『仮面ライダーガッチャード』クールで妖艶なラケシスの素顔：坂巻有紗
シネマトゥデイ特撮部
坂巻有紗「仮面ライダーガッチャード」（放送中）
特撮作品で活躍する魅力あふれる女性キャストをご紹介する「シネマトゥデイ特撮部」。今回は特撮ドラマ「仮面ライダーガッチャード」でラケシス、映画『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』でラキネイレスを演じている坂巻有紗（さかまき・ありさ）さんを徹底解剖しました。
【PROFILE プロフィール】
生年月日：2000年9月23日
出身地：埼玉県
身長：162cm
血液型：A型
趣味：筋トレ、ホラー映画
特技：歌、英語、沖縄の方言、砲丸投げ、ニワトリのモノマネ
芸歴：「仮面ライダーガッチャード」に冥黒の三姉妹の三女・ラケシス役でレギュラー出演。そのほか、映画『ダウンタウン・ユートピア』『GONZA』や舞台「Les Miserables～惨めなる人々～」等に出演。2023年10月には「素直にI love you を」で歌手デビューを果たした。
【INTERVIEW 作品について】
Ｑ：もともと「仮面ライダー」をよく観ていたそうですね？
姉の影響で観はじめたのですが、まさに世代というか、いちばん好きなのは「仮面ライダー電王」です。もともと声優さんが大好きで、主人公と一緒に戦うイマジンを演じられた声優陣が豪華だったんです。それでどっぷりとハマっていました。特にウラちゃん（ウラタロス）が好きで、かわいいぬいぐるみも持っています。ですから、「仮面ライダーガッチャード」への出演が決まったときは、姉がいちばん喜んでくれました。第1話からリアルタイムで観てくれて、自分のSNSで「みんな観てね～」と宣伝してくれています。
Ｑ：坂巻さんが考える「仮面ライダーガッチャード」の魅力は？
宝太郎とりんねがピュアなんです！ 一緒にいると、ゴメンなさいと思うほどで……いえ私ももちろん、ピュアなんですけど（笑）。人柄もお芝居もそうで、全体的にフレッシュな作品に仕上がっていますよね。観るだけで心が浄化されます。主演の（本島）純政くんは、一ノ瀬宝太郎そのまま。何に対しても一生懸命で、テストから100％でやる。九堂りんね役の（松本）麗世ちゃんは、若いのにしっかりしていて、純政くんとの組み合わせも面白い。麗世ちゃんとはオーディションから一緒で、隣に座った瞬間、ファーストインプレッションで「ヒロインやん！」と思いました。
Ｑ：坂巻さんご自身は、ラケシスとはずいぶんイメージが違いますね。
嬉しい！ ちゃんとラケシスを演じています（笑）。最初は「三姉妹の中でいちばん冷酷でクールで残虐」とお聞きして、どうしよう？ と思ったんです。でも田崎竜太監督（崎はたつさきが正式表記）から「ラケシスは全体的に妖艶に演じてほしい」と言われて、そこから人物像がわかりやすくなりました。妖艶さをメインに、でも戦うときは子供のように。そんなことを意識していました。アニメをたくさん観てきたせいか、そうしたイメージが、自分のなかにスッと入ってきた気がします。
Ｑ：具体的にイメージしたキャラクターは？
ハーレイ・クイン（DCコミックスのキャラクター）が好きで、あの妖艶だけど茶目っ気のある感じ、表現の差をつけることを少しだけ意識しました。（実写映画でハーレイ・クインを演じた）マーゴット・ロビーさんが大好きなんです。彼女の作品では『バビロン』も好きです。
Ｑ：ラケシスを含む冥黒の三姉妹、ほかの二人の素顔を教えてください。
アトロポスもクロトーも、素顔は役とは全然違います。当たり前ですけど（笑）。なかでもアトロポス役の（沖田）絃乃は、人懐こい小学4年生。実はシャイで、心を許す人にだけ懐いてくれるところがかわいくて、守ってあげなきゃ！ って思うんです。お芝居もそうですが、大人の面もあってどっしりしていて、私が注意されるときもあります（笑）。
Ｑ：映画の脚本を読んだときの率直な感想は？
私、ラケシスじゃない!? ということにいちばん驚きました。1年間頑張ってきたのに……って（笑）。でも逆に、チャンスだ！ とも捉えています。映画に登場するラキネイレスは、今までとは少し違うお芝居になっていると思います。ラケシスとは別物と言っていいかもしれません。監督は「楽しんじゃってください！」という感じだったので、私も「任せてください！」と（笑）。それでスーツアクターさんとも話し合い、普段と戦うときとでまったくキャラが変わるようにしよう、ということに落ち着きました。
