映画『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』。同作は、映画『彩恋 SAI-REN』の飯塚健監督が、独特な世界観をオリジナルストーリーで描く人間ドラマが魅力だ。主人公のリクこと大財閥・市ノ宮グループの御曹司・市ノ宮行役の林遣都、自称金星人の美少女・ニノ役の桐谷美玲、そして星型マスクをかぶったロックミュージシャンの星にふんした山田孝之の3人がそろい、作品にまつわる本音トークを繰り広げた。

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独特の世界観を生かし、希望を与えて笑顔にする作品に!

林遣都&桐谷美玲&山田孝之

Q:原作の「荒川アンダー ザ ブリッジ」は独特の世界観が支持される作品ですが、実際に体験されてみていかがでしたか?

林遣都(以下、林):待望だったコメディー要素を含む内容なので撮影を楽しみました。僕が完成作を観たのは10月中旬で、観た人に希望を与えて笑顔にする作品に仕上がったと思います! 鑑賞後は気持ちがフワッとして「終わったー」という安心感と同時に自分は夢みたいな世界にいたなぁとしみじみしちゃいました。

桐谷美玲(以下、桐谷):原作が人気なのでプレッシャーをかなり感じていました。撮影前には役柄をつかむためにジャージと上履き姿で生活をしたり、髪の色を3回ぐらい染め直したりして、飯塚監督と話し合いながら作り上げたキャラクターです。撮影現場は最初から和気あいあいとして本当の家族みたいだったので、自然とニノの気持ちになれました。

山田孝之(以下、山田):いい意味で精神的に強い人々が集まった無法地帯という世界観で、なかなか普段やらないような芝居とか演出とか独特なものが結構ありました。それは飯塚監督ならではの世界観やテンポを含めていえることです。ドラマ版と映画版を同時に撮影したのでスケジュールがタイトで、急いで撮るためにカメラ1台で長回しすることもあって大変でしたね。楽しく演じましたけど、星のかぶりモノは頭がかゆくてもかけないし顔を塗っているのでマスクもできず、つらかったです。

桐谷:星のかぶりモノのことで印象に残った話をしていいですか? わたしは山田さんと現場でお話しする機会があまりなかったんですけど、山田さんが撮影の最終日にメイク落としをされていて、その隣にわたしが座ったときに初めて「ニノ!」って呼んでくれて、すごくうれしかったんです。それで隣を向いたら、星のかぶりモノをはずしている途中で(笑)。

山田:星型の角部分はウレタン製で、もうかぶらないからとちぎって脱いでいたので。この姿はアンパンマンがかじられたみたいで面白いかなと思って(笑)。

桐谷:はい、強烈でした! ボロッボロッになった希少な姿に、思わず「写真を撮らせてください」とお願いしました。その写真は秘蔵なので厳重にしまっています。

Q:リクと星の大人げないやりとりがほほ笑ましかったです。大人げないことを堂々と演じる状況は楽しかったのでは?

林:楽しかったですね。みんなで話すときもニヤニヤしていた気がします。いい画(え)が撮れたときは飯塚監督が特にニヤニヤされていて、そういう喜びを分かち合いました。

桐谷:わたしも台本を読んで純粋に早く映像で観たいと思いました。喜びを分かち合ったという意味でも、すごく団結した現場でしたね。

山田:二人の掛け合いシーンは、スタンバイのときに話し合いました。泊まり込みの撮影だったので、みんなで翌日に備えて前夜に練習したこともあり、早い段階で連帯感が生まれました。

震災後に一致団結! この映画の存在が「ロック」

林遣都&桐谷美玲&山田孝之

Q:星は、物事の価値基準を「ロックか、ロックじゃないか」と表現しますが、本作におけるロックなことといえば?

