『ペット』設楽統&日村勇紀&佐藤栞里 単独インタビュー
見た目も性格もそっくりで、まさに運命!
取材・文:斉藤由紀子 写真:上野裕二
大ヒットアニメ映画『ミニオンズ』のスタッフによる最新作『ペット』。ニューヨークで暮らすペットたちが飼い主の留守の間に繰り広げる冒険を、ユーモアたっぷりに描いた物語だ。主役である犬たちの日本語吹き替え版声優に抜擢されたのは、お笑い芸人・バナナマンの設楽統(マックス役)と日村勇紀(デューク役)。『ミニオンズ』でも声優を務めた彼らが、マックスたちの飼い主ケイティ役で声優デビューした佐藤栞里と共に、バラエティー番組さながらのトークを繰り広げた。
バナナマンの二人を愛する気持ちで挑戦!
Q:バナナマンのお二人は、『ミニオンズ』のプロデューサー、クリス・メレダンドリとクリス・ルノー監督から直接オファーを受けたそうですね?
設楽統(以下、設楽):監督に直接お会いしたわけではないんですけどね(笑)。今回は僕ら(マックスとデューク)が行動を共にする役だったので、ありがたいなあと思いました。日本側のスタッフさんが『ミニオンズ』と一緒だったんですけど、この間、そのスタッフさんがほめてくださったんですよ。世界各国の『ペット』の吹き替え版を紹介するコンベンションがあって、僕らが声を入れたワンシーンを流したら、もう大絶賛のスタンディングオベーションだったって。でもね、それってウソだと思うんです。いや、そんなわけがないよと(笑)。
日村勇紀(以下、日村):すごく持ち上げてくれたんですよ。うれしいんだけど、ほめられすぎて全部信用できないというか(笑)。でも、このお仕事をいただけたのは本当にうれしかったです。
Q:佐藤さんは初めて声優に挑戦されたそうですが、いかがでしたか?
佐藤栞里(以下、佐藤):声のお仕事は夢だったので、「夢がかなってうれしい!」という気持ちと、作品の大きさに「わあ、どうしよう! わたしで大丈夫かな?」という不安があったんですけど、主演がバナナマンのお二人だって聞いたから……。
設楽:だから大丈夫だと(笑)。
日村:あ、なるほど(笑)。
佐藤:いえいえ(笑)、大好きなお二人でしたし、番組で共演させていただいたこともありましたから、安心できたんです。
Q:声だけの演技で戸惑うことはなかったですか?
佐藤:ありがたいことに、わたしはケイティと外見の雰囲気が似ているところがあったんです。しかも、わたしもペットを飼っているという共通する部分があったので、役づくりをするというよりは、「とにかくバナナマンのお二人を愛そう!」と思っていました。
日村:僕らを愛してくれたなんて、相当うれしいですよ!
設楽:栞里ちゃんの声は透明感があって、ケイティの声にピッタリでしたね。
佐藤:お二人が先に入れた声を聞きながらアフレコしたんです。それがすごくありがたかったです。引っ張っていただいた感じがすごくしました。
アフレコ監督は天才かも?
Q:バナナマンのお二人も、あて書きかと思うくらいマックスとデュークに見た目が似ていましたよね。運命的なものを感じたりしませんか?
設楽:確かに、運命かもしれないですね。最初にキャラクターを見せていただいたときに、似ているなあと思ったんですけど、細かい表情とか行動とかも、声を入れるたびに気持ち悪くなるくらい似て見えるんです。
Q:アフレコには相当時間がかかったのではないですか?
設楽:今回はセリフの量も多いので、何日間かに分けてとりました。「ワーー」とか叫び声も多くて、その日によってテンションが変わってしまったりするから、かなり時間がかかりましたね。でも、アフレコの監督さんが的確なんです。指示が非常にわかりやすい。
日村:あの方、天才かもしれないよね。
Q:例えばどういったご指示を?
