『耳をすませば』中川翼、16歳にして紳士のような佇まい
激推しスター発掘調査隊
『耳をすませば』中川翼（なかがわ・つばさ）【第1回：激推しスター発掘調査隊】
次世代スターとして活躍が期待される俳優の素顔に迫る本企画。今回は、柊あおいのベストセラー・コミックを原作にした甘酸っぱい青春ストーリー『耳をすませば』で中学3年生の天沢聖司を演じた中川翼さんを徹底解剖します！
中川翼プロフィール
生年月日：2005年12月6日
出身地：神奈川県
身長：170cm
血液型：B型
趣味・特技：読書、料理、ウクレレ、バスケットボール、サッカー
芸歴：4歳でモデルデビュー。映画『僕だけがいない街』『浅田家！』『Arc アーク』、初主演を務めた『光を追いかけて』や、ドラマ「わたしを離さないで」「Aではない君と」「彼らを見ればわかること」「青のSP（スクールポリス）－学校内警察・嶋田隆平－」、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」などに出演してきた。
【PRIVATE 素顔に迫る一問一答】
Q：今、身長は？
170cmくらいです。
Q：『耳をすませば』のときから、どれくらい伸びましたか？
それが……伸びてないんです。中2くらいからほとんど変わってないのですが、久しぶりに会う人にはいつも「身長伸びた？」と聞かれます。それで毎回、「伸びてないです」とセットで答えてます（笑）。もしかしたら1ミリくらいは伸びているかもしれませんが。
Q：いまいちばん観たい作品は？
「ウォーキング・デッド」。周りのたくさんの人が観ているようで、コワイと聞いてずっと挑戦できていません……。いつか観たいと思ってます。コワイ作品が苦手なんです。
Q：映画は映画館派？ 配信で観ることが多いですか？
どちらかといえば配信されている作品を家で観ることが多いです。でも映画館の空気感はまた違って好きで、映画館にもよく行きます。
Q：4歳違いの弟、中川望さんも俳優ですね。どんなお兄ちゃんですか？
負けず嫌いな兄かもしれません。勉強でもお仕事でも、弟に負けたくないんです。弟のお仕事が決まったよ！ と聞くと、僕だって！ と毎回思います。とても仲良いですね。
Q：『耳をすませば』で演じた聖司と同様に、読書がお好きとか？
好きな本は「時給三〇〇円の死神」と「三日間の幸福」です。好きな本はとことん読み込むタイプで、この2冊も5～6回は読んでいます。でも僕は聖司のようなキラキラした王子様ではありません（笑）。人見知りだし……。第一印象が恐い、暗そうとよく言われてしまうんです。僕は緊張しているだけなんですけど、話しかけていいのかわからないって。
Q：学校ではどんなキャラクターですか？
友だちといるときは、ボケてます（笑）。よくツッコまれます。楽しいのが好きなので、友だちとずっとわちゃわちゃしてます。
Q：長所は？
忍耐力があること。僕は映画『僕だけがいない街』でも『耳をすませば』の平川雄一朗監督とご一緒したのですが、そこで鍛えられました。夏休みに毎日稽古があって、毎回泣きながら行って。でも負けず嫌いなのでそこで食らいつき、成長できたと思うので、そういうところが長所かなと思います。
Q：短所は？
宿題などは、期限ぎりぎりまでやりません。焦るラインにならないと、何事も集中して取り組めないところがあります。
Q：好きな科目は？
数学と体育。数学は明確な答えがあるから。必ず答えにたどり着くことができるし、正解と不正解がハッキリしているのも好きです。体育は、身体を動かすのが好きなので。
Q：今ハマっていることは？
サッカーです。6年前くらいから急に火が付きました。最初は昼休みや放課後に友だちとやっていたのですが、高校に入ってからちゃんとチームスポーツをやってみたい！ と思って。「アオアシ」という漫画にも影響され、高校でサッカー部に入りました。ポジションは右サイドハーフをやらせてもらっています。高校から始めたので、下手です（笑）。でも走るのは自信があります。中2のとき、シャトルランという持久力を測る体力測定があって。当時は家庭科部だったのですが、学年で1位でした！
Q：『耳をすませば』に、「夢はカタチを変えていく」という意味の台詞があります。目指すところは変わりましたか？
次はこれがやりたい、などだんだんと目標が明確になっています。もともとは母に「人見知りだからちょっとやってみる？」と勧められてモデルとして活動を始め、お芝居を始めたのはその4～5年後。夢というか、ゴールに一歩一歩近づいているのかなという気がしています。人見知りも、前よりはよくなっているかなと。
Q：お芝居の面白さをどこに感じますか？
役にのめり込めることです。撮影のスタートからカットがかかるまで、記憶がなくなるくらいに集中してのめり込むことができます。その役に入ることができている楽しさ、それが一番です。
Q：俳優としての目標は？
