ADVERTISEMENT

『ママレード・ボーイ』吉沢亮 単独インタビュー

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
『ママレード・ボーイ』吉沢亮 単独インタビュー

少女漫画のキスは一つの物語が完結する瞬間

取材・文:シネマトゥデイ編集部・小山美咲 写真:永遠

少女漫画雑誌「りぼん」に連載され、アニメ版もふくめ大ブームを巻き起こした吉住渉による漫画を初めて実写映画化した『ママレード・ボーイ』。『ストロボ・エッジ』などの廣木隆一監督がメガホンを取った本作で、頭脳明晰かつスポーツ万能の王子様・遊を演じるのは勢いのある若手・吉沢亮だ。数々の少女漫画原作モノを経験してきた吉沢だが、伝説的人気コミックの実写化にどう挑んだのか。公開を控え、人気原作ゆえの不安もあるという吉沢が、撮影の裏側や作品の魅力を存分に語った。

ADVERTISEMENT

やっと報われる役が来た

吉沢亮

Q:『カノジョは嘘を愛しすぎてる』『アオハライド』『オオカミ少女と黒王子』など、多くの人気少女漫画実写化作品に出演されています。本作ならではの魅力とは?

僕自身としては、単純にやっと報われる役が来たという思いがありました。いままではかませ犬的な役がすごく多かったので、やっとこういう役が来たなとうれしかったです。作品としては、いわゆるキラキラした少女漫画みたいなものとはまた違った、生活感があるところが魅力なのかなと思っています。食事のシーンや家族のシーン、人としての日常的な部分で思わずキュンとする瞬間があるというような。わかりやすい壁ドンとかはないけれど、誰でも感じたことのあるようなキュンキュンを感じていただけるのではと思います。

Q:“報われる役”ということで、過去の作品と違いはありましたか?

魅せなきゃいけないシーンにはこだわりました。例えばキスシーンとかって、こういう作品においてすごく重要なシーンだと思うんです。一つの物語が完結する瞬間が、少女漫画のキスシーンにはある気がします。だから、速度とか、角度とか、単に芝居というのとはまた違った部分でもすごく気を遣いました。画として完成させなければいけないので、いままで経験したことのない大変さがありました。

役の中に“吉沢亮”が出ている

吉沢亮

Q:遊を演じるにあたっては、これまでの役と違うアプローチをしたのでしょうか?

芝居という意味ではあまりなかったのですが、この作品に関しては、やり方がいままでとはちょっと違うというか。もちろんその場で生きるという意味では同じですが、こう役を固めていくというよりは、その場で自分が感じたもの、原作を読んで自分がどう思ったか、そういうところを大事にしていました。なので、わりと役の中に吉沢亮というものが出てきちゃう瞬間はちょいちょいあったのかなという気がします。

Q:具体的にどのような役づくりをしたのでしょうか?

笑顔を多めにというのを今回は意識的にやっていました。何かあったら、困ったらへらへらする男みたいな……。彼のそのわざと薄っぺらく見せようとする感じは意識して演じていました。

Q:そういった遊のキャラクターを事前に研究して撮影に臨んだのですか?

撮影が始まる前に自分で考えていました。彼の闇みたいなものを持つがゆえに人との関わり方も薄いものになってしまい、表面的な部分は良く見えても実は裏では闇を持っているみたいな部分はどうしたら出せるだろうと。意図的に笑顔でいるということを取り入れたらまた変わるのかなと思い、それがまた逆に彼の優しい雰囲気を出しているものの一つでもあるとも思いました。

奥底にある陰の部分は人に見せたくない

吉沢亮

Q:そんな遊との共通点や共感するところはありましたか?

表面的な部分で生きているという意味ではあるかもしれません。僕ももちろん本音ではあるのですが、基本的に奥底にある陰の部分は人に見せたくない人間。だからどうしてもいろんなことに対してありきたりなことしか言えなくなる感じというか。本当はこう思っているんだけど、誰でも言えそうなところを言うみたいな、遊もわりとそういう部分を持っている近い人間だとは感じます。

Q:役のダークな部分を表現する演技は吉沢さんの魅力なのではと感じます。

うれしいです。僕自身そういう芝居が好きで、そういう部分を自分も持っているなと思うし、演じていてそういう役の方が楽しいんです。一時期、すごく三枚目の役が続いたことがあったのですが、正直それがきつくてしょうがなくて……。闇を抱えている役どころの方が素直にやりやすいんです。たぶん、自分の内側にあるものに近いからでしょうか。

Q:本作では、涙のシーンも印象的です。どのように撮影に臨んだのでしょうか?

最後のシーンについて言えば自然と涙が出ましたが、現場は大事なシーンを撮るんだという雰囲気で。正直、そういうの苦手なんです。ああいうシーンに限ってそういう雰囲気になるのが、すごく求められているような気持ちになってしまって。さらっといったほうが、意外と気持ちが入りやすかったりするのですが……。ただ、どんな場面でも対応できなければ役者としてはだめですから、まだまだだなあと思う瞬間ではありました。

「美しすぎる」称賛への本音は!?

吉沢亮

Q:遊というストレートなイケメンを演じることについて、出演発表の際のコメント「ついにこの顔面をフル活用する時が来たな」は大きな話題を呼びました。

あまりそういうカッコつけたりするのは意識せず(笑)。遊はそういう役でもありませんでしたし、普通に演じていました。

Q:ルックスに関して言えば、ファンの方はもちろん共演者やスタッフ陣からも「美しすぎる」と称賛されることが多いですが、それをどう感じているのでしょうか?

うれしいですよ。そんなふうに言ってもらえるのは、うれしいことです。でも、この仕事している人にはイケメンしかいないですけど(笑)。


吉沢亮

本作以降も多数の注目作への出演が決定しており、まさに“飛ぶ鳥を落とす勢い”の俳優・吉沢亮。取り巻く環境も目まぐるしく変わったのではと思われるが、「自分はまだまだ」とあくまで冷静だ。ブレイクに浮ついた様子はまったくなく、むしろ常に客観的に自身の立場を捉え、分析している印象を受ける。映画の公開を控えたいまは、不安な気持ちもあるというが、原作の人気に伴う高い期待に、劇中でしっかりと応えている。

映画『ママレード・ボーイ』は4月27日より全国公開

最新インタビュー

インタビュー一覧 »

ADVERTISEMENT