愛機ファルコン号とくされ縁の旧友たち
ハン・ソロとはいったい何者?
6月29日日本公開の新作『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』に向けて、主人公ハン・ソロをまるっと早わかりする全3回の集中連載。第2回の今回は、ソロの仲間たち、そして愛機ミレニアム・ファルコンをおさらいだ。(文・平沢薫)
最初の3部作エピソード4『スター・ウォーズ エピソードIV/新たなる希望』~エピソード6『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』の主要キャラは、ハン・ソロ、ルーク、レイアの3人だったが、『ハン・ソロ』の舞台はエピソード4『スター・ウォーズ エピソードIV/新たなる希望』の約10年前。まだソロがルークやレイアに出会う前なので、この2人は登場しない。再登場するのはソロの盟友2人、チューバッカとランド・カルリジアン、そして愛機ミレニアム・ファルコンだ。この2人と1機を整理しておこう。
1.チューバッカって、どんなヤツ?
チューバッカは惑星キャッシーク出身、ウーキー族の戦士で、ハン・ソロの愛機ミレニアム・ファルコンの副操縦士。愛称はチューイ。エピソード4『スター・ウォーズ エピソードIV/新たなる希望』~エピソード6『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』に加えてエピソード7『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でもハン・ソロと行動を共にした。そんな2人がどのようにして出会ったのかは、『ハン・ソロ』で描かれるとの噂。
そしてエピソード4『スター・ウォーズ エピソードIV/新たなる希望』の前のチューバッカの姿も少しだけ描かれている。まず、エピソード2『スター・ウォーズ エピソードII/クローンの攻撃』とエピソード3『スター・ウォーズ エピソードIII/シスの復讐』の間を描くアニメ「スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ」では、銀河帝国の奴隷船に囚われていたが、オビ=ワンの弟子アソーカ・タノらがその輸送船を襲撃したことから脱出し故郷に帰る。エピソード3『スター・ウォーズ エピソードIII/シスの復讐』にもヨーダが惑星キャッシークを訪問したときに、旧友ターフル率いるウーキー族の戦士の一人として登場している。
<チューバッカの注目ポイント3>
【その1】優秀なメカニック
機械の製造修理が得意。いつも故障してばかりのミレニアム・ファルコンをハン・ソロと一緒に修理している。また、エピソード5『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』ではバラバラに分解されたC-3POを一人で組み立てたりもした。
【その2】ハン・ソロとは親友同士
2人は固い絆で結ばれている。エピソード5『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』でソロがカーボン凍結されるところ、大暴れしそうになってソロになだめられる。エピソード6『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』でソロが凍結から解放された際、ソロを抱きしめて何度も頭をなでる姿はまるで母親のようだ。
【その3】ホログラム・チェスに負けると暴れる
エピソード4『スター・ウォーズ エピソードIV/新たなる希望』ではファルコン船内でR2-D2とデジャリック(ホログラム・チェス)をして、負けそうになると吠える。C-3POが抗議すると、ソロが「ウーキー族を怒らせるな。ドロイドは腕をもぎ取ったりしないが、ウーキー族はやるぞ」。そして『ハン・ソロ』のクリップ動画には、ホログラム・チェスの場面も。どんなシーンになるのか注目だ。
2.ランド・カルリジアンって、どんなヤツ?