大きな目標はずっと変わっていません。事務所の先輩である菅田将暉さんが「世にも奇妙な物語」で「カメレオン俳優」という作品に出演されていたんです。注射をするとコロコロと別人に変われる、みたいな役で。菅田さんにピッタリでした。それから、カメレオン俳優って格好良い！ 菅田さんのようなカメレオン俳優になりたい！ という思いがずっとあります。中川翼が演じているというより、役ごとにまったく別人に見られるくらいに、役に溶け込みたいです。
【MOVIEインタビュー】
Q：映画『耳をすませば』への出演が決まったときはどう思いましたか？
アニメーション作品を観ていたので、「あの『耳をすませば』!? と驚きました。中学生の甘酸っぱい青春が描かれていて、皆の憧れである天沢聖司役だったので、あの天沢君か！ と。プレッシャーも大きかったです。皆さんの期待を裏切らない天沢聖司を演じられたらいいなと思いました。
Q：王子様みたいな役ですよね？
はい、難しかったです（笑）。キレイな人というのが第一印象でした。それでシュッとした、キレイな佇まいでいこうかと思っていたら、平川監督に「もっとプライドが高くてキラキラしてる王子様だから」と。「『花より男子（だんご）』の松本潤さん（道明寺司役）、あと木村拓哉さんを研究して」と言われました。それで一気に作品を観て。あの役を演じた松本さんのツンデレさ、ちょっとSなところをひたすら研究しました。話し方や佇まいもすべて。ポケットに手を入れるときに、これは木村さんもそうなんですけど、親指だけを入れたりするんです。それを真似たら監督に、「ちょっと松潤過ぎるよ！」と言われました（笑）。それくらいになり切っていました。
Q：「感情の行き場所が迷子になりそう」だったとか？
聖司は最初、安原琉那さん演じる雫を好きだという気持ちを隠しています。本当は一目惚れしているのに、それを悟られないようにしながら不器用に接します。それを表現するのがいちばん難しかったかもしれません。それこそ松本潤さんを見習い、研究して表現した感じです。キラキラしていて、本当に勉強になりました。
Q：『僕だけがいない街』「わたしを離さないで」とデビュー当時から平川監督とお仕事をされて、学んだことはなんですか？
『僕だけが～』のときは藤原竜也さんの幼少期を演じたので、撮影の合間のリハーサルで「お前は藤原竜也だ」と言われ続けました。今回は「お前は天沢聖司だ」とたくさん言われました。「聖司だったらこうすると思うよ」など助言をもらいつつ、役をつくっていきました。
Q：劇中、ふとした瞬間に、松坂桃李さんに似ていると感じました。
僕のクランクインは清野（菜名）さん松坂さん、安原さんと4人のシーンでした。そのときに松坂さんがチェロを弾く姿を見たのですが、格段に上手過ぎて！ これはマズい、完敗してしまう……と。本当に完敗しました（笑）。そこで松坂さんの癖を盗んで撮影でやってみたんです。そしたらカットがかかった後に、カメラマンさんに「今、一瞬松坂桃李に見えたよ！」と言っていただいて。ちょっと近づけた！ といううれしさがありました。
Q：これまでの演技を参考にしたのではなく、撮影現場で見て真似たんですね？
その場でしか味わえない空気感というか、松坂さんにしか出せないキラキラしたオーラや、それでいて堂々とした王子様のような佇まいを盗もうと思ったんです。チェロを弾いているとき、下から上に目線を上げるのもものすごくかっこよくて、真似しました。
Q：チェロの演奏は難しかったですか？
弓を持つ手がまず複雑で。ただ握るんじゃないんです。普段は使わない筋肉を使うので手が凝ってしまって。ひじも、肩から動かす感覚です。それらを習得するまでが難しく、時間がかかりました。ずいぶん前に趣味でウクレレを弾き始めたのですが、チェロのような本格的な楽器の演奏は初めてで。5か月ほど練習しました。
Q：雫役の安原琉那さんとはうまくコミュニケーションを取れましたか？
僕は人見知りで自分から話しかけるのが苦手なのですが、つい先日も会う機会があったとき、ダーっと走ってきて、「5cmも背が伸びちゃいました！」って。うわっ、雫だなって思いました（笑）。実はオーディションで初めて会ったとき、「この子が雫になるんだろうな」と思ったんです。髪もショートカットにしていて、もう雫にしか見えませんでした。だから撮影中も、原作の雫と話しているみたいでした（笑）。
取材・文：浅見祥子 撮影：平岩享
【インフォメーション MOVIE INFO】
スタジオジブリのアニメでも知られる柊あおいのベストセラー・コミックを原作にした青春ラブストーリー。それぞれに夢を追いながら惹（ひ）かれ合う少年少女の淡い恋模様を、その10年後の姿も交えながら映し出していく。メガホンを取るのは、『春待つ僕ら』『記憶屋 あなたを忘れない』などの平川雄一朗。『今日から俺は!!』シリーズなどの清野菜名、『新聞記者』『蜜蜂と遠雷』などの松坂桃李が主人公の男女を演じている。
映画『耳をすませば』は10月14日より全国公開
(C) 柊あおい／集英社 (C) 2022『耳をすませば』製作委員会