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『WE ARE Perfume』Perfume単独インタビュー

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『WE ARE Perfume』Perfume単独インタビュー

恥ずかしかったけど、すべてをさらけ出しました!

取材・文:斉藤由紀子 写真:奥山智明

結成15周年を迎えたPerfumeが、2014年にアジア、ヨーロッパ、アメリカ各地を回った「Perfume WORLD TOUR 3rd」と、2015年にアメリカ・オースティンで行われた「SXSW 2015」に出演した模様に密着したドキュメンタリー映画が日米同時公開された。圧巻のパフォーマンスはもちろん、バックステージでの素の表情を余すことなく映し出す。アメリカでの初ワンマンライブにも挑み、アーティストとして飛躍を遂げた、あ~ちゃん、かしゆか、のっちの三人が、作品への思いを語った。

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夢のようで衝撃的なドキュメンタリー

Perfume

Q:ステージ映像をCG加工した斬新なビジュアルや、バックステージの様子がとてもエモーショナルで、いろんな感情が揺り動かされました。

かしゆか:自分たちのことではないような感じがして、涙が出てしまいました。Perfumeがやっていることを、そのまま映画にしたいと言ってくださる方々がいて、中田(ヤスタカ)さんもそのために主題歌を作ってくださったり、本当に夢のようなことがカタチになって、結成15年にして貴重な体験をさせてもらいました。

あ~ちゃん:結構、衝撃的な内容でした。今まで内側を見せてこなかったので、ここまで赤裸々に映して大丈夫かしらとか、何かの夢を壊してしまうのではないかしらとか。でも、演出なしで作ったドキュメンタリー映画なのに、ここまでドラマティックになるのはすごいし、観る人によって目に留まる場所も違うんだろうなと感じるくらい、トピックスの多い作品でした。

のっち:冒頭のシーンは、オースティンのフェスで披露した「SXSW Perfume Live STORY」という作品(パフォーマンス)なんですけど、ワールドツアーの後に行ったライブなんです。映画では、こういった映像とは対照的な人間っぽさもスクリーンにあふれていて、起きていることをその場で観ているような生々しい作品だなと思いました。

悲願のアメリカワンマンライブ!

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Q:海外オーディエンスの熱さが印象に残ります。特に、今回初チャレンジとなったアメリカでの熱狂ぶりがすごい。皆さんも驚いたのでは?

かしゆか:ライブが始まるまで、「ほとんど日本語でしか歌っていないのに、本当に楽しんでもらえるかな?」という不安があったんです。でも、オープニングの瞬間から、客席の声が振動になるくらいの勢いで体に伝わってきて、いざステージに立ったときも、客席の勢いに負けてしまいそうなほどで、とてつもない熱を感じて、不安を一瞬で塗り替えてくれました。

のっち:最初の海外ツアーがアジアツアーだったんですけど、ヨーロッパも行きたかったし、アメリカもすぐに行きたかったんです。でも、1度目でアメリカのステージに立っていたら、感じられなかった感動があったような気がします。3度目のワールドツアーだからこそ、目の前のお客さんと対峙(たいじ)できる度胸がついていたのだと思います。

Q:「ポリリズム」が全世界共通挿入歌となった『カーズ2』のワールドプレミアで訪れたロサンゼルスでワンマンライブをやるという3年越しの願いが、やっと実現したわけですよね。

あ~ちゃん:そうです。あのときに、もう1度ここに来たいと思ったことがキッカケだったので、本当にうれしかった。しかも、スタッフさんが、あのときと同じホテルを取ってくださって、「これだけ、アメリカの皆さんは歓迎してくれていますよ。あとは皆さんがしっかりパフォーマンスをするだけなんですよ」って、最高のステージに立てる状態を整えてくださった。ものすごいパワーが湧きました。

のっち:ライブになると、スタッフの方々がどれだけ大事な存在なのか実感しますね。いてくれなかったら、何もできない。とても大切で大好きな方々です。

あ~ちゃん:「日本と同じライブがしたい」というのが、わたしたちの願いだったけど、一番大変なことだったと思うんですよね。そこを乗り越えて、みんなが「日本人としてカッコいいパフォーマンスを世界に広げるんだ」という熱い思いで挑めたので、終わった後は本当に涙が止まらなくて。ただ自分でも信じられないけどその直後に、大きな夢を口にしていて……。よくよく考えたら、あんな場所でやりたいだなんて、自分でも「マジか!」って思ったり(笑)。でも、みんなで本気で決意したから、口にできたんです。Perfumeのことになると、こんなにも強くなれるのだなって、自分でもびっくりしてしまいました。

あの恰好はマズイ!でも、外せない!

