『スマーフ2 アイドル救出大作戦!』高橋みなみ&山崎弘也 単独インタビュー
ハッピーミラクルを感じてほしい
取材・文:斉藤由紀子 写真:高野広美
小さな青い妖精スマーフの活躍を描いたアニメーション映画『スマーフ』の続編がついに完成! 実写とCGの融合によるファンタスティックな映像が話題の本作で、AKB48の高橋みなみとアンタッチャブルの山崎弘也が日本語吹き替え版の声優にチャレンジ! 妖精の国のキュートなアイドル、スマーフェットを担当した高橋、そしてスマーフェットを誘拐したのに仲良くなってしまうお調子者のハッカスを担当した山崎が、バラエティー番組さながらの軽妙なやりとりで作品の魅力を語り合った。
高橋は女らしい声色、山崎は絶叫系のアフレコに挑戦!
Q:みんなのアイドル、スマーフェットとお調子者のいたずらっ子ハッカス、お二人にピッタリな役どころでしたね。
高橋みなみ(以下、高橋):ありがとうございます! アニメ映画のアフレコは初めてだったんですけど、前からずっとやりたかったので、すごく楽しかったです。スマーフという世界観を映画で観て勉強しながらチャレンジさせてもらいました。あまりやったことのないお仕事に挑戦するのって、すごく面白いんですよね。
山崎弘也(以下、山崎):僕はハッカスと顔も似ているって言われるんですよ。彼のヒゲをそったらアゴが割れているんじゃないかと自分でも思うくらいでして(笑)。しかもテンションの高いキャラだから、アフレコもすごく楽しかったです。「ウッヒャー!」「ヤッホォォォ!」みたいな絶叫が多くて、仕事というよりも叫んでストレスを発散してきたような感じでした(笑)。
高橋:ザキヤマさんの絶叫はスゴイです! よくあんな声が出るなと感心しちゃいました。
山崎:僕はひな壇で奇声を発している時間が多いから、台本に「※△○×!」とか書いてあるような、意味不明だけどスタジオがなんとなく盛り上がる叫び声は得意なんです。これはバラエティー番組で鍛えた、たまものですね(笑)。たかみなちゃんはセリフの量があったから結構大変だったでしょ?
高橋:セリフは、わたしの地声だとスマーフェットのイメージに合わないので、アフレコではいつもより声を高くするように気を付けました。
山崎:僕は、たかみなちゃんがあんな声を出せるんだってビックリしたんですよ。スマーフェットは「どうしたらいいんだろう……」「寂しい……」みたいな、揺れる女心的なセリフが多くて、すごく女の子っぽいキャラじゃないですか。実際のたかみなちゃんはしっかりしていて男っぽいところがあるから。
高橋:実際には言ったことのないセリフが多かったんです。そんな弱音吐いたことないわ、みたいな感じで(笑)。これからはもっと女の子らしくスマーフェットの声を小出しにしていこうかな。「もう、無理なの……」とか(笑)。
Q:高橋さんのファンはきっと萌えると思います(笑)。
山崎:えー、たかみなファンはどっちかっていうと、「オレがやってやりますよ!」みたいな体育系のノリが好きなんじゃないの?
高橋:わたし、「オレ」なんて言いませんけどね(笑)。
居場所を探し求めるヒロインに感情移入しまくり!
Q:スマーフェットがみんなに誕生日だと気付いてもらえないと落ち込むところから物語が始まりますが、お二人はそんな「あるある」体験はありますか?
高橋:わたしは4月8日生まれなので、学生のときはちょうどクラス替えの時期だったりして、みんなとなじんだ頃に「誕生日いつなの? あ、もう終わったんだ」と言われてそのままになっちゃうことが多かったんです。でも、AKB48に入ってからは皆さんが誕生日を大切に祝ってくださるので、昔よりも大切な日だと意識するようになりました。
山崎:僕は1月14日で、何となく正月のおめでたい勢いが収まりかけた頃に誕生日が来るんですよ。仕事関係の皆さんもお正月は休みますから、仕事始めでお祝いをするようなテンションでもなく、何となくその日が終わるという感じですね。1月生まれはお正月というビッグイベントに飲み込まれていっちゃうんですよ(笑)。そういった「忘れられてしまってちょっと寂しい気持ち」とか、誰もが経験するようなところから映画が始まるから、冒頭からググッと感情移入してしまうんですよね。
Q:自分の本当の居場所を模索するスマーフェット。AKB48グループの総監督である高橋さんも共感するところがあったのでは?