設楽:……えーっと。僕らは天才じゃないんで、思い出せない(苦笑)。
佐藤:身近にあるものに例えてくれるからわかりやすいんですよね。例えば……出てこない(苦笑)。
設楽:そうそう、「上を向いて、さらにその先にいる人に話すように言ってください」とか。
佐藤:あ、「道路の100メートル先の人にも届くようにしゃべってください」とかもありました。
日村:ダメって言わないんです。「いいですね!」って言いながら、「こんな感じのもください」とおっしゃる。絶対こうじゃなきやダメというのがなくて、自由にやらせてくれたのもありがたかったです。
指の間をなめるのはやめて!
Q:佐藤さんはポメラニアン、設楽さんと日村さんも家にペットが居たことがあるとのこと。本作のペットたちは、飼い主の留守中にやりたい放題をしていますが、自分の家のペットには何をしていてほしいですか? 逆にこれだけはやめて、と思うことは?
佐藤:うちのポメラニアンは、靴下が大好きなんですが、脱ぎかけの靴下があると持っていっちゃったりするので、持っていく方向を洗濯機にしてくれたらありがたいです。やめてほしいのは、お父さんの顔とか足をベロベロなめたあとに、わたしの顔をなめること。本当にやめてほしい(苦笑)。
設楽:お父さん、かわいそうじゃない?
佐藤:尋常じゃないくらい、足の指の間をなめるんです(笑)。
日村:ああ、お父さんというか、足の間をなめまくるのが問題なんだ(笑)。
設楽:まあ、新聞を持ってきてくれたり、賢い子がいるといいですよね。今回の映画で靴をぶっ壊す子がいるんだけど、あれはやめてほしい。高い靴だったら最悪。
日村:犬って電気コードを噛んだりもするんだよね。あと、庭にある柵とかを噛んで、破片を飲んじゃったりして。うちの犬は体調が悪くなってレントゲンを撮ったら、破片が入っていたことがあったんです。あと、画びょうを飲もうとして歯茎に刺さっていたり。
設楽:その表現は痛すぎる!
日村:痛いそぶりを見せないんだよね。普通にしているから、意外に気づかないんです。留守番中は大人しくしていてほしい(笑)。
賢いようでおバカで愛らしい!
Q:アクションも満載で見どころだらけの本作。とくにお気に入りのシーンといえば?
設楽:マックスとデュークがソーセージ工場に潜り込んでソーセージを食べまくるシーンがあるんですけど、声が「ングッ! アムッ!」とか食べる音だけなので大変で(笑)。でも、あそこは好きですね。
日村:犬の種類と大きさが違うから、マックスとデュークでは食べる本数が違うんだよね。デュークは50本くらいを「ブワゥ~~~!」みたいな感じで一気に食らう(笑)。
佐藤:ソーセージ工場は、バナナマンさんお二人の仲の良さが伝わってくる名シーンだと思います。
設楽:あと、マックスが仕事に向かうケイティを行かせないようにするシーンが好きなんですよね。すごく賢いようで、やっぱりおバカだったりして。
佐藤:わかります! 「もうちょっと回るから待って!」って必死に芸をしてみせたりして、切なくなります。マックスもデュークもほかのペットも、仕草や毛並みや唾液すらも愛らしくてかわいくて、観ているだけでワクワクしてくるんです。動物が好きな方はもちろん、苦手な方にも楽しんでもらえると思います。
どんな質問を投げかけてもギャグを入れて投げ返す、さすがはベテラン芸人・バナナマン。二人の傍らで可憐にほほ笑みながら、声優デビューの喜びを語る佐藤。才能豊かな3人の声が驚くほどマッチした本作は、「誰もが納得のペットあるある」「予想不可能な展開」「キュートかつ個性的なキャラたち」と、三拍子揃った上質のエンターテインメント。宮野真守、梶裕貴といったイケメン人気声優の参加でも話題を集めそうだ。
(C) Universal Studios.
映画『ペット』は8月11日より全国公開