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『名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』柴咲コウ&青山剛昌 単独インタビュー

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『名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』柴咲コウ&青山剛昌 単独インタビュー

コナン史上、最もハードでダイナミックな作品

取材・文:高山亜紀 写真:高野広美

劇場版「名探偵コナン」シリーズ、17作目となる最新作『名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』。本作では海上自衛隊の全面協力の下、迫力の映像が実現した。スペシャルゲストとして出演したのは学生時代からコナン読者という柴咲コウ。ミステリアスな女性自衛官・藤井七海をクールに演じた。約7年ぶりの声優挑戦とは思えない堂々とした演技に原作者の青山剛昌も「かっこいい!」と太鼓判を押すほど。今回が初対面の二人だが、そこはコナンがつなぐ縁。読者ならではのコナンへの思い、作家ならではのこだわりを語った。

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お互いは初対面。でもコナンとは20年近くの付き合い!

柴咲コウ&青山剛昌

Q:初対面だそうですが、お互いの印象はどうですか。

青山剛昌(以下、青山):よくテレビで見ているんですよ、「ガリレオ」とか。そのまんまですね。

柴咲コウ(以下、柴咲):わたしは単行本を買っているのですが、そこに青山先生の似顔絵が描いてありますよね?

青山:いつも、殺されているやつですね。

柴咲:そうそう! 血が流れている(笑)。似ています。さすがです。

Q:柴咲さんが最初にコナンを読んだのはいつごろですか。

柴咲:うろ覚えなのですが、少年サンデーで読んでいました。確かわたしが中学生くらいのときに連載が始まったと思います。もしかしたら、第1話か、その次くらいから読んでいるんじゃないかな。

青山:おお、すごい! 子どもの頃読んでいた人が、今はお父さんになって、子どもと一緒に観ているという人も多いんですよ。

Q:柴咲さんにとって、コナンの魅力とは?

柴咲:完全に読者としての感想でいいですか(笑)。まず、絵がすごく入っていきやすいんです。特徴があって、一目見て覚えやすい。でも、解く謎は一級。テレビドラマで時間をかけて扱うような難事件だったりするから、いつの間にか世界に引き込まれてしまうんです。

青山:べた褒めですね。ありがとうございます。

コナン史上最もハードな内容に子どもが付いてこられない!?

柴咲コウ&青山剛昌

Q:今回は憧れのコナンの世界に海上自衛官・藤井七海として登場しますね。

柴咲:読者って多少、わがままな部分があるじゃないですか。自分の都合のいいように解釈したり(苦笑)。今回はスペシャルゲストという形で、この映画だけのキャラクターで参加できたので、自分としてはラッキーだったと思います。

青山:藤井七海のキャラクターデザインも僕がやっているんですよ。柴咲さんが演じられると聞く前に描いたのですが、「美人にしてほしい」という要求があったので、眉毛をひょひょひょいと、目は軍人っぽくきりっとさせました。

柴咲:眉毛、かわいいですよね! 軍人役と聞いてきちんと演じられるのか、ちょっと心配だったのですが、緊張感をずっと持ち続けていたので、そこを膨らませていけば何とかなるかなと思っていました。それから、わたしが声を入れたときには、もうほとんどの人の声が入っていたので、とても参考になりましたね。何もない状態で入れるのはすごく大変なんじゃないかと思いますが、コナン君の声ももう入っていましたから。

青山:うまかったですよ。違和感がなかった!

柴咲:でも、やり直ししたんですよ。歌も歌っているせいか、せりふにメロディーというか、ふに落ちるイントネーションがあるんです。それに合ったときは後から聞いても大丈夫なんですけど、時々「これでいいのかなぁ?」と何となくメロディーが合っていないような気がするものはどこか違和感や気持ち悪さが残って、やり直すことがありました。

青山:そういうときには自分から「録(と)り直した方がいいんじゃないですか」って言うの? すごいなぁ。僕はそれでOKなら「じゃ、いいね?」って言っちゃうなぁ(笑)。

柴咲:もともと声にコンプレックスがあったせいかもしれません。歌を歌い始めてから、少しずつ緩和されていったんです。けれど声だけとなると、はっきりと出るじゃないですか。それを後から聞くのも試練でしたね。

青山:声優さんにはいないような声だったから、何かいいなと思っていました。かっこよかったです。

Q:その藤井七海の活躍をはじめ、今作はこれまでの劇場版より、よりハードでダイナミックな印象を受けました。

青山:今回、イージス艦を舞台にやるって決まったときから、脚本家の櫻井武晴さんに「リアルにしてください」と注文を出していたんです。だから、かなり大人向けになっていますね。あんまり子ども向けにしてしまうと僕的にも面白くないですから。ただそうはいっても、今回はもしかすると、途中から子どもが付いてこられないんじゃないかなと心配になるところもありました。でも劇中ではコナン君がわかりやすく、「何を探せばいい」とか、「何を考えればいい」と教えてくれるので、子どもも十分に楽しめる内容になっていると思います。

柴咲:わたしも「うわ、難しい」と思いながら、やっていました。

衝撃!! コナンの秘密のルールを発表!!

柴咲コウ&青山剛昌

Q:先生の中で、コナンを描く上でのルールはありますか。

青山:「コナンは泣かない」っていうのが一つのルールなんです。

柴咲:今回、泣いていますよね?

青山:実は泣いているわけではないんです……。でも詳しくは、これから観る方もいるので秘密です(笑)。

Q:探偵グッズは今回も大活躍ですが、こちらに関しては?

青山:名前は絶対、普通にしています。でないと恥ずかしいから。「ボールシューター」とか恥ずかしくないですか。「キック力増強シューズ」だと恥ずかしくないし、そのまんまだから、わかりやすい。めったに出しませんけどね。一番、最後に出したのがベルトかな? あれ以降、出ていないです。急に変なものを付けて出てくるとおかしいから、コナン君がいつも身に着けているものでないとダメ。だけど、ほとんど使っちゃって、あとはランドセルくらいしか残っていないんです。

柴咲:髪の毛とかどうですか。

青山:鬼太郎じゃないんだから(笑)。

Q:最後にお気に入りのシーンを教えてください。

柴咲:まだ1回しか観られていないんですが、そのときは自分の声が出てくるものだから、やっぱりついそっちに気を取られてしまったんですよね。見直したら、きっとコナン君とのシーンに感動すると思うんですけど。音がすごく迫力があっていいなと思いました。実際にイージス艦を攻撃されそうになるところとか、良かったです。

青山:僕も原画とか描くんですけど、自分の絵が劇中に出ると恥ずかしいと思ってしまう感覚と一緒なのかな? アニメーターの人と自分の線が違うので気になるんです。今回はそうでもなかったですが。どう? 気にならなかった?

柴咲:気にならないどころか……いいです!


柴咲コウ&青山剛昌

青山から「めったに描かない」という怪盗キッドと灰原哀、そしてコナンというレアな組み合わせのイラスト入りサイン色紙をプレゼントされ、手放しで喜んでいた柴咲。お世辞ではなく、本当にコナンが大好きのようだ。「額に入れて、絶対、部屋に飾ります」とうっとり。おまけに「アニメ版の声の出演もしてみたい。どんな脇役でもいい。クレジットもなくていいですから」と終始、興奮冷めやらぬ様子だった。

『名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』は4月20日より全国公開

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