林:住人たちが好きなスタイルで生きていることですね。

桐谷:撮影を乗り切った、わたしたちがロックだと思います。

山田:この映画の存在自体がロックですね。本作がクランクインしてすぐに東日本大震災が起きて、僕らは河川敷で撮影中でした。(小栗)旬くんはかっぱ姿のまま、僕も星のまま避難誘導したりして。それで撮影が一時中断し、再開するときにみんなで集まって、「一致団結して完成させよう」と気持ちを一つにして臨みました。こういう時期だからこそ、明るくて人の温かみが感じられる作品が内面の支援につながるのではないかと考えたんです。

Q:市ノ宮家の家訓「他人に借りを作るべからず」にちなんで、お芝居をする上で守っている教えなどはありますか?

林:感謝の気持ちを大事にしています。スタッフ全員の名前を覚える方がいらして、僕も見習いたいなと思いました。

桐谷:このお仕事を始めたばかりのころに、ある監督から「下手でもいいから、今の自分の精いっぱいを出すように」と教えていただいたことを支えにしています。

山田:役者として「常にこうあるべき」という枠を持たないことです。

恋愛談議に花が咲く! ラブ・トライアングル番外編

林遣都&桐谷美玲&山田孝之

Q:劇中のリクと星は、ニノをめぐる三角関係にありますね。

山田:大事なのは相手の女性が何を求めるかであって。星は全体的にリクに負けているのに、それを認めずに食い下がっている様子が面白い。

林:お金で物事が解決すると思い込んでいたリク。かっこいい部分を崩さず恥をかかず。女性へのアプローチ経験がなさそうだから、知識や財産といった自慢が特徴かな。

桐谷:リクは純粋なところがかわいいと思う。でも、わたしは自分から行けないので、星のように引っ張ってくれるほうがいいなぁ。

山田:いや、星は引っ張れないでしょう(笑)。

桐谷:そしたら、引っ張ってくれる純粋な人がいいです。ギャップに弱いので、かっこいい人がちょっと失敗する姿はキュンとしますね。

Q:林さんと山田さんが恋のライバルだとしてアピールポイントは? その評価を桐谷さんに。

林:難問ですね。山田さんが桐谷さんと会話するのをあまり見たことがないので、コミュニケーションがポイントですかね。

山田:僕が林くんに負けないのは年齢差がある分、おいしいご飯屋さんを知っていることかな(笑)。

桐谷:女子目線でどちらもポイント高いと思います。

三者三様の着眼点でとらえた作品の魅力

林遣都&桐谷美玲&山田孝之

Q:それぞれが思う本作の見どころや魅力を改めて教えてください。

林:お互いに素性を隠して接していることに意味がある気がします。中身で人と向き合うことの大切さ、先入観で物事を見ないことで見える何かがある、というメッセージだと思います。

桐谷:小ネタですけどニノはお魚担当なので、さりげなく手にお魚を持っていたり、敷地に干物をつるしていたりするので画面の隅々まで観ていただきたいです。そして一見ギャグ満載な作品ですけど、リクが河川敷の人々と出会うことで、自分で考え、選択するすべを体現していく成長物語といったドラマ部分がきちんと描かれていることが魅力だと思います。

山田:原作の最後にある、幻想的なカラーページこそが原作者・中村さんが本当に描きたいことだと思うんです。彼らは社会に適応できず河川敷に逃げてきたけれど、人間らしく生きたいように生きているし、見習うべき部分がある人ばかり。ただ面白いだけの作品ではないので、登場人物がなぜこうしているのかと自分に置き換えて考えることで、見えてくるものがあるはずです。

Q:では最後に、山田さんのセリフを拝借して。今、生きたいように生きていますか?

林:できるだけ、そう努めています。

桐谷:はい、生きています!

山田:生きてないですね(笑)。


林遣都&桐谷美玲&山田孝之

インタビュー中、桐谷に対し終始ジェントルマンだった林と山田。写真撮影では「桐谷さんの肩に手を」とのリクエストを受け、山田は「失礼します」と発し、林も一礼し手を置く姿が。そうした互いを敬う姿勢が作品テーマである「本当に大切なもの」の一つとして劇中にも貫かれている。彼らが過酷な撮影に臨み導き出し、三者三様の着眼点でとらえた本作の魅力は、的を射たものばかりだ。自分の目で確かめてほしい。

映画『荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE』は2月4日全国公開

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