甘いマスクのライダー出身俳優・赤楚衛二
イケメン発掘調査隊
『映像研には手を出すな!』イケメン調査隊 赤楚衛二(あかそ・えいじ)【第148回:イケメン調査隊】
インタビュー
Q:アニメ化も話題となった人気マンガ「映像研には手を出すな!」の実写映画への出演が決まったときの気持ちは?
オーディションだったんです。だから、決まったときはとても嬉しかったですね。実は、その時、まだ台本ができあがってなくて、原作を渡されたんです。それが今まで読んだことのないマンガで。その世界観もそうだし、絵もコマ割りが独特ですごく衝撃を受けました。だから、実写化するとどうなるのかと思うと、ワクワクしました。
Q:マンガは結構読まれるんですか?
はい、大好きです(笑)。一番好きなのは「サンクチュアリ」で、次が「ザ・ワールド・イズ・マイン」かな。
Q:英勉監督の印象は?
実は、僕、映画デビュー作が英監督の『ヒロイン失格』だったんです。出番は、ほんのひとこと「おはよう」というセリフだけだったんですけど、めちゃくちゃ緊張して、ガチガチになっちゃって。英監督が現場の空気を和らげてくださったおかげで僕も肩の力を抜いて演じることができました。監督とはそれ以来だったので、最初は緊張しましたが、英監督は僕のような若い役者を乗せるのが上手で。
Q:じゃあ、今回はうまくいきましたか?
ですね。それに、英監督が手掛けている『ぐらんぶる』に主演している犬飼貴丈クンは「仮面ライダービルド」で一緒だったので、その話をしたんです。そしたら、「お前、あいつと仲がいいの、面白い奴だろう」なんて言われて。すっかり場も和んで。そこからは緊張もなく、自分のやるべきことをやろうと思いました。
Q:今回の役どころ、ロボット研究部の小林役について監督からのリクエストはありましたか?
監督から言われたことは、同じロボ研の小野(板垣瑞生)の唯一の理解者であって欲しいということ、ロボ研のバランサーであって欲しいと。それが小林の役割だって言われて、そこを心がけましたね。
Q:ロボット愛にあふれている小林と、似ているところはありますか?
僕もどっちかというと小林のようにバランスをとるタイプなので似ています。ロボット好きというところも似てますね。子供のころ、ロボットに惹かれて、一時期、ロボットを作るグッズを毎月送ってくれる雑誌を取ってもらっていたことがありました。今回、ロボット愛を見せようと思って、実は自宅のトイレでコックピットに見立てて、気分をアゲてたんです。
Q:トイレがコックピットですか?
はい(笑)。トイレの便座をコックピットに見立てて、乗っている気分。ボタンを押したりして……。汚いですけど、スマホで「ガンダム」を観ながら、なんとなくその気分になるというか。
Q:撮影で役立ちましたか?
僕自身はコックピットに乗ってはいないんですけど、ロボット愛があるかないかというモチベーションとかテンションの高さを出すのに、役に立ったと思います(笑)。
Q:CGのロボットなど、実際には見えないものに対してのリアクションをどう考えましたか?
現場では、風船をロボットに見立てて演じたんです。僕の場合、1年間、怪人と戦っていた経験(「仮面ライダービルド」)があるので、気にせず演じられたんですが、その場にいた全員の目線はどうなっているのかなと。できあがりがすごく気になりました(笑)。
Q:映像研とロボ研のハイテンションな掛け合いがありましたが、撮影現場はどんな様子?
もともと現場のテンションは高かったと思うんですが、会話のテンポがものすごく速かったりするので、頭をメチャクチャ使いました。みんなそれぞれにテンションを上げてたと思うんですけど、イッキに上げなきゃいけないときにはロボ研はみんなで集まって、スタートがかかる前に、よくバスケ部が練習のときに一斉に足踏みするみたいなのをやって、身体的にテンションをあ上げてましたね。
Q:ちなみに、普段はテンション高いほうですか?
いや、ないですね。落ち着いちゃいましたね。年を重ねたら、そんなにテンションを上げることもなくて。だから、今回のハイテンションな演技は僕にとってチャレンジだったかもしれないですね。役どころとしてもなかなかないので。
Q:今回の撮影現場は同世代の俳優さんたちが多かったと思いますが、撮影を離れて一緒に過ごすようなことは?
撮影初日にみんなでご飯に行こうと思ったら、たまたま一緒に行けたのが、瑞生だけで、ラーメン屋で「なんで役者をやってるの?」なんて話になって、芝居について熱く話し合いましたね。それぞれのキャラクターのこともいじったり。
Q:赤楚さんは板垣さんを「瑞生」って呼ぶんですね。では、板垣さんは?