ハン・ソロの旧友。ソロと同じ密輸業者だったが、鉱山事業を起こして空中都市クラウド・シティの執政官になる。ソロの前のミレニアム・ファルコンの持ち主。性格は派手好き、そしてギャンブラーでプレイボーイだ。
エピソード5『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』では、ソロたちがランドを訪ねた際、彼らを歓迎すると見せかけて、クラウド・シティを守るために裏切り、ソロたちをダース・べイダーに引き渡す。しかし、その後、ベイダーが約束を守らないのを知って、レイアたちを逃がして反乱軍に協力する。
エピソード6『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』では、反乱軍の一員。まずソロの救出に参加。さらに第2デス・スター攻撃に参加し、見事、デス・スターを破壊する。
エピソード4『スター・ウォーズ エピソードIV/新たなる希望』の前を描くアニメ「スター・ウォーズ 反乱者たち」にも登場。まだ執政官ではなく、密輸業者でギャンブラー。本人は“起業家”を自称している。
<ランドの注目ポイント3>
【その1】ソロの前のファルコンの持ち主
彼がファルコンの所有者だったが、賭けカードゲーム“サバック”の勝負にファルコンを賭けて負け、ファルコンはハン・ソロのものになる。この勝負シーンは『ハン・ソロ』の見どころの一つになりそうだ。
そして、ランドもファルコンが自慢。エピソード5『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』でソロがファルコンの修理を頼むと「俺の船に何をしたんだ?」と言うくらい、まだ愛着がある様子。「俺もあの船には何度も命を救われた」とも言い、字幕には出てこないが「あいつは銀河一速いガラクタの塊だよ」と賛美している。
【その2】プレイボーイで派手好み
エピソード5『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』でレイアに初めて会ったときは「ようこそ、レイア」と彼女の手にキスをしてじっと顔を見つめ、それを見たソロが「もうよせ、女たらしめ」。さらに別場面でもレイアに「それにしても美しい。この空中都市によく似合う。一緒に飲み物でも」と微笑みかける。女性の扱いに慣れたプレイボーイなのだ。
また派手好みで、上着もマントも明るいブルー、マントの裏地は金色。そんな彼の好みを反映して、『ハン・ソロ』のランド所有のファルコンは派手な仕様。機体の色にも鮮やかなブルーが加えられている。
【その3】本心ではソロを信頼
ランドはエピソード5『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』でソロに再会すると、「この裏切り者のイカサマ野郎め。あんなことをしておいて、よくも平気でツラを出せたもんだ」とわざと怒り、それから笑って「よく来たな」と抱き合う。そんなジョークを交わすほど親密な間柄。そして、この「あんなこと」が『ハン・ソロ』で描かれるのに違いない。
お互いに「信用できない」という2人だが、ランドが本当はソロを信頼しているのがわかるのがエピソード6『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』。第2デス・スター破壊作戦では、ソロたちが防御シールドを解除してくれるのを信じて、疑問視するアクバー提督に「ソロがシールドを消してくれます」と断言し、シールド解除時には仲間たちに「そう言っただろ?」と自慢している。
3.ミレニアム・ファルコンってどんな乗り物?
基本は、惑星コレリアで製造されたYT-1300軽貨物船。ただし、持ち主たちがいろんな改造をしている。高性能のハイパードライブも改造で加えられたもの。エピソード4『スター・ウォーズ エピソードIV/新たなる希望』~エピソード6『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』ではハン・ソロの愛機だが、ずっと彼の所有物だったわけではない。その変遷の一端が『ハン・ソロ』で描かれるはず。
<ファルコンの所有者たちをざっくり整理>
●番外:エピソード2『スター・ウォーズ エピソードII/クローンの攻撃』
アナキンとパドメがコルサントを脱出してナブーに到着するとき、港にファルコンと同じ型の宇宙船が停泊している!? が、米公式サイトのデータベースでは、ファルコンはエピソード2『スター・ウォーズ エピソードII/クローンの攻撃』に登場しない。これは同型の別の船のようだ。
●エピソード3『スター・ウォーズ エピソードIII/シスの復讐』
アナキンとオビ=ワンがパルパティーンを救出し、彼らのシャトルがコルサントの宇宙港に戻るとき、何階か下の発着場にファルコンが入る姿が見える。このときの所有者が誰なのかはまだ描かれていないが、この頃から使われていた。
●『ハン・ソロ』
ランド・カルリジアンが所有。賭けでソロのものになる。
●エピソード4『スター・ウォーズ エピソードIV/新たなる希望』~エピソード6『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』
ソロが所有。
●エピソード7『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』
エピソード6『スター・ウォーズ/ジェダイの帰還』の後、ガニス・ドゥケイン、アーヴィング・ボーイズを経て、惑星ジャクーの古物商アンカー・プラットの所有物になったことが語られる。レイとフィンが乗って惑星から逃走し、ソロとチューバッカに出会って、再びソロのものになる。
●エピソード8『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』
レイとチューバッカが操縦している。
こんな歴史を持つファルコンだが、『ハン・ソロ』では、さらに過去の歴史がわかるかも。そして、今回は新たな性能も判明しそう。予告編で、機体の先端部分がこれまでと違う形になっているのも気になる!
<次回予告>
最終回となる次回は、いよいよ『ハン・ソロ』の主要登場人物たちを大紹介。今作のハン・ソロはいったいどんな人物なのか。初登場の人物、キャラたちにも注目だ!