Ｑ：劇場版ではアクションも？
あります！ ラケシスでがっつりアクションに絡んだのは、テレビシリーズでヴァルバラドに変身したとき（第33話「伝説ライダー？100年早いな！」）が初めてでした。あの回は自分でも大好きです。自然と気持ちがのりましたし、出来たものを観ても、格好いい！ と思えて楽しかったです。
変身時の「鉄鋼！」というセリフは、色っぽく言うのか、黒鋼スパナ（藤林泰也）に寄せて力強くするのか、最初は迷いました。キャストのみんなは「絶対に後者が面白い！」と言っていましたが、わたくし、チキンなので……（笑）。テストでも遊ぶのは止めようと、ちゃんとラケシスらしく言いました。変身動作に関しては、撮影当日まで迷い、アクション監督の福沢博文さんに相談しました。すると「じゃあヴァルバラッシャーにキスしちゃおうか！」と言われ、そこまでしていいんですか!? と思ったのですが、「わかりました」と。刀身にキスしました。坂本（浩一）監督が、スローモーションで横からがっつり捉えてくださって出来た変身シーンでした。
Ｑ：ラケシスはどんどん面白いキャラクターになっていますよね……？
最初はあんなに冷酷で残虐だったのに、「人間になりますわ」って（笑）。いろいろなお芝居が出来て楽しいです！ お買い物で長ネギを買っていましたが、あのカゴには、実は袋詰めのパクチーも入っていました（笑）。キャラがどんどん変化するのも、仮面ライダーの醍醐味かもしれません。
Ｑ：テレビシリーズでは「キッチンいちのせ」にも行きましたね。
ヴァルバラドに変身したあたりから、「絶対に“キッチンいちのせ”に行きたい！」と話していたんです、イレギュラー感がいいよね！ と。第36話「ケミーの起源！我は理解する」では、宝太郎たちがラケシスを笑わせようとしてくれたのですが、ラケシスとしては真顔でいなきゃいけなくて。カットがかかった瞬間、私がいちばん笑っていました。
いちばんおかしかったのは……麗世ちゃんです。100％でやるものだから、もう……。その後に、恐竜の着ぐるみを着た回（第39話「ガッチャ完了！クライマックス101！」）もありましたよね。なんであんなにかわいいんだろう？ 天使ちゃんですね。
Ｑ：映画について一言メッセージをお願いします。
「仮面ライダーガッチャード」を初めて観る方も、テレビシリーズとは違うテイストなので楽しんでいただけると思います。これまで観てくださっている方にとっては、登場人物の新たなキャラクター性がどんどん出てくるので、そこも楽しいと思います。
Ｑ：ラケシスとして、残りのテレビシリーズの見どころは？
人間ってなんだろう？ という気持ちが高まり、冥黒の三姉妹としての自分との狭間で揺れ動きます。その辺りに注目してほしいです。最初は自分でつくり上げたラケシスのイメージがあったので戸惑いもありましたが、脚本家さんがいい意味でラケシスで遊んでくださって。どう演じよう？ というのが毎回の課題でしたが、とても演じがいがありました。
【PRIVATE 素顔に迫る一問一答】
Ｑ：女優を目指すきっかけは？
もともと芸能界に興味があったわけではありませんが、中1のときにミュージカル「テニスの王子様」を観て、格好いい！ と思い、そこから私も舞台に立ちたいと思うようになったのが始まりです。
Ｑ：役者だけでなく、歌手としても活動されていますね。
小さい頃から、姉とカラオケによく行っていて、その積み重ねで知らない間に鍛えられたのかもしれません。歌うことも大好きです！
Ｑ：中学では陸上部で短距離、走り幅跳び、砲丸投げをやり、高校ではソフトボール部に所属していたそうですね？
芸能界に入る前は、なんでも来い！ というスポーツ少女でした。高校のときのソフトボール部では、強肩を活かしてポジションはセンターでした。足も速くて、中1のときは50メートル走のタイムが7.3秒でした。ですが、ソフトボールの練習中にスライディングをしてケガをしてしまい……。他に出来ることは？ と探して、芸能界を目指すことにしたんです。