「赤楚くん」かな。ずっとこんな調子で。最近も会っているので、今回の共演で打ち解けたと思ってます。でも、これで僕しかそう思ってなかったら、相当面白いですね(笑)。
Q:映像研のみなさんとは仲良くなる機会は?
とても忙しい方たちなので、そういう機会はなかったですね。撮影があったその夜に、家に帰ってテレビを観ていたら、生放送で齋藤飛鳥さんたちが映っていて。あの忙しさのなかで、どこで台本を覚えたんだろうと思ったことがありました。改めて第一線で活躍する方たちのプロフェッショナルさを肌で感じました。
Q:作品の中で好きなキャラクターは?
映像研の金森(梅澤美波)ですね。彼女のすごくビジネスマインドなところが好きですね。それとは別に今回、一番笑ったのは、ロボ研の小豆畑(亀田侑樹)がボソッと本音を吐くところがおかしくて。その言葉が妙に突き刺さったんです。とんでもなく印象的なシーンでした。
Q:一番楽しみにしているシーンはどこですか?
やっぱりロボットが動くところですね。そして、映像研とロボ研のセリフが飛び交うシーンが映像ではどうなっているのか。みなさんもぜひ楽しみに観てほしいと思います。
一問一答 PRIVATE
Q:今回、高校生を演じて、自分の高校時代のことを思い出しましたか?
確かに久しぶりの高校生役で、自分では違和感ないかなって思って演じてましたけど、スクリーンに映ったらどうですかね(笑)。今回の現場で、高校時代のことを思い出したのは、文化祭のシーンです。「ああ、こういうわちゃわちゃした雰囲気だったな」って思い出して。懐かしみました。で、その懐かしいと思うところで、年を取ったなと感じました。
Q:小林がロボットに熱中したように、夢中になっているものってありますか?
僕の場合、すごくスーパー銭湯が好きなんです。実家にいたころ、近くにいつも行くところがあって。スーパー銭湯って一日中楽しめるじゃないですか。マンガが置いてあるところもあるし、その上ご飯も食べられる。僕からしたら、遊園地みたいなもので。だから、最近はレンタカーを借りて、スーパー銭湯めぐりしています。
Q:休日の過ごし方は?
基本、家にいるか、ドライブに出てスーパー銭湯に行っています。最近、良かったのは大井町にある「おふろの王様」です。不感温湯といって、お湯の温度が人間の体温と近くて、そこに入ると、ものすごくリラックス効果が得られるんです。気に入りました。
Q:好きな映画は?
アンドリュー・ガーフィールド主演の『BOY A』、行定勲監督の『GO』です。邦画、洋画関係なく観ますが、ただホラーは苦手。映画館で観るのが好きです。友だちと行くのもいいけど、1人で行きたい派です。たとえば、来週の日曜日が休みだとしたら、観られる作品を見つけて、その時間にあわせて行くようにする感じですね。
Q:憧れの俳優は?
一度お会いしたいと思っているのは、中井貴一さん。『壬生義士伝』や大河ドラマ「義経」など、演技の説得力もそうですけど、そこにいるだけで引き込まれまれます。本当に一度、一緒にお仕事させていただきたいです。
Q:今後の目標は?
職人さんみたいに演じることを追い求める人ってカッコいいなと思っています。以前、ご一緒させていただいた堤真一さん(舞台「民衆の敵」2018年)の役との向き合い方などを拝見して、ああいう役者さんになれたらなと。特技に剣道と書いていますが、仮面ライダーをやったおかげで、アクションや殺陣はできると思います。覚えるのも早い方だと思うので、現代劇、時代劇、アクションなんでも挑戦していきたいです。
取材・文:前田かおり 写真:奥山智明
インフォメーション MOVIE INFO
「月刊!スピリッツ」で連載され、アニメやドラマにもなった大童澄瞳の漫画を実写映画化。運命的に出会った女子高生たちがアニメ制作に奮闘する。個性豊かな映像研のメンバーを、乃木坂46の齋藤飛鳥、山下美月、梅澤美波が演じるほか、小西桜子、グレイス・エマ、福本莉子、高嶋政宏らが共演。『あさひなぐ』などの英勉がメガホンを取った。
赤楚衛二プロフィール
生年月日:1994年3月1日
出身地:愛知県
身長:178cm
血液型:B型
趣味・特技:剣道・ピアノ
芸歴:2017年に Amazon Prime Video の「仮面ライダーアマゾンズ」に長瀬裕樹役として出演後、9月に「仮面ライダービルド」で万丈龍我/仮面ライダークローズ役として仮面ライダーシリーズ2作品に出演。2019年「ねぇ先生、知らないの?」でドラマ初主演を務めた。8月14日には『思い、思われ、ふり、ふられ』が公開された。
映画『映像研には手を出すな!』は9月25日公開
(C) 2020 「映像研」実写映画化作戦会議 (C) 2016 大童澄瞳/小学館