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Q:「ここまで見せてしまっていいのかな?」とおっしゃいましたけど、具体的に、公開することに勇気が必要だったシーンといえば?

あ~ちゃん:たくさんあります! ライブの後に足を冷やしているところとか、本当に恥ずかしい! 氷水で冷やさないと、足が筋損傷でむくんで靴が履けなくなっちゃうんです。ステージで履いているのって、ダンス用のヒールではないんです。きっと、無理なことをしているから、必要以上に腫れてしまうのでしょうね。あと、反省会をしているときの姿。あれはマズイ(笑)。

二人:そうそう(笑)。

あ~ちゃん:バスタオルの上でストレッチをしながら反省会をしていたんです。ライブが終わると、本当に身体が硬くなってしまうので、すぐに身体を伸ばしたい。でも、次のライブをもっと良くするために話し合いたい。そのせめぎ合いの結果が、ストレッチをしながらの反省会になるという(苦笑)。

Q:ロンドンのライブで、のっちさんが振りを間違えているシーンも、かなり克明に披露されていましたが……?

のっち:あそこまで使われるとは思っていなかったんです。その前にリリースしていた「Perfume WORLD TOUR 3rd」の本編映像は、そこをうまいこと外して編集してもらっていたので、その映像を先に観ていただいた方に映画を観られるかと思うと、めちゃくちゃ恥ずかしいです(笑)。でも、佐渡(岳利監督)さんが反省会の様子を面白く編集してくださったので、そのまま使ってもらいました。

かしゆか:のっちのことを楽屋で三人が事細かにしゃべっているんですけど、そのときの恰好がまたヒドイ(笑)。そういったライブ後の服装とかも、今まで出してこなかったんです。カメラが回っているときはちゃんとした恰好をしようって、ずっと思っていたんですけど、あまりに監督が自然に撮ってくださるので、気づかなかったんですよね。映画を観て「なんでこんなダサイ恰好してんの!」って(笑)。

あ~ちゃん:でも、外せない言葉や空気感が収められているから、ここはカットできないんだろうなってわかるので、そこもせめぎ合いですよね。「ここ恥ずかしいから、どうでしょうか?」って、お伺いを立てたいところではあるんですけど、大事なシーンだから、どうにもこうにもできなくてモンモンとするという。

かしゆか:編集のときに、「大丈夫ですか?」って言われて、「大丈夫……なんですけど……」って言うしかなくて、結局全部OKってことになって……。

あ~ちゃん:で、心の中で「うえええん」って泣きました(笑)。

Q:何もかもさらけ出しているところが、逆にカッコいいと思います!

かしゆか:たぶん、今までだったら見せていないと思うんです。結成15周年の今だからこそ、見せられるというのもありますし、せっかく「ライブがどうやって作られるのか」ということに興味を持ってくださる方がいるのであれば、そのまま出すのもいいのかなと考えたんです。そうしてよかったなと、映画を観て強く思いました。


Perfume

少女のようにあどけない表情と可憐な声、華奢な身体。まさに、異なる次元から抜け出てきたような三人。しかし、その口からこぼれ出てきたのは、ひたむきにパフォーマンスと向き合い、努力の果てに人種や言語の壁を乗り越えてきた女の子たちの、熱くリアルな感情だった。海外ツアーを終え、大粒の涙を流す彼女たちの姿からは、どんな名作映画にも負けないくらいの感動が伝わってくる。

(C) 2015 "WE ARE Perfume" Film Partners.

映画『WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』は全国公開中

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