高橋:そうですね。わたしはAKB48の1期生で今年で8年目なんですが、今は15期生くらいまでいるんです。後輩の若いメンバーは勢いもあるので、その中で先輩としてどうやってポジションを築いていけばいいのかとか、いろいろと考えてしまうこともあります。わたしもずっと自分探しを続けていかなきゃいけないんだなと思いながら、スマーフェットを演じさせてもらいました。
山崎:この映画だと、スマーフェットを育てたパパスマーフが秋元(康)さんみたいな存在なんじゃないですか?
高橋:あ、ホントそうかも(笑)。
山崎:パパスマーフを担当していた声優さん(富田耕生)もすごく良かったけど、秋元さんに声をやってもらってもよかったかもね!
高橋:いや、それはちょっと気まずいかな……(苦笑)。
高橋が山崎のセリフにまさかのもらい泣き!?
Q:ちなみに、本作で一番心を動かされたのはどんな場面でした?
高橋:わたしは、ハッカスが涙を流したときに「水が漏れてる」って言ったところがすごく良くて、もらい泣きしちゃいました。ハッカス自身も、何で目が濡れるのかわからないんですよね。
山崎:ハッカスは愛情を知らずに育ったので、「うれしくて泣く」という経験をしていないんだよね。目から水が出たということしか認識できないから、「水漏れ」という言葉で表現したんでしょう。もう、翻訳家の方が素晴らしすぎる!
高橋:あのハッカスがまさか泣くなんて思わなかったから、すごく胸がキュンとしました。
Q:家族の絆も丹念に描かれた本作。お二人は何を感じましたか?
高橋:スマーフたちの親子関係と、スマーフを助けてくれる人間のパトリック一家の親子関係がちゃんと連動していて、それぞれの父親たちの子どもへの愛情表現がすごく感動的なんです。親が子を育てることの難しさや、育てられる側の愛情の受け方についてなど、いろいろと感じることがありました。
山崎:パトリックの義理のお父さんが「条件付きの愛なんてない」と言うところとか、すごく深いセリフがあっていいんだよね。この映画はまさに、「子どもには夢や勇気を与え、大人には居場所を与える」作品ですよね(ドヤ顔)。
高橋:名言ですね! お子さんもご両親も楽しめる作品なので、ご家族でハッピーミラクルを感じてほしいです。
山崎:独身37歳の僕でもグッとくるものがありますから、むしろ独身男性に観てほしいですね。このジャンルの映画って男性はなかなか観に行く機会がないと思うんですよ。でも、ぜひ観てほしい。そして、その場に映画関係者がいるようだったら、「ハッカスのザキヤマいいよなー」とさりげなくつぶやいてもらえるとありがたいです(笑)。いやー、パート3が楽しみだなあ。次は『ハッカスニューヨークへ行く』とかね!
高橋:それってザキヤマさんが主役じゃないですか(笑)。
山崎:ごめんなさい! でも、できればハッカスのスピンオフ作品をお願いします(笑)。
写真撮影でポーズを取っている最中、「僕たち、コミック系の演歌歌手コンビみたい」と山崎がおどけると、「ホントだ!」と朗らかな笑い声を響かせる高橋。サービス精神満点の二人は、ジョークやボケをふんだんに交えながらアフレコに参加できた喜びを伝えた。コミカルな描写の中に深いメッセージが込められた本作は、ディズニーやピクサーの名作にも通じる大人も観るべきアニメーションだ。ちょっと気が早いが、高橋と山崎が再び声優を務めるパート3の制作にも期待したい。
映画『スマーフ2 アイドル救出大作戦!』は8月16日より全国公開