Ｑ：今も筋トレを続けているのですか？
軽くですけど、下半身の筋トレは毎日やっています。グラビアを始めたこともあって、いつお仕事をいただいてもいいようにです！「仮面ライダー」をやらせていただいた1年間は体を動かすことも多かったです。福沢アクション監督に「結構、動けるね。剣を持っちゃおうか？」と言われ、アクションが増えていきました。アクションシーンは毎回その場で動きをつけていただくので、ひやひやドキドキですけど、楽しいです。
Ｑ：ニワトリのモノマネが特技なのですか？
自宅の庭でニワトリを4羽飼っていて、毎朝その鳴き声で起きます。そりゃ、覚えますよね！ 実家は埼玉県所沢市ですが、他にそんな家は見たことがありません。坂巻家ではニワトリが毎朝新鮮な卵を2個産んでくれるので、卵は自給自足。今まで買ったことがなかったです。
Ｑ：英語が得意な理由は？
母がハーフでインターナショナルスクールに通っていたので、私も日常会話くらいは話せます。忘れてしまうので、日頃から母と英語で話すように意識しています。
Ｑ：好きなお笑い芸人は？
王道かもしれませんがジャルジャルさんが好きです。YouTubeを観て、元気をいただいています。芸人さんってお芝居が自然ですよね。観ていて、学ぶことも多いです。いつか、コントもやってみたいです！
Ｑ：普段から車も運転されるとお聞きしています。
車に乗り始めて、一気に行動範囲が広がったのが楽しくて。日頃から運転していると、目配り・気配りがきくようになりました。「子供が飛び出してくるかもしれない」といつも気にしながら運転していると、些細なことも気にするようになって。運転していてよかったです。撮影でも視野が広がった気がします。
Ｑ：好きな映画を1本挙げるなら？
『コーダ あいのうた』です。歌に関係のあるストーリーで、私も家族が大好きなので共感するところが多くて。夢に向かってがんばる姿に力をもらいました。
Ｑ：憧れの俳優は？
満島ひかりさん。自然体のお芝居が大好きで、俳優として目指しているところでもあります。それから柳楽優弥さん。あのイキきったお芝居が格好よくて！ 役その人になってしまうような演技に憧れます。
Ｑ：ご自身の長所と短所は？
長所は腰が低く、地面をはいつくばるように生きているところ（笑）。短所は、そう言われちゃうのは悲しいですけど、言葉が軽いこと。「（クロトー役の宮原）華音ちゃん大好きだよ！」というと、「それ、みんなに言ってるの知ってるから！」って（笑）。本気なのに、本当にそう思ってる？ と言われてしまうんです。みんなのことが大好きなのだから、仕方ないですよね。人に対して壁がない？ そうかもしれません。
Ｑ：チャームポイントは？
お尻です。毎日ヒップアップの筋トレをしているので、自信があります。
Ｑ：一日お休みがあったら？
富士急ハイランドに行きたい！ 絶叫系が大好きで、ホラーも大好きなので。車で運転して行きたいです（笑）。
Ｑ：今後やりたいことは？
お芝居だけでなく、歌も歌っていきたいです。歌に絡んだ、それでいて自然体のお芝居もしてみたいと思っています。
（取材・文：浅見祥子 写真：高野広美）
【MOVIE INFO インフォメーション】
『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』
錬金術により生み出された人工生命体・ケミーを集めるべく奮闘する仮面ライダーを主人公とする特撮ドラマ「仮面ライダーガッチャード」の劇場版。未来の危機を察知した仮面ライダーガッチャードこと一ノ瀬宝太郎が、20年後の宝太郎である仮面ライダーガッチャードデイブレイクを助けるべく時空を超える。監督は『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』などの田崎竜太。
映画『仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク』全国公開中
(c)2024 映画「ガッチャード・ブンブンジャー」製作委員会 (c)石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映 (c)テレビ朝日・東映AG・東映