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『映画はなかっぱ 花さけ!パッカ~ん♪蝶の国の大冒険』江角マキコ 単独インタビュー

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『映画はなかっぱ 花さけ!パッカ~ん♪蝶の国の大冒険』江角マキコ 単独インタビュー

子どもは自分で感じたことが一番の教訓になる

取材・文:斉藤由紀子 写真:高野広美

NHK Eテレで放送中のアニメ「はなかっぱ」が、『映画はなかっぱ 花さけ!パッカ~ん♪蝶の国の大冒険』となってスクリーンに登場! 主人公のはなかっぱは、気分によって頭にいろんな花を咲かせるユニークなキャラクター。そんな彼と愉快な仲間たちが、何者かにさらわれた母親たちを助けるべく冒険の旅に出る! 物語のキーを握る蝶の国の女王ヘレナの声を担当した江角マキコが、作品の魅力や子育てについてなど、キレ味満点のトークを繰り広げた。

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言いづらい言葉の連続でアフレコの自主練を慣行!

江角マキコ

Q:江角さんは、アニメの「はなかっぱ」が以前からお気に入りだったそうですね。

はい。いつも子どもと一緒に観ているんです。色合いがすごくキレイですし、はなかっぱが頭に咲かせる花も、花言葉の意味に由来するときがあったりして、大人が観ても楽しめる作品ですよね。キャラクターが皆個性的でかわいくて、観ていると胸がホンワカしてきます。子どもは主人公のはなかっぱが大好きで、おとぼけキャラのがりぞーとアゲルちゃんも大のお気に入り。わたしはちょっとマヌケな、たなか先生が面白くて好きですね。

Q:蝶の国の女王ヘレナ役のアフレコはいかがでしたか? 監督からはどんな指示があったのでしょう?

監督さんから「女王の威厳を出してほしい」と言われたので、とにかくご希望に沿うように、指示された通りにやりました。別の作品で若い女性の役のアフレコをしたときは、「もっと高い声を出してくれ」と言われてすごく大変だったんですけど、ヘレナは子どものいる母親でもあったので、自分の声色のままでいけてやりやすかったです。

Q:難しくて何度も練習したセリフがあったそうですが?

「やまびこ村(はなかっぱが暮らす村)の実りをわれらのものに」というセリフが、言いづらい言葉の連続でもうダメでした(笑)。そもそも、「やまびこ村」という言葉自体が言いづらいんですよ! 自宅で自主練習をして、本番前にも何度も練習してから挑みました。

Q: 蝶の国の王子の教育係コノハ役の松嶋尚美さんとは、久々に現場でご一緒されたそうですね。

そう、2番目のお子さんを妊娠されていると聞いてビックリしたんです。彼女も高齢といえば高齢なので、「よかったねー」って話をしていたんですよね。以前、「グータンヌーボ」でご一緒しているときに松嶋さんが上のお子さんを妊娠されて、産休に入っている間に番組が終わってしまったので、今回お仕事でご一緒できて、また妊娠されているということで、とてもうれしく思っています。

仕事と子育てを両立させるコツは、力を抜くこと!

江角マキコ

Q:今回のヘレナの役は、仕事を持つ母という意味でもご自身と重なるところがあったのではないですか?

それはありますね。荒れ果てた王国の再建を目指すヘレナは、自分の子どもだけでなく国民のことも考えていかねばならないという重圧があるんです。わたしはそこまでではないものの、世の中の働きながら子育てをしていらっしゃるお母さん方と同じく、「仕事も子育ても完璧にしなければならないのに、これでいいのだろうか?」といった思いがあったりします。でも、まじめに考え過ぎるのは良くないので、うまく力を抜くようにしているんです。朝、子どもと一緒にテレビで「はなかっぱ」を観るときもふと力が抜けるんですけど、そういった時間を持つようにして、精神的なバランスを保つことが大切なんだと思います。

Q:はなかっぱの母ポッポリーヌが、つい口うるさく叱ってしまって後で反省する場面がありますが、江角さんにもそんな経験がありますか?

わたしはそんなに口うるさい方ではないです。男性っぽいというか、くどくどと感情で怒ることはあまりしません。叱るときはドカンと言うので、「怒ると怖い」とよく言われます(笑)。知り合いの子どもが家に来たときもわが子のように普通に怒るから、皆に怖がられていると思いますよ。この間も、ある知人の子どもが自分で歩かないんですよね。泣けば抱っこしてもらえると思っているみたいだったので、「泣いたってダメ! 自分で歩きなさい!」と叱り飛ばしました(笑)。

Q:なるほど、江角さんの叱咤(しった)は効果がありそうですね(笑)。

お母さんが自分で怒ったことを子どもの前で訂正したり、謝ったりはしない方がいいと思うんです。ポッポリーヌのように、くどくど叱ってしまっても割り切ってしまった方がいいんじゃないかな。「言い過ぎてごめん」なんて謝ったりしたら、どちらが上だかわからなくなってしまいますよね。お父さん、お母さん、子ども、という順位はちゃんと認識させた方がいい。子どもが小さい頃はいいかもしれないけど、大きくなると今度はその力関係を逆転させることができなくなりますからね。お母さんは子どもに「わたしはあなたに物事を教える存在なのだ」ということを、威厳をもって伝えるべきだと思います。

家庭円満のために心掛けていることとは?

江角マキコ

Q:ポッポリーヌのおいしい料理で家族円満のはなかっぱ一家。江角さんは、家族円満のために心掛けていることはありますか?

「朝起きたとき」「食事のとき」「夜寝る前」という3つの時間帯は、子どもを叱ったり怒ったりしないようにしています。そのときだけは、和気あいあいとおしゃべりしながら楽しく過ごすんです。誰だって、朝起きぬけや食事のときに怒られるのはイヤですよね。自分がイヤなことは子どもにもしないようにするのが、わたしの中のルールです。

Q:最後になりますが、母と子の絆をテーマにした本作の、アニメとは一味違う魅力を伝えてください。

すごく良くできた作品です。きっと子どもたちは、はなかっぱの冒険に感情移入して友達との絆を実感するだろうし、いつもは口うるさいお母さんのことも、「自分のことが大事だからそう言ってくれているんだ」「お母さんは大切な存在なんだ」と実感してくれると思います。子どもは自分で感じたことが一番の教訓になりますから、親が10回言ってわかってくれないことも、アニメや映画で疑似体験することでドンッと心に入ることがある。そういう尊い経験ができる作品になっていますので、ぜひ映画館でご覧になってほしいです。歌のシーンなど、皆で一緒に楽しめる工夫もしてあって、お母さん方も思わず童心に帰ってしまうと思いますよ。


江角マキコ

子育てに関する持論をバシッと言い切る、何とも男前な江角。何事にも明確なポリシーをもって臨む人なのだろう。はっきりとした物言いでありながらキツさは一切なく、むしろユーモアを感じさせる実に知的で魅力的な女性だ。本作で彼女がアフレコに挑戦した美しき女王ヘレナは、強さと厳しさの中に子どもへの深い愛情を秘めた、江角にピッタリのキャラクター。そのシビレるほどカッコいいヘレナと、テレビアニメでおなじみのゆるキャラたちがどう絡んでいくのか、スクリーンで確認するべし!

(C) 2013 あきやまただし / 映画はなかっぱプロジェクト

『映画はなかっぱ 花さけ!パッカ~ん♪蝶の国の大冒険』は4月12日より全国公開

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