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『雪の華』登坂広臣 単独インタビュー

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『雪の華』登坂広臣 単独インタビュー

人生が変わったHIROとの出会い

取材・文:磯部正和 写真:映美

人気アーティスト中島美嘉のヒット曲「雪の華」を基に作られた切ないラブストーリーが公開を迎える。本作で、余命を宣告され、生きる望みを失っていた女性・美雪(中条あやみ)とひょんなことから出会い、何も知らないまま「100万円出すので1か月間恋人になってほしい」という契約を持ちかけられた青年・悠輔を演じたのが、登坂広臣だ。ソロプロジェクトも行うなど、アーティスト活動に軸足を置いてきた登坂は、どんな思いでピュアな恋愛物語に挑んだのだろうか。

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共感できた役だからこそ、現場ではしっかりディスカッションした

登坂広臣

Q:約5年ぶりの恋愛映画出演でした。悠輔は100万円で恋人契約を結ぶという役柄でしたが、どんな解釈をしたのですか?

脚本を読んで悠輔というキャラクターにどんな特徴があるのか、すごく考えました。不器用でまっすぐなところを含めて、どこか他人とは思えない感覚がありました。

Q:どういった部分が他人だと思えなかったのでしょうか?

心で思っていても素直になり切れない部分とかは共感できましたね。例えば、美雪と特殊な形で出会って、巻き込まれていくなか、だんだん美雪のことを知って惹かれていく自分に気づいていながらも「これはゲームだから、相手に付き合っているんだ」と自分にブレーキをかけてしまうところとか、すごくわかるなと思いました。

Q:登坂さん自身も心に思っていることをあまり言葉に出さないタイプですか?

男女問わず、自分が好きだと思った人には口に出して思いは伝えると思います。ただ悠輔の場合、あんな出会い方で「自分が美雪のことを好きになるはずがない」と思い込んでいる部分があったので、なかなか思いがすんなりと出てこないのは理解できます。

Q:共感できる部分が多い役は演じやすいですか?

感情移入できる分、演じているというよりは悠輔になっているような感じでした。なので、現場では橋本(光二郎)監督に「悠輔だったらこういうセリフは言わないんじゃないでしょうか」という疑問もぶつけさせていただきました。台本と違うセリフを採用していただいたこともたくさんありました。逆に、自分とは全く違う内面を持つ人だったら、台本通りに演じていたと思います。

中条あやみとは「ぶつかり合いました!」

登坂広臣

Q:相手役の中条あやみさんとも、撮影現場では役について話し合ったりしたのですか?

はい。役柄についてはあやみちゃんとも遠慮なく意見をぶつけ合いました。彼女が演じた美雪は、僕を巻き込んでいくキャラクターで、対峙するシーンも多く、二人で作る空気感がこの作品には大切だと思ったので、言いたいことをしっかり話しながら一緒に作っていきました。

Q:この作品の魅力の一つに、フィンランドでの幻想的な風景があると思いますが、雪山のシーンなど大変だったのではないでしょうか?

正直、雪山を全力疾走するシーンなども多く、フィジカル的にもメンタル的にもかなりきつかったです。撮影なので何本も走りますし、慣れない環境で結構疲弊しました(笑)。ただ、シチュエーション的にも余計なことを考えないで走るしかないというシンプルなものだったので、悠輔のわかりやすい不器用さが出ている大事なシーンだと思って挑みました。

声を大にして言いたいこと「休みをくれ!」(笑)

登坂広臣

Q:ソロのアーティスト活動も精力的に行っていますが、俳優業とリンクする部分があると思っていますか? それとも全く違いますか?

全然違いますね。2018年はソロでアリーナツアーなどもやらせていただきましたが、音楽活動のときは個人でやりながらも、グループの一員として、どこかで責任みたいなものを感じているのですが、役者に関しては、グループに還元しようとか、責任感を持たなければ……みたいなことを考える余裕はなく、ただただ一生懸命やるだけでした。

Q:それでもチャレンジしたことに大きな意味があるのではないですか?

もともと一つのことを深く追求するタイプというよりは、幅広い活動を通じて表現者として成長していきたいと思っています。役者の仕事に関しても、まだまだ全然余裕はありませんが、こうした経験が、いつかどこかでアーティスト活動としてグループに返せればいいなという思いもあります。

Q:劇中、悠輔は「声に出さないと叶わないだろう!」と美雪に発破をかけますが、いま声に出して言いたい主張はありますか?

あります! 「休みをくれ」ですかね(笑)。2018年は、アーティストとしても役者としてもいろいろな経験をさせていただきましたが、ある種アウトプットの時間が非常に長かったんです。でもどこかでインプットする機会も必要だと思っているんです。これまでのことを一回リセットする必要がある。まあ、それを端的に言うと「休みをくれ」になるんです(笑)。声を大にして言いたいです。

「いずれみんな死ぬんだしな」という言葉の強さ

登坂広臣

Q:劇中、美雪は「恋人としたいことリスト」を作りますが、登坂さんは目標などを具体的にリスト化するようなことはしますか?

将来の自分に対してのプランを書き留める作業は、これまでもやっていることなんです。やりたいというよりは、理想像みたいなものですけれどね。

Q:近々で何か「やりたいこと」はありますか?

自分の活動の幅をもっと広げたい。具体的に言えば、行ったことのない場所でライブをすることですね。海外でもライブをしたいです。

Q:美雪は悠輔と出会ったことで、人生が大きく変わりました。登坂さんにもそんな出会いはありますか?

さかのぼってしまえば、HIROさんになりますね。僕をこの世界に引き上げてくれた人ですし、HIROさんからは日々いろいろなことを教えていただいています。

Q:何か具体的なエピソードはありますか?

すごく印象に残っているのは、HIROさんが「いずれみんな死ぬんだしな」と言った言葉ですね。一瞬ネガティブな言葉に聞こえますが、世の中いろいろなことがあるけれど、みんないつかは死ぬわけだから、それまでに何ができるか、どれだけ充実した人生が送れるかが大事だというポジティブな言葉なんですよね。この言葉を聞いて、どんなことでも自分にとってはパワーになると思えるようになったんです。この映画のテーマにも通じる言葉ですよね。


登坂広臣

以前、本作のプロデューサーが登坂のことを「俳優のイメージがあまりなく、女性からしたら違う国から降りてきた王子さまみたいな人」と表現していたが、撮影現場では橋本監督や中条と作品に対してディスカッションを重ねるなどして役に向き合ったという。確かにアーティストとしても光り輝く登坂は、ファンタジックで浮世離れした印象もあるが、そこにリアリティーを持たせることができるのも彼の魅力だろう。俳優活動に対して謙虚な姿勢を貫く登坂だが、その存在感は、映画界にはなくてはならないものだと感じられる。

映画『雪の華』は2月1日より全